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オヤジの読み聞かせ(番外編) 『シナの五にんきょうだい』

 読み聞かせの記事はまだ一つしか書いてないのに、いきなり番外編です。今回は、私が子供の時に好きだった昔話の思い出を書きます。

『シナの五にんきょうだい』は、「昔シナの国に、姿かたちがそっくりの5人きょうだいが、お母さんと一緒に暮らしていました。兄弟は5人ともそれぞれに不思議な力を持っています。一番上のにいさんは、海の水を全部飲み干すことができました。ところがある時事件に巻き込まれてしまい・・・」というあらすじの古典の名作です。

 しかし、この絵本の歴史には浮き沈みがあって、一度は絶版になっています。それは、支那(シナ)に差別的な響きがあることや、兄弟たちの髪型(弁髪)が問題になったようです。ほぼ同時期には『ちびくろサンボ』も絶版になっています。もちろん、差別はよくありませんし、差別的な容姿も良くないことは十分わかっています。しかし、何も絶版にすることは・・・と思ってしまいます。

 この話が『シナの五にんきょうだい』であることを知ったのは、ずいぶん大きくなった時でした。最初にこの話を聞いたのは、幼稚園での”紙芝居”でした。当時通っていた園では、月に一回くらいの割合で、先生が紙芝居を読んでくれました。その時に出会ったのが、このお話でした。大人になった今読んでみると???な話ですが、当時の私は、五人兄弟がそれぞれの特殊能力で困難を切り抜けるストーリーにワクワクしました。

 次にこの話に出会ったのは、小学生の頃に見たNHKの番組でした。NHK教育の番組だったと思いますが、「龍の子太郎」のような昔話を紙芝居のように見せる番組だった思います。その時も、「あっ、あのお話だ!」と思いましたが、この時も題名までは覚えられませんでした。

 ストーリーは知っているのに、本の題名が分からない時代が長く続きました。この話の題名が『シナの五にんきょうだい』だとわかったのは、結婚して子供ができて、絵本を読み聞かせるようになってからでした。妻が童話館ぶっくくらぶというところから定期的に絵本を購入していましたが、絵本と一緒に贈られてきた絵本紹介のパンフレットの中に、この『シナの五にんきょうだい』の紹介がありました。

 長い年月の後に、やっと判明した題名です。これからも末永く読み継がれていってほしいと思います。ところで、この五人兄弟は”五つ子”なのか、それとも”双子+三つ子”なのか、謎はつきません。

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