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【ASMR/Vtuber】最近の『周防パトラ』さんのASMRがヤバくね!?って話〈ASMR"研究者"周防パトラ〉

*「ASMRについてよく知らない!」という方

ASMRについては、以下の記事で説明と複数のASMR配信者のレビューを行っております。どうぞご参照ください。

Vtuberということで偏見をもっている人、一度そのメガネを外して音だけで良いから聴いてみてほしい。VtuberであるとかVtuberでないとかを度外視した上で、フラットに音だけを聴いてみると、素晴らしい音を作っているVtuberは多数存在する。『周防パトラ』さんは、その代表格である。

『周防パトラ』さんは、774 inc.(ななしいんく)が運営する『ハニーストラップ』のメンバーであり、Vtuberである。私は彼女のASMR配信しかほとんど聴かない(観ない)が、ゲーム配信や雑談配信も行っている。また、自身で作詞・作曲・編曲を行うソングライターでもあり、オリジナル曲のみで構成されたアルバム(1st アルバム『あいあむなんばーわん!』)を発表するなど、めちゃくちゃ多才な人である。以前、『にじさんじ』の『月ノ美兎』が、自分のテーマソング(正確には音MAD)のようなモノの作曲を周防パトラに依頼したところ、数日で完成した曲が返ってきたというエピソードを持っており、月ノ美兎が「パトラさんはえらくハイスペックな人ですね」と称賛していたのを覚えている。まあ、そんな人だ。それだけ優秀な人だから、然るべき舞台に立てば、人の目に留まるのも早い。2021/01/31時点で、YouTubeのチャンネル登録者数37.6万人と推しも推されぬ、人気ライバーの1人となってしまった。

【作曲配信】全部月ノ美兎ちゃんで音MAD作ってみる!【周防パトラ / ハニスト】

そんな彼女が活動の中で特に力を入れているのが、ASMRである。自他ともに認めるASMRオタク、音フェチであり、ASMRのクオリティの追求(彼女の場合「追究」であるかもしれない)は、もはや『プロ/師匠』と呼べるくらいの領域には達している。

自然音は、決して持ち運びやすくはないマイクを現地まで持ち込んで、生の音を収集することにもこだわっている。また、「綿棒だけで数十種類を所有している」との発言もあり、ASMRにかける情熱は間違いなく『ホンモノ』である。2020年10月には、被りなしの10時間の音声作品を1,400円という破格の値段で、発売し、2021/01/31現在、30,000 DL超えを記録しているようだ。因みに私はこの作品、気になったが、購入はしていない。現在、金銭的に逼迫しているという個人的な「お財布事情」と、音声作品には多種多様な需要に応えるために様々な要素が含まれており、その中には私の必要としないRPなどが含まれていたりするからだ。あとは、他のASMR配信者さんの音声作品も試しに購入して聴いてみたことが何度かあるが、どうも、作り込まれ過ぎた機械的かつ規則的な音の感じが、私の好みにはあまりヒットしなかった。やはり、生放送(ライブ)で流れる自然な、ある程度の「雑さ」が含まれた音の方が私の好みには合致しているようだ。

そんなASMRガチ勢のパトラさんは、最近ではASMR業界で最高レベルのマイクとされているKU100(もともとはASMR用のマイクではないらしい)を購入し(現在は複数台所持)、音質のクリアさ、音の立体感(奥行き)等が飛躍的に向上したのは記憶に新しい。

しかし、私の率直な評価としては、以前のASMR記事でも述べたとおり、同じく超有名ASMR配信者の『まこと。』さんと比べると、若干ではあるが、音のクリアさ、音圧、音の凹凸感などの点で後塵を拝している(私はパトラさんのASMRは大好きであるが、あくまで率直な評価として)と感じていた。取り扱っている音の種類が異なるため、単純な比較は難しいが、全体的なクオリティとしては、若干の差で『まこと。』さんに分があるかなという風に思っていた。

以上が、私の『周防パトラ』さんのASMRに対する素直な評価である。これは、もう個人の好みで意見が分かれるところであるから、絶対的に『まこと。』さんが上だとかそんなことは思っていない。

そんな中、さらに昨年(2020年)の11月下旬ごろに入ってから、さらに新しい機材(オーダーメイドヘッドマイク)を導入されたらしい。ここで、私は『周防パトラ』さんのASMRガチ勢としての本気を見た。以前にも増して、音のクリアさ、リアルさ、音圧など様々な点がさらに向上している。しかも、ASMRのスタイルにも若干の変化が現れ始めている。

変化の1つとしては、以前よりも耳かき系の音が減り、マッサージ系の音が増えたというところである。これは、マイクの性能が向上して、より微細な音を拾うようになったため、その特徴を生かして、耳の奥に耳かき棒を突っ込んでの耳かき(これだと、音が強くなりすぎて睡眠に適さない)より、耳を擦る音の方が、耳と手の摩擦音などをより細かく拾ってくれる(その上、睡眠を邪魔しない)と、パトラさんは、研究と試行錯誤の結果、判断されたのだろうと思う。以前の集音環境だと、マッサージは若干、音圧不足というか、パワー不足を感じたが、マイクを変えてからは、充分な音圧をもったマッサージができているような気がする。「音圧(音の強さ)」と「音の微細さ」のバランス、その絶妙なところをパトラさんは突いてくる。以前はマッサージ系の音がそんなに好みでなかった私でも、充分満足できるような音質・音圧へと変貌を遂げている。

*追記
2021/02/25に「耳かき雑談配信」を行ったが、これは「耳かき配信が聴きたい」という視聴者の要望に答えたモノだと思われる。

音の変化でいえば、もうひとつ。ジェル系や炭酸水など「何かに包まれている系」の音が増えたということだ。これは、使用マイクが変わったことで、その特性である音の3次元化(立体性の向上)を活かした音の導入であろう。特に炭酸水の音なんかは、視聴者がまるで炭酸水の中にいるような錯覚を覚えるくらいクオリティが高い。四方八方から炭酸水が迫ってくる(囲んでくる)ような感覚がする。はじめて聴いたときは音の斬新さに驚愕した。この音を作ろうという発想とそれを実現する設備を構築するアイデアに感嘆した。いったいどうやって音作りをしているのだろうか……と気になる音であった。これらのマイクの立体性のある集音力を活かした音作りは、KU100の導入と新たなオーダーメイドヘッドマイク導入後のパトラさんのASMRに顕著な特徴だと思う。

3つめの変化は、些細なことと思われるかもしれないが、ささやき方の変化である。これは、パトラさんの普段の喋り声が特徴的な高い、いわゆる「アニメ声」をしていることに対して、より広いリスナー層を獲得するための工夫だと思われる。以前よりも、声のボリュームを抑えてささやくことで、パトラさんの「アニメ声的性質」が極力出ないよう抑えられている。「アニメ声」は、一部の人にとっては、抵抗がない、というか、アニメ等を好んで見てきた層にとっては魅力的でさえある。しかし、非オタク層はこのような声質を嫌う層が多いと思われ、実際にパトラさんの配信のコメント欄で「音自体は素晴らしいのだけど、声が気になって眠りにつけない」「声があまり好みではないので、リピーターにはなれません」みたいな指摘をされている方がいるのを何度か見たことがある。そこで、パトラさんとしては、今までオタクカルチャーにハマっていなかった一般層にもASMRというコンテンツを普及させるため、幅広い層に受け入れられるようなスタイルに敢えて変化させる道を選んだのだと思われる。

パトラさんは、「ASMRがより一般的なコンテンツとして普及してもらいたい。そのために自分がどうすれば良いか?」ということを考えて活動されている方だと思う。現状、ASMRには、結構性的コンテンツが多い。YouTubeで、それをやるとBANされてしまうので、健全なASMRをやりつつも、ニコニコなど他の媒体に誘導して、そちらで性的なコンテンツを有料で行って、マネタイズしているというASMR配信者は非常に多い。私はASMRに「エロ」を求めてはいないので、ASMRが健全なコンテンツとして普及して、「ASMR=オタク向けエロコンテンツ」という偏見が払拭されればいいなと思っている。

ただ、これは致し方ない面もある。「ASMR=オタク向けエロコンテンツ」というイメージが払拭されないのは、マネタイズするためにどうしても「エロ」を売りにする必要があるからである。ASMRは、睡眠導入という性質上、YouTubeに広告も貼れないし、なかなか収益化するのがムズいコンテンツなのである。しかも、機材にかなりのお金がかかる。

健全なコンテンツだけで充分な収益が得られるのはかなりの人気アカウントのみで、それ以外の人たちは、特に配信者が女性だったら「エロ」を売りにした方が圧倒的に儲かるので、そうせざるを得ないという構造がある。

だから、「ASMR=オタク向けのエロコンテンツ」というイメージを打破し、「ASMR=一般向けの健全コンテンツ」というイメージに刷新するのは、一握りの人気YouTuberにしかできることではない。そこで、37.6万人もの登録者を抱える人気ライバーであるパトラさんには、その役割が担えるだろうと思ってかなり期待している。

同じような活動コンセプトで活動なされているASMR配信者は他にもおられる。例えば、『ともえとエルゼのほんわかASMR』のお二人なんかはその代表である。彼女たちは「『ASMR=性的コンテンツ』というイメージを打破したい」ということをハッキリと公言されて活動をされている。ただ、パトラさんと違うのは、まだYouTube、ASMR市場での影響力が小さいというところである。彼女たちの2021/01/31時点でのYouTubeのチャンネル登録者数は、12.5万人であり、ASMRを専門としているチャンネルにしては充分大きな数字であるが、パトラさんクラスの影響力の大きさ(健全なコンテンツのみで30,000 DLを記録するような影響力の大きさ)はまだもっていない。彼女たちも、今後登録者数をもっと増やして、もっと影響力をもちたいとの考えをもっており、最近では、ASMR以外の活動(ゲーム実況など)にも手をのばす等、色々と試行錯誤なさっている。

『ともえとエルゼのほんわかASMR』、こちらも素晴らしいチャンネルなので、パトラさんとともにチャンネル登録よろしく!!

パトラさん含め、このような高い志を持った方々のチャンネル登録者数が増え、大きな影響力をもつに至り、業界の構造を変える(これは、正直難しい部分もある。男性に「性欲」というものが存在する以上、そこに一定の需要が発生するのは仕方がない。性風俗がなくならない<別に私は「風俗なくなれ」とは思ってはいない。あれで助かっている人が、男女問わずたくさんいるのは事実であるから>のと一緒だろう)、そこまでは行かなくても、ASMRへの偏見が払拭されることになれば、私としても嬉しいし、そういう配信者は応援していきたい。

ちょっと話が逸れてしまったが、『周防パトラ』さんのASMRは、新機材導入以降、『まこと。』さんの領域まで達しているように思う。私個人としては、依然としてやや凹凸感のある『まこと。』さんの音作りの方がやや好みではあるが、レベルとしては遜色ない域に達していると思う(もう超えていると評価する人も少なくないだろう)。めちゃくちゃ研究熱心なパトラさんのことだから、これからも現状に満足せず、ますますクオリティを追求した配信を行っていくことだろう。彼女の一ファンとして、今後が楽しみでならない。

これだけ、パトラさんのASMRの素晴らしさを語ったので、皆さんにも是非パトラさんの(できれば最新に近い)ASMR配信を聴いてみてほしい。睡眠のお供にでも。休憩中のリラックスタイムにでも。とりあえず、最新ではないが、ここ数ヶ月の間に行われた配信の中でお気に入りのモノを以下に埋め込んでおく。現在は、毎週月曜日の深夜24:00(火曜日の深夜0:00)から約1時間半ほど、ライブ(生)ASMR配信を行っている。週の始まりの憂鬱な気分が少しでも緩和されれば良いと思う。直近の放送は明日2/1(月) 24:00~である。あと、気に入った方は彼女のチャンネル登録も頼んだ!今回は以上で!ではまた!

【ASMR】超リアルすぎて貴方は耐えられる?NEWマイクで脳までぞくぞく。深く眠れますThe Best Sleep You'll Ever Have&Whispering 【周防パトラ / ハニスト】

『周防パトラ』のチャンネル登録もよろしく!!


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