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自分マガジン お薦め本

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私が読んで面白かった本を紹介します。ジャンルは様々です。世間に余り知られていないであろうマイナー本から、メジャーな本まであります。
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#マイナー本

お薦めマイナー本のまとめ#1

メジャー(多数派)の反対がマイナー(少数派)です。スポーツの世界には、メジャーリーグの野球やプロリーグのサッカーのように、多くの人達に興味を持たれている人気のスポーツがありますが、その反対に”ごく限られた”国や地域だけで人気のあるマイナーなスポーツもあります。タイトル画のセパタクローもそんなスポーツの一つです。 このブログでは、日の当たらない”マイナーな本”に焦点を当てて紹介してきました。もちろんこれは、私個人の勝手な好みで選んだものです。ここでは、そんな過去の記事をまとめ

お薦めマイナー本#15 『図解 財宝発掘マニュアル』

久しぶりに、このカテゴリーの記事を書きます。実は、”お薦めマイナー本”の企画は、すっかり忘れていました(笑)。 「海賊王に、俺はなる!」といったマンガの主人公は、”ワンピース”と呼ばれる、手にした者が“海賊王”になれるというお宝を探し求めています。海賊王でなくても、隠された秘宝や埋蔵金の発見は、男のロマンです。 銭貨や家財などの財宝が、所有者が回収を予定した秘匿目的で、一時的な保管のために埋納されたのに、戦争などの混乱によってその場所が不明となることがあります。このように

お薦めマイナー本#12 『生物ミステリーPRO 』古生物シリーズ全10巻

 マニアと言うほどではありませんが、古生物が好きです。恐竜は小さい頃から好きですが、恐竜以外の爬虫類・両生類・哺乳類などの今は絶滅している動物たちも好きです。今では見ることのできない古生物の姿を想像することは、何とも科学的なロマンを掻き立てられます。  そんな古生物ファンに贈る、ビジュアル読み物シリーズが、『生物ミステリーPRO 』古生物シリーズ全10巻です。このシリーズは、地質年代毎に古生物を化石写真と復元イラストで紹介しています。エディアカラ紀からはじまったこのシリーズ

お薦めマイナー本#10 さあ 数学しよう!

 今回は、数学嫌いな人が絶対に手に取ることが無いと思われる、数学入門の本を紹介します。本のタイトル(邦題)は『さあ 数学しよう!』です。英語のタイトルはもっとシンプルで、1単語の『MATH!』です。  この本の作者であるサージ・ラング(Serge Lang)は、フランス・パリ生まれのアメリカの数学者です。10代の頃に家族でアメリカへ移住し、1946年カリフォルニア工科大学を卒業後、1951年にプリンストン大学で博士号を取得しました。1955年からシカゴ大学、コロンビア大学、

お薦めマイナー本#7 日高山伏物語

 今回紹介するのは、児童文学にカテゴライズされる『日高山伏物語』です。日高山伏物語は、動物を主人公にした児童文学で有名な椋 鳩十(むく はとじゅう)の作品です。  椋鳩十は鹿児島出身の元・教員で、鹿児島県立図書館長も務めたことのある作家です。私も小学生の頃に、この本を含めて何冊か読んだことがありました。ただし、この日高山伏物語は、椋鳩十の中でも異色な作品です。  日高山伏というので、日高地方の山伏の話かと思ったら、作者の出身地である鹿児島のお話でした。また、山伏を長い間”

お薦めマイナー本#5 ほら吹き男爵の冒険

 『ほら吹き男爵の冒険』は、実在の18世紀のプロイセン貴族・ミュンヒハウゼン男爵が語ったとされる奇想天外な物語を集めたものです。この物語の主人公”ミュンヒハウゼン男爵”ことカール・フリードリヒ・ヒエロニュムスは、現・ドイツの実在の人物です。最初の本は18世紀に書かれましたが、19世紀に数多くの作家たちによって加筆され、さまざまな言語に翻訳されたため、物語には100以上のバリエーションが存在します。映画化もされているので、欧米ではメジャーな読み物ですが、日本ではあまり知られてい

お薦めマイナー本#3 三日月とクロワッサン

 今回は、理系の人には”爆笑必至”のエッセイ集『三日月とクロワッサン』を紹介します。タイトルは女性を意識したようなオシャレな響きがありますが、騙されてはいけません。この本はガチで理系な主に男子にお薦めです。といっても、難しい内容ではないので、誰でも気楽に読めます。  筆者の須藤靖さんは、何と東大大学院理学系の教授で、専門は宇宙物理学です。たぶん(?)その道の大家で、ダークマターの存在などを研究しているそうです。この本は東大出版会というお堅いところが出している『UP(ユーピー

お薦めマイナー本#2 解読 古代文字

 前回は少し”お色気”に走ったので、今回は純粋に真面目な”古代文字”の話です。古代文字は、昔は使われていたのに、何らかの理由で使われなくなった文字のことです。世界史を習っていれば、楔形文字やヒエログリフは知っていると思います。  楔形文字は、メソポタミア文明で使用されていた古代文字です。ちなみに、メソは”中間の”を表し、ポタミアは”河(川)”を表します。この文明は、チグリス川とユーフラテス川の間の地域で栄えた古代文明なので、メソポタミア文明と呼ばれています。楔形文字の筆記に

お薦めマイナー本#1 日本女地図

 写真の殿山 泰司さんは、すでに平成元年にご逝去されているので、若い人は全く知らないと思いますが、癖の強い昭和の名脇役でした。"名脇役"というのはソフトな表現ですが、実際は”因業爺”や”エロ爺”の役が多かったと思います。戦後の日本映画に数多く出演されているので、古い映画が好きな人なら、顔ぐらいは見たことがあるかもしれません。殿山さんは、その破天荒で波乱万丈な人生でも有名でした。私は見たことはありませんが、殿山さんの生涯が映画化されているそうです。  殿山さんは、ジャズとミス