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夫のこと

私の夫は、バングラデシュ🇧🇩というインドの隣の国出身です。

夫と出会ったのは、1998年、ドイツの首都ベルリン。

その当時の夫は、ドイツのNPO法人のお世話になっていた難民で、シェアハウスに住み、料理学校にかよう学生でした。

近代的な高層マンションには、4部屋あり、それぞれソマリア、コンゴなどからきた同じような年代の難民の子たちが暮らしていました。

みんな共通して言うのは「国からは飛行機に乗って出た」ということ。

夫も、先に韓国で稼いで帰国した兄が、モスクワに行けるパスポート(他人のもの)を買ってくれて、飛行機でモスクワまで行ったとの事。

モスクワでは、仲間達が受け入れてくれて、天井までぎっしりと積み上げられた日本製の中古テレビを売る仕事を手伝っていたそうです。

そこから、ドイツの首都ベルリンまでは、なんと陸路で動いたそうです。

夫曰く、たぶん2ヵ月くらいかかかったと思う…とのこと。

特に国境を越えるときには、まさに命からがら、ヘリコプターとサーチライト、警察犬に追われて、命をおとした仲間もいたそうです。

無事にドイツで保護されて、良い方々に恵まれたから良かったものの、現地でも人種差別がないわけではなく、私も911の時、ベルリンに夫と一緒にいましたが、一週間くらいは、家から出ない方がいいと言われたほどです。

今では、その頃のはなしもあまりしなくなった夫ですが、国境越えの記憶は、決して嫌なものではなく、スリルとドラマのある良い思い出とのこと。

なかなかすごい経験をして生き延びた割には、いまいち根性も体力もない夫ですが(笑)

3人の子供たちも、その遺伝子を受け継いでいると思うと、将来が楽しみです!

夫がたどった道は、本人の記憶では、モスクワ⇒ベラルーシ⇒ウクライナ⇒ポーランド⇒ドイツ らしいので、この地図の点線とは少し違いますが、

いつか世界が平和になったら、夫がたどった道を、家族で旅してみたいと思います。

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