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通常、大人になるにつれて現実を知り、残念ながら自分の力の限界を知ります。しかし、大人になっても「自分は何でもできる」という感覚が消えないのが幼児的万能感です。幼児的万能感を持つ人は、根拠のない自信があります。私も大概厚かましい方ですが、さすがに”このような万能感”は持っていません。普通の人は、様々な経験や挫折を通し、自分の力の限界を知るため、自然と幼児的万能感が消えていきます。私はスポーツが苦手だったので、小学校の体育で、”速く走れない”現実を知らされました。挫折は早い方が良いみたいです。

幼児的万能感が強い人は、自分の本当の(大したことのない)能力を受け入れたくないという思いから、本当の能力以上に自分を過大評価しがちです。また、自尊心が強すぎるため、自己愛性パーソナリティ障害になってしまう可能性もあるそうです。幼児的万能感とは違いますが、躁鬱そううつの躁状態になると、万能感が増すようです。たしか作家の北杜夫さんは躁状態の時に、”自分は株の天才だ”と思って株を大量に買い、その後、大きな借金を作ったことを、ドキュメンタリー番組で見たことがありました。

自信を持つことは悪い事ではありませんが、それが過剰になると問題です。『過ぎたるは猶及ばざるが如し』という格言通り、丁度良いのが一番です。どこかのアニメの主人公のように、「海賊王に、オレはなる!」と言っても、大人になると諦めてしまうものです。私の実弟はウルトラマンになりたかったみたいですが、ただの中年オヤジにしかなれませんでした。

しかし、私の心の片隅に「俺はまだ本気を出していない!。本気を出せば・・・」というような気持がくすぶっているのも事実です。「いい年をしたオッサンが」と言われそうですが、『人生百年時代』が本当なら、まだまだこれからです。

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