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仕事で精神的に追い込まれている人がやるべきこと

※私は医療従事者ではないので、こういうやり方もあるよという体験談の一つとして参考にしてくださると幸いです。

今追い込まれている人へ

とりあえず、近くで評判の良い精神科/心療内科の予約を取りましょう。自分で予約が取れない場合は、至急誰かに頼んでください。都会だと初診までに1-2か月かかることはザラなので、もう死にそう(自殺してしまいそう)という状況になるまでに、“最近ちょっと精神的に苦しいなあ”、“ちょっとおかしいなあ”くらいのところで精神科/心療内科にかかっておいた方が良いです。その方が予後は良く、治療期間も短くなる可能性が高いので。

※ここが一番伝えたいことです。本当にヤバい人はここを読んだらすぐ近くの病院(精神科)に電話をかけてください


精神科に通うのは最初のうちは心理的ハードルが高いですが、そんなにおかしなことではありません。平成29年の調査では、日本で精神疾患により医療機関にかかっている患者数は400万人を超えています(うつ病を含む気分障害だけでも127.6万人)(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html)。これは日本人のおよそ30人に1人(気分障害だけならおよそ100人に1人)が何らかの精神疾患を抱えている(潜在的な患者数を含めるともっと多いと考えられます)ということになります。学校の1クラスに1人は何らかの精神疾患の方がいらっしゃるということです。というわけで、最近では精神科にかかる方はザラにいらっしゃいます。


どうしても死にたいというくらい状況が悪化している場合は、何かしら環境を変える(例:仕事だと、配置転換をしてもらう/仕事を辞める/転職する等)以外にメンタルを根治させることは難しいというのが私個人の考えですが、本当にヤバい場合は、とりあえず休職してみて、今後どういう道を進むか考える時間をつくる(ここ重要!)というのがまずやるべきことかなと経験上思います。
これも私の経験ベースの話になりますが、うつなどの精神疾患の場合、精神科を受診することが最重要なのはもちろんですが、精神科への受診だけでは状況が改善しない場合があります。根本的な寛解を目指したい場合は、精神科への通院だけでなく、環境を変える必要があると筆者は感じています。
私の場合、精神科に通いながら仕事を続けていたときは苦しいままでしたが(それでも精神科に行かないよりははるかにマシ)、仕事を辞めたらかなりラクになりました。ラクになる=つらくなくなるというわけではありませんが、死にたくなるくらい嫌な仕事を続けるよりかははるかにラクです。やはり環境を変えるというのは、精神疾患の根治には重要なファクターであることは確かでしょう。
環境を変えると言っても即人生を左右する重大な決断ができるわけありませんよね。ましてや、精神疾患で追い込まれている状態のときに重大な決断を下すのは避けた方が良いです。冷静かつ客観的に状況を把握したり、正確な判断を下す能力が著しく低下している場合が多いからです。そのような決断をするためには、ゆっくりと考える時間を取りましょう。そのための手段として休職というのが一つ有効な手段となってくるのです。以下、休職について触れます。


休職を考えている人へ

休職とはいったいどんなものなのか、どういった段階を踏んで休職に至るのか、イメージが持てないものは怖いと思うので、私個人の体験ですが記しておきます。

うつで休職するまでの流れ(私の場合)

休職に至るまでに精神状態がおかしくなり(毎日自分のことを責めて苦しくなったり、死にたくなったり、猛烈な不安感に襲われたり、頭が働かなくなったりした)、そのことを一部の同僚に相談していました。
ほぼ同時期に精神科にも通院を始め、投薬治療を受けていました。次第に希死念慮が高まり、毎日のように襲われるようになり、毎日会社に行くのが難しくなります。
この頃から徐々に会社を体調不良(という建前)で休むようになります。異変に気づいた同僚が社内のメンタルヘルス課に連絡し、社内専属のカウンセラーがいたので、面談の時間をとってもらうよう取り計らってくれました。
後日、社内のカウンセラーとの面談の結果、産業医との面談を勧められ、その翌日勧められるままに産業医面談に突入。産業医との面談にて休職を勧められ、私は「1日だけ考える時間をください」とだけ言って、その日は会社を早退。翌日、産業医に休職する意思を固めたことを伝えたら、「精神科から診断書をもらってきてください」と言われました。
さらに翌日、会社を休み(たしか体の不調で病院を受診すると適当に理由をつけた)精神科を受診。即時、診断書を書いていただき、翌出社日その診断書を産業医に手渡し、オフィスから荷物を引き払ってその日はそのまま早退。そのまま、休職期間に突入しました。

休職=人生の終わりではない

私はこの直後に自殺未遂をすることになります。つまり、休職を決心するタイミングが遅かったということになります。皆様が私と同じようなことにならないように、早期に精神科を受診し(私は精神科受診を早いタイミングでしていたおかげで精神がヤバい状態になったときにすぐに治療および診断書をもらうことができた)、精神状態が最悪になる前に休職の決断をしてくれるように望みます。
休職の決断をする前は、私は休職をすることに対して、色々なネガティブな感情がありました。休職したら自分のキャリアはどうなってしまうのだろう、出世はもうできない、そもそも(出世うんぬんとは関係なしに)自分がうつであることを同僚に知られることに大きな抵抗がある、一度休職したら二度と職場には戻れないのではないかなど。
休職に対して色々ネガティブなイメージがあった私ですが、実際に休職してみると、このようなことはどうでもよくなってしまいました(というか二の次になる)。不幸中の幸い、私は新入社員で家庭を背負っている立場ではなかったので、出世などを気にする立場ではなかったというのは大きかったかもしれないですが、そもそも自分の命より大事な出世などないと私は思います。両者のリスクを勘案してみましょう。休職をしなかった場合、命失う危険性があります(結果、出世も当然なくなる)。一方、休職をした場合、出世は失うかもしれませんが、命は手に入れることができます(そうなる可能性が高い)。両者のリスクを比較衡量して休職することを選ぶのは別におかしな選択ではありませんよね。


追い込まれているとき(うつ状態のとき)にやっていたこと

メンタルが追い込まれているときは、メンタルを回復させる動作すら取れないということが多いとは思います(その場合はひたすら休む=寝ることしかできないかもしれません)が、気力が湧く限りできることはやっておいた方が良いです。以下に、メンタルの回復に有効と思われる手法を示しておきます。

◼️不安に思っていることをテキスト(メモ)にして書き出す
専門用語ではエクスプレッシブ・ライティングというらしいです。できれば紙とペンが良いです。書き出したことについては完全に忘れること(嫌なことや不安を頭から切り離す)がルールです。
また、これは長期的に現状を改善していきたいといった場合に有効なのですが、メモに書いたことを、自分で解決できる問題なのか/解決できないことなのかで分類して、自分で解決できないことについては一切考えないようにするという方法があります。これは私の考えですが、考えるのは問題の解決につながるときのみ有効であり、解決しないことについて“悩む”のはムダであると思っています。だいたい10分も考えて解決の糸口すら見えないことは考えてもムダな"悩み"になってることが多いので、その時点で考えるのをやめても良いでしょう。
とはいっても鬱のときは思考力がそもそも衰えていたり、思考するだけの元気がないことが多いでしょう。なので、分類など七面倒なことはスッ飛ばして、メモに書きなぐって頭の中をスッキリさせるだけでもとりあえずはOKです。

◼️睡眠の質を上げること(ホットアイマスクをしたり、アロマを焚いたり、ASMRなどの睡眠導入音声を聴くなどして睡眠時にリラックスできる環境を作っておく)。
睡眠時間と睡眠の質を上げることは、体力もそうですが、特に精神力の回復にとっては欠かせないです。

◼️お風呂(×シャワー)にしっかり浸かること。私の経験上、湯に浸かって体を温めることは、想像以上に体力および精神力の回復に有効です。睡眠時にリラックスした状態をつくるのにも使えます。湯に浸かってリラックスした状態をつくりましょう。

◼️短い時間でもいいので(うつ時は趣味をやる元気もないことが多いので)、好きな映画や動画を見たりして(見るという行為は受動的なのでやりやすい)、とにかく嫌なこと以外で頭を埋めること。特に泣ける映画などを見て思い切り泣くこと(カタルシスを感じること)はおすすめです(泣くことで負の感情を吐き出すことは大きなストレス発散になる)。

◼️もし、お喋りできる相手がいるなら、不安に思っていることなどを相手(家族・友人・医師・カウンセラー)に話すなどして吐き出してしまうのは、精神衛生上有効なことが多いです。

◼️精神科などに通院していて、すでに薬の処方を受けている方に限りますが、どうしても、死にたい気持ち、不安な気持ちが収まらないときは、頓服と睡眠薬を飲んで(処方されている薬があるなら、服薬は治療の基本)早めに寝てしまいましょう。うつなどの精神疾患は脳の神経伝達の異常ですから、あれは脳の病気です。うつで薬を飲むのは、高血圧で降圧剤を飲んだり、高コレステロールでコレステロールを下げる薬を飲むのと同じことです。当然ですが、服薬と寝ることは最良の薬です

◼️やらなくても良いことは投げ捨てる。自分がやらなきゃいけないこと(自分でなくてはいけないこと)や既に約束してしまったこと以外(新しいタスク)は極力やらない方向にもっていきましょう。これは、やらなくなったときに初めて気づくことかもしれませんが、意外と自分でなきゃいけないこと、本当にやらなくちゃいけないことというのは少ないと思います。やることを可能な限り絞りましょう。投げられるタスクは他人に投げましょう。本当につらいときは何でも一生懸命やるのはかえって毒になります。


カウンセリング治療を考えている方へ

精神疾患の治療手段の1つとしてメジャーなものとなっているカウンセリング。カウンセリングについて、私なりの使い方を1つ示しておきます。

カウンセリングの使い方(私の場合)

カウンセリングで認知行動療法の手法については一部習ったことがありますが、正直あまり役に立たないという印象でした。というのも、うつのときには実行している余裕がないからです。実行しないうちにやり方もほとんど忘れてしまいました。認知行動療法に従ってテクニカルに認知の歪みを直すのももちろん根本治療には役立ちますが、今追い込まれている人が求めているのはそれよりも今目の前にある不安や希死念慮をいかにして払拭するかということでしょう。私はカウンセリングを主に自分の思っている不安や希死念慮を打ち明けて、それの解消方法や具体的解決策を考える場として使っています。私の今の担当カウンセラーはカチカチの認知行動療法というよりは、対話から患者の悩みを引き出して、それに対する具体的解決策を一緒になって考えてくれるというタイプなので、より実用的で(思考方法をトレースすれば患者1人でも再現が可能という意味で)有効な治療が行えていると思っています。


以上、追い込まれている人に向けてということなので、取り急ぎ、手短に書きたいことを記しておきました。よろしければご活用ください。

最後に、最も大切なのは「病院(精神科)の力を一早く借りること」です。私のような素人に意見を仰ぐよりはプロの見解に沿って治療を進めることの方がはるかに重要です。どうか今追い込まれている皆さんの闇が少しでも晴れることを強く願っております。

ご支援ありがとうございます。また見にきてくださるとうれしいです。頂戴したお金は大切に使わせていただきます。