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無駄こそパワーだ!

説明するまでもありませんが、『無駄』は役に立たないことや、それをしただけの甲斐が無いことを意味しています。例えば、「無駄な金を使う」「時間を無駄にする」などのように使います。また無駄口や無駄足のような使い方もされます。ちなみに無駄という漢字は、当て字だそうです。

”無駄”については、「無駄をなくす」や「無駄を省く」という表現があるように、一般的には悪い事と考えられています。利潤を追求する仕事などでは、当然のことですが、お金や時間の無駄が出来るだけ少なくなるような、効率的な作業が求められます。

機械やロボットに置き換えられるような単純な作業では、無駄はなくす必要があるでしょう。しかし、芸術や研究などのクリエイティブな仕事では、必ずしも無駄が悪いとは思いません。そもそも、極論すれば、音楽や美術などの芸術は、無くても人間が生きていけないわけではありません。むしろ、食べていくのがやっとの状況では、芸術をゆっくりと鑑賞する気分にはなれません。しかし、そんな時でも、ちょっとした音楽や絵画に、心が救われる経験をした人は少なくありません。

一見、無駄のように思えることでも、無駄ではないのです。またまた極論ですが、”無駄こそ文化だ”と考えることもできます。歴史的に見ても、ちょっとした遊び心が長い年月をかけて、芸術へと昇華する場合も結構多いのです。芸術とは毛色が違いますが、洞窟に残された壁画なども、古代人の遊び心(信仰心?)が無ければ、その時の生活環境を記録することはできませんでした。

研究などにも無駄を省いた効率が求められていますが、それは”研究の本質”を理解していない人の発想です。実は研究こそ、無駄の塊です。人類に多大な貢献をした研究のほとんど全ては、多くの失敗(無駄)の上に成り立っています。まったくの失敗なしに、素晴らしい研究成果を得られた人は一人もいません。エジソンも自身の言葉で『天才とは、1%のひらめきと99%の努力である』と言っているように、研究のほとんどは失敗に終わります。

しかし、その失敗(無駄)を重ねることで、失敗しない方向性が見えてきます。また、セレンディピティと呼ばれる、”素敵な偶然”や”予想外の発見”に出会ったりします。必要以上に無駄を恐れる必要はありません。無駄こそパワーなのです。

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