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人には人の”正義感”

 天秤を持つ正義の女神(Lady Justice )の姿は、司法・裁判の公正さを表すシンボルとして、古くから裁判所や法律事務所などで、彫刻や塑像の題材として扱われてきました。図のように、現在は目隠しをした像が主流ですが、目隠しがないものも多いようです。日本の弁護士が付ける弁護士バッジにも、女神の天秤が描かれています。流行のキラキラネームでは、”正義”と書いて”ジャスティス”と読むケースもあるようですが、このジャスティスの語源は、正義の女神の本名であるユースティティア(Jūstitia)です。

 ”正義”は人として道理にかなった正しさのことで、社会行動の規範という意味があります。また、”正義感”は、正義を貫く気持ちがあり、自分にとって正しいと思うことを守りたいという感情のことです。正義感が強い人は、規律を守る真面目さや誠実さが好印象を与えるため、周りから信頼を得やすい一方、正義感が強すぎると自分の信念を通したいという主張が強くなり、面倒な人と思われたりします。

 人には色んな価値観があって、”正義”に関しても一つだけではありません。もちろん、多くの人が認める”正義”は大事でしょうが、”正義”を振りかざす人には”胡散臭さ”を感じてしまいます。正義感の強い人は、自分の道徳観や価値観が正しいと思っているため、自分の意見が常に一番と考えています。そのため、高圧的な態度をとったり、他人の意見に耳を傾けないなど、周りの人とのコミュニケーションに問題が生じることがあります。時には、人間関係にトラブルが起きたりもします。

 例えば、自分より立場が上の上司などに、権力に屈することなく、面と向かって間違っていると発言できるのなら、気骨があると称賛できます。しかし自分より立場の弱い人、または反論ができない状態の人に、自分を隠した状態で自分の正義を押し付けるのは勘弁して頂きたいのです。個人がどんな”正義”を信じようと構いませんが、それを押し付ける事は止めて欲しいと思います。

 SNSなどでの誹謗中傷は、自分なりの”正義感”が引き金でしょうが、その結果の”指殺人”は悲劇以外の何物でもありません。何でも論破する論破王のひろゆきさんという人がいるそうで、その人の殺し文句は「それって、あなたの感想ですよね?」だそうです。この発言の真意は知りませんが、正義感を振りかざす前に、「それって本当なの?。本当に悪いことなの?」と冷静に考える必要はありそうです。

 今日はちょっとだけ、”自分なりの正義”を振りかざしてみました^^。


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