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不正は暴かれる! 給食センターの話

私は食べ物の好き嫌いが激しい偏食児童だったので、小学校の時の給食が苦手でした。その当時、中学校はお弁当持参だったので、中学生になったら給食から解放されると思っていた矢先、市営の給食センターができて近隣の中学校が給食に代わってしまいました。私が行く予定の中学校も、私の入学時から給食に変わり、ガッカリしたことを覚えたいます。ただし、親御さん目線で言えば大助かりだったのでしょう。

中学校の給食一年目は、普通に過ぎました。事件は二年目に起きました。ある時期から、急に給食にデザートがつき始めたり、給食の内容が豪華になったのです。また、中学校にも遠足があって、小学生の時のようにおやつを持ってきてよかったのですが、その時から「お菓子は学校から、配られるので持って来なくて良い」というプリントが配られるようになりました。私は、どうせたいしたお菓子は出そうにないから、自分で持って行きたいと思いましたが、配布されたお菓子はいつもの予算内では買うことができないような豪華な内容でした。例えば、昭和の高級チョコレートの代名詞である『森永ハイクラウンチョコレート』なども入っていました。

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我々子供達には、この不思議な出来事がサッパリ理解できませんでしたが、ある時にその意味を知ることになりました。給食センターが出来た1年目、給食職員の慰労を兼ねた職員旅行を決行したようですが、その財源がいけませんでした。あろうことか、生徒の給食費から天引き(中抜き)して、慰安旅行の旅費を積み立てていたのでした。

普通は、自分たちの給料から旅費を積み立てるべきなのですが、給食費から旅費を積み立てていたことが発覚して大問題になりました。おそらく、内部告発と思われますが、刑事事件には発展しませんでした。その代わりに、今までの天引き分が給食職員から返却され、リッチな給食や遠足のおやつとして還元されたのでした。給食職員には悪意はなかったのかもしれませんが、厳密に言えば窃盗です。

因果応報。悪いことをすれば、その悪事がいずれ自分の身に降りかかります。半年ほど続いたリッチな給食は、3年生になると元の給食に戻りました。

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