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 『可能性は無限大』という言葉を時々耳にしますが、文法的に合っているのでしょうか?。可能性は、”将来の見込み”を意味する一般的な言葉で、本来、可能か不可能か(の二者択一)を表す言葉です。つまり可能性に続く言葉は”あり”か”なし”なのです。確率が0%の場合は、”可能性がない”ことになり、確率が1%以上あるならば、”可能性がある”ことになります。

 可能性に似た言葉で、蓋然性がいぜんせいという聞き慣れない言葉があります。この蓋然性は、確率とほぼ同義の言葉です。なので、「蓋然性が高い/低い」といった使い方をします。

 どうやら、『可能性は無限大』というときの”可能性”の定義は、通常の可能性とは違うようです。ひょっとすると、”可能性”を”確率の逆数”と定義しているのかもしれません。もしそうなら、サイコロを一回降って1の目が出る可能性は6(回に1回)ということになります。これなら、『可能性は無限大』を説明できそうです。

 とても低い確率の場合は、確率が0に近づきます。その場合の確率の逆数は、とても大きな値になります。極端な場合、ほとんど起こらないような現象の場合、確率はほぼ0なので”可能性”は無限大∞となります。ただしこの解釈で言えば、『可能性は無限大』ということは、ほぼ起こり得ないことと同じ意味になります。例えば宝くじの1等が当たる『可能性は無限大』となります。

 ヒネくれた解釈をしてしまいましたが、日本語は難しいです。

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