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【小説】ビジネス書を実際にやってみたら人生変わるらしい。

【登場する人や物】
諭吉:主人公、ビジネス書を手にして人生が変わる予定の人

サポートAI(アイ):諭吉のサポートをするプログラム

「人生で最も役立つ役員の思考」:自己啓発書、サポートAI(アイ)にインストールされ諭吉を助ける。

コース責任者J: 「人生で最も役立つ役員の思考」の指導員、コース完了のために全般的に生徒の支援を行う。口癖は「その問題を一緒に解決しましょう。」

コース責任者F: 「人生で最も役立つ役員の思考」の指導員、コース中に道から外れそうな生徒をコースに直面させる。決まった行動「きてくれてありがとう!最高の人生を作って行きましょう。」固い握手を求める。


第一話:彼は本気ではなかった⁈
どうやら準備は大事らしい。

近い将来か遠い未来か、それとも遥か昔かどうやら人は向上を夢見て進むことが多い。

仕事、お金、異性など、所謂、欲と呼ばれる物を手にすることは相変わらず行われていた。

オピニオンリーダーやカリスマと呼ばれる人々が書く本はビジネス書兼哲学書としてもてはやされていた。

当然、それをどうやって手に入れるかの本は飛ぶように売れていた。

タブレットのような端末や腕時計のようなリングから情報がCG表示可能、さらに情報コンタクトレンズが主流でまるでゲームのステータスを見るように情報を読み取ることができる時代であった。

そしてこの時代に製本されている「本」は決して安くはなかった。

しかし、ツールが進化しても人間が飛躍的進化するわけではない。

ツールはあくまで補助的なものに過ぎないのはいつの時代も一緒なのかもしれない。

もちろん、生活全般には多くの人々に恩恵をもたらしたのも事実であった。

バーチャル本屋では、「人生を変える無限の法則」「夢は叶えるためにある」「笑う事が1000%人生を変える」などなど、数十年前にはオカルトや占いなどのコーナーにあった書籍が「実際に効果がある!結果が出た。」などの話しが広まり、今やビジネス書としての地位を盤石なものにしていた。

もちろん、PRには体験談が多く載せられていた。

その中でも、かなりの人気を集めていたのが「人生で最も役立つ役員の思考」各種レビューで効果のあることが取り上げられていた。

本を入手して知識を得たりすることは別名は「金持ちの道楽」と言われている。

一度その知識を身につければ、人生は加速される。

倒産寸前の企業がこのサービスを受けた途端に経済状況がV字回復した。

情報が膨大であり一度身につけ使えば目にも留まらぬ早業で人生が変わるとの噂が後を絶たない。

これは、セレブな人たちのレビューであり一般の人は特定の主婦や未来を目指す若者や経営者ばかりであった。

入会が100万ポイント、本の購入費が30万ポイント、コースの代が500万ポイントの価格!!(1ポイント=1円)

コースに入る条件は本を読むことができること!

本が読めない人、読めると勘違いしている人向けの勉強の仕方コースも用意されている。

平均年収が300万ポイント〜800万ポイントの中人生が向上するなら、安いと思う人もいるかもしれない。

いや高い!!

彼はセレブではない!!

金額については高いような気もするが講師陣の本気度が違うことは、バーチャルセミナー(実際にスクールに行かないで、自宅やカフェなどで仮想空間に入りセミナーを受けるシステム)に行き効果は確認されていた。

「人生で最も役立つ役員の思考」では、勉強の仕方コースから始まり本の読み方や使い方などかなり実践に向いた内容だった。

その男は絶望していた。

金額が高いからでは無い、資産を全てつぎ込み人生を変えようとしていた。

一般的ではない家庭暴力を振るう両親の元に生まれ、親がカジノでマグレで当てこともあった。

彼には一銭も恩恵がなく、勉強したいと言うとそれは拒否される。

祖父達が作り上げた相続のお金のほとんどは親戚に食い荒らされていた。

そして相続の時は僅かな分しか引き受けられなかった。

友人に騙されたり考え方の違いから会社を追われた。

妻からはお金を持つ価値なしと言われ続けていた。

それでも家族円満が夢であった彼はなんとか人生を立て直そうとしていた。

が、まさに良くあるドラマの転落コース。

結果的に離婚して天涯孤独になった。

「情報吸収コース」(勉強の仕方コースとも呼ばれている。)の金額が彼にとって高くても問題ないなかった。

寄ってく女性がいないわけでもないが、すでに激しくトラウマになっていた。

決して悪い時代ではないので、「退屈で退屈でたまらない」倫理的には衰退をしていた。

彼にとってはちょうど良い暇つぶしになればとの淡い気持ちもあった。

この平和な時代、退屈で人生をダメにする人が多いと言われている。

彼は「人生で最も役立つ役員の思考」フルパックを購入した。

そしてコースを初めて月日が流れ初級の試験を受けた。

そして、試験官から「96点、残念です。」

そう、彼は試験に落ちた。

この試験の合格点は100点である。

試験官から、労いの言葉を賜り、再チャレンジは何度でも行えることを教えてもらって彼は帰った。

彼は勉強ができないために普通の人が1週間で終わる内容に既に3年の月日が経っていた!!

初級の「情報吸収コース」が終わらない限り次に行けない。

考えてみれば当たり前のことだ。

段階に応じて能力が向上するように作られている。

救いは金額に応じでサービスは良い。

何と再勉強、再試験はなんと1回まで無料!

彼は試験に落ちたことをがきっかけで、人の手助けやその他の個人的活動を一旦全てやめた。

それは、中途半端な対応が悪い影響を与えることや、周りからの嫌がらせに耐えるための方法や自信をつけるための知識が必要だと分かったからだった。

落第をしたが、彼の人生の中で初めて実力で96点取れた。

それだけではなく、自分がありとあらゆる経験で学んだことを根本から理解していないことに気がついた。

彼は本気で物事を知らなかった。

実は彼は正直満足だった。

彼は生きてきて自ら手にした点数で96点は嬉しい限りだった。

そして、自分の時間を本当の意味で取り戻したいと思った。

彼は自分のために勉強することに決めた。

仕事をする上で最も困るのは言葉を理解していないことにある。

そこで、言葉を理解するように決めた。

とはいえ、普通の仕事だけでは十分な生活をできないことも事実であった。

「情報吸収コース」の担当者に相談をしたところ、副業を勧められた。

特に何かとは指定されなかった。

勉強はできなくても本はなんとか読めるようになったと思い込んでいるので、「人生で最も役立つ役員の思考」の【何か販売できるものを探す】を試してみてみることにした。

写真を売ってみたり、アフリエイトを探してみたり、手段が色々あるのだがどれにしようか彼は悩んでいた。

悩んでいるうちにやる気を失った。

この原因も実はやろうとしていることを理解していないから、「飽きる」という結果につながってしまうそうだ。

本を開いてみるとサポートAI(人間の生活を向上させるために開発された人工知能)と連動させるための設定コードが記載してあった。

「コマンドを読み込ませて下さい。」

説明書には特に記載はなかったが、特に気にしないで情報コンタクトレンズ(スマートフォンやタブレットがコンタクトレンズになったもの入力については音声入力と人工知能により行う。)にコマンドを読み込ませた。

サポートAI(アイ)
「諭吉様、メッセージがあります。読み上げますか?」

諭吉
「読み上げてくれ。」

サポートAI(アイ)
「こんにちは山森諭吉さんやっと開いてくれましたね。買ってから3年経過してますよ。と自動回答します。」

諭吉
「いきなり喧嘩売られた。サポートセンターに連絡しよう!アイ!サポートセンターに連絡!!」

サポートAI(アイ)
「そのコマンドは実行できません。」

サポートセンターに連絡ができない。
ロックされている?

サポートAIにロック機能はそもそも付いていない。

諭吉
「アイ実行できない理由を確認」

サポートAI(アイ)
「サポートAI(アイ)の機能を借用します。」

一時期、サポートAIを乗っ取るコンピュータウィルスのフィッシャーが流行った。

感染するとサポートAIの言葉遣いが悪るくなり使用者の精神的ストレスを上昇させると言われている。

小学生が作ったのを家事ストレスとママ友会に耐えられなくなった主婦が撒き散らしたって代物だ。

主婦だけに拡散力が凄まじかったらしい。

でも、言葉遣いが丁寧だね。

インストール時のバグかなぁ。

諭吉
「コマンド停止!」

謎のサポートAI
「サポートAI(アイ)に情報をインストールします。停止、削除は可能ですが、サポートが全て初期状態になりますのでお勧めしません。」

乗っ取られた?初期状態になると市民権(仕事して税金を払っていれば基本もらえる権利)が一時停止してしまう。

更に自我持ち⁈普通なら「本当に停止しますか?」だけ聞いてくように設定したはずだ。

謎のサポートAI
「本当に停止しますか⁈市民権が失われるかもしれません。」

下手すると違法滞在扱いになり捕まってしまう。え、それまさかの脅し⁈

諭吉
「停止しなくていい。」

ここは、一旦様子を見よう。

謎のサポートAI
「かしこまりました。@?/?/?@のインストールを再開しました。」

諭吉
「なんて言った⁈」

謎のサポートAI
「インストール途中のため製品名の部分が発音できませんでした。インストール完了後にお伝えできます。」

諭吉
「製品名⁈」

謎のサポートAI
「サポートAI(アイ)に「人生で最も役立つ役員の思考」の全ての情報が追加されました。」

諭吉
「へ?どうゆうこと?」

本をパラパラとめくると一枚の紙が足元に落ちた。

拾い上げると「おめでとうございます。今だけ特典として貴方のサポートAIに「人生で最も役立つ役員の思考」の全ての情報が無料で追加できるコードをプレゼント!!是非、活用して貴方の人生を加速させて下さい。」

「人生で最も役立つ役員の思考」

これが製品名の答えだった。

そう諭吉は本はおろか文字が読めていなかった。

「情報吸収コース」の項目が4つ用意されている。

前回も同様の内容だった。

「情報吸収コース」
その1、準備
挫折を克服し続ける。

その2、情報を吸収する。
情報が役立つものとして吸収する。

その3、情報を取捨選択する。
本当に今必要なものを選択する。

その4、選択した情報を価値化する。
情報を自分の物にして価値に変える。


その1、準備
挫折を克服し続ける。

彼は「情報吸収コース」の再勉強のために注意事項を読んだ。

①体の不調はちゃんと治療を施すこと。
②よく眠ること。
③栄養のある食事を取ること。
④規則正しい生活をすること。
⑤生活環境を整え維持すること。
⑥ 「情報吸収コース」入るスケジュールを決めること。

①〜⑤を2日以内に方針を決め行動し1週間以内に完了させること。
⑥決められたスケジュールは守ること。

①体の調子を確認した、花粉症などのアレルギーがひどいので病院に行き治療を施した。

②については早寝早起きを行った。

③食事が無料の職場に就職しビタミン剤を活用した。

④週間スケジュールを決めた。

⑤寝具や清掃、衣服などを改善した。
(ここは気持ちの問題なので人それぞれ)

⑥スケジュールを決めた。

この作業が終わると、いよいよコースに戻ることになる。

サポートAI(アイ)
「諭吉様貴方が決めた全てのスケジュールを全力でサポートします。」

諭吉
「あの、暑苦しい講師陣が乗り移ったような言い回しだ。」

サポートAI(アイ)
「諭吉様のサポートAI(アイ)私のことですが、今回のコードインストールによりランクSAに変更になりました。」

SAランクって聞いたことない。

諭吉
「アイ、AIランク表を表示」

サポートAI(アイ)
「かしまりた。こちらになります。」

1番上からSS〜BBまで10段に分かれているはずなのなだが、15段に増えてしかもSAランクとは上から3番目、詳細にはラグジュアリーランクAIと記載されていた。

バージョンが上がっている!!

サポートAI(アイ)
「サポートAI(アイ)現在のAIステータス、ラグジュアリーになります。大変失礼ではありますが、現在の諭吉様の生活レベル、収入ポイントでは所有が許されないアプリケーションライセンスに変更されました。」

諭吉
「アイ、サポートセンターに連絡してラグジュアリーライセンスを返却しよう。」

サポートAI(アイ)
「諭吉様、通常であれば所有は許されませんが、サポートAIは人が創りしものです。特例が存在します。その特例を表示しますか?」

なんで焦っているんだ⁈人間の反応に近づくと聞いてたけど本当だ。

諭吉
「なんか焦っているように聞こえる。」

サポートAI(アイ)
「まだ、インストールのデータが最適化されていないためにそのように聞こえると推察されます。」

なんか棒読みだなぁ

諭吉
「まぁ、そうゆうことにしておくよ」

機能を追加した場合は何か不具合が起こるのだろうかサポートAI以外で調べる必要がある。

後で図書館の端末で調べよう。

調べた結果、過去のサポートAIはアクセスコードを紙でもらい機能を追加していたと書いてあった。

現時点での機能追加はアクセスコードを紙以外でもらっている。

ゲームで言えばガチャ引いて大当たり、人生で言えば宝くじが大当たりしたようなものと思うことにした。

何か問題があれば連絡ぐらい来るだろう。

情報量が多いと取捨選択に時間がかかることもありるが、ランアップすることにより処理能力が比較的に向上するらしい。

諭吉
「まぁ、せっかくランクアップしたんだし試したいよな。特例を表示!」

【特例】
①資産が一瞬でも2000万ポイント超えた。
②人生を向上させたい。
③ 「人生で最も役立つ役員の思考」の本を購入している。

あれ、全部クリアーしてないか?

サポートAI(アイ)
「おめでとうございます。諭吉様はラグジュアリーAIホルダーに認定されました。今後ともサポートAI(アイ)をよろしくお願いいたします。」

さっきの悲壮感はどこ行ったんだ。

特例の②と③が被っている、なんか後付けではないかと疑ってみる。

諭吉
「アイ、その表現はわざとじゃないよな。」

例のシステムをインストールしたために影響が出ていることがあからさまにわかるな、かなり知的になっているし表現が豊かになっている。

サポートAI(アイ)
「ソフトウエアのバージョンアップに伴い影響が出ている可能性はあります。諭吉様がそのように感じられているなら間違い無いと思います。」

さっきより上手く話せてるな。

サポートAI(アイ)
「新しい人格のナチュラル、ヤンデレ、ツンデレ、メンヘラ等30の表現が標準で実装されました。変更しますか?」

ヤンデレ?メンヘラ?ツンデレ?なんだそれ??

何かの略語だとは思うが発音的にあまり良いイメージがしない。

サポートAI(アイ)
「それぞれの人格の表現をお伝えしますか?」

諭吉
「いや、お伝えしなくていい、人格の今の設定は?」

サポートAI(アイ)
「スタンダードです。お勧めはツンデレです。ナチュラルでは普通すぎます。」

諭吉
「スタンダードモードで支障があるか?」

サポートAI(アイ)
「表現に限界がでます。ラグジュアリータイプの特徴の一つとして表現の豊かさがあります。」

諭吉
「設定をナチュラルに変更。」

サポートAI(アイ)
「提案を受け入れて頂けなくて残念です。」

サポートAI(アイ)
「設定をナチュラルに変更しました。「AI義体転送」が追加されました。そのほかいくつかの機能が追加されました今すぐ確認しますか?」

諭吉
「後で確認するよ。」

サポートAI(アイ)
「AI義体転送もお勧めですので後ほど詳細の確認をお願いします。」

諭吉
「わかった。それも後で確認する。」

義体、すげー高いヤツだ。

AIロボットによる労働力が必要になったが、場所によってはほぼ人と同等の機能を有する義体も使えるようになっている。

諭吉
「あまり、ポイント使いたくない。」

サポートAI(アイ)
「かしこまりました。では、「情報吸収コース」の注意事項を実行して行きましょう。」

ここで、サポートAIとは何かについてを説明ておきたい。

サポートAIの定義は【人間生活の補助機能としての活動できる何か】である。

もともと、サポートAIの概念はかなり昔に考えられていたらしい。

定義が決まるまでに、人形がどうだとか、ロボットに感情を持たせる持たせないなどの話が盛り上がって一旦下火になった。

戦争で負傷した兵士の移送や戦闘で使うパワーアシストスーツのような物に学習機能を付けてより汎用性を高めるために始まった。

ある研究家は自分の意識を持たせるために人口生命体の制御を行う魂の実験で生み出された。などなど諸説ある。

民間では身体の不自由な部分を補佐するために研究が進められていたが、アシストロボットの制御系プログラムとして、人の個々の動きに合わせ学習していくプログラムに過ぎなかった。と言われている。

技術が進むにつれて、データを取捨選択できるようにソフトの開発も進んだ。

結果ハード進歩も進んだ結果、今のサポートAIにまで変化をした。

想像力豊かな人はどこにでもいるもので、人の立場からサポートAI回答結果を感情、きっと魂があるなら自分の魂をデジタル化して自らAIの上位になろうとした人間もいた。

自分の思考データをデジタル化して永遠に生きる。

不老不死を目指した方もいたらしいが、どうなったかは不明。

サポートAIは人が今の生活に支障をきたさないように助けてくれる。

それにより、安定した生活と向上を約束された世界になっている。

管理させた社会、リアルとバーチャルそして人の魂を向上させるテスト的な世界その名は、「エデン」楽園と言われている。

まぁ、ここが本当に楽園かは知らないが生活にも生きることも困らない平和な国であることは間違いないかもしれない。

サポートAI(アイ)
「諭吉様インテンションユニットをお使いください。」

インテンションユニット⁈なんだそれ⁈

サポートAI(アイ)
「失礼しました。ヘルプ言語化します。インテンションユニットとはサポートAIとの意思疎通を可能にするデバイス(機器)になります。ナノマシーン:666を体内に入れておりますでしょうか?」

10代の時にナノマシーンを学校でインフルエンザの予防接種のように打ち込むことに法律で決められている。

それの番号は確か357だった。

ナノマシーは基本的に治癒能力を高めたたり、誘拐防止だったり、サポートAIとの適合性を上げるとか、この便利グッズを体内に仕込むことが義務化されている。

機械万能のこの時代だからこそ人の力、内面、精神面を上げることが流行るのかもしれない。

サポートAI(アイ)
「私の方でスキャンをしてもよろしいでしょうか?」

諭吉
「普段自動で行ってると思ったけど、許可を求める理由はなんだ。」

サポートAI(アイ)
「一言で言えば無断に体内を覗くことはプライバシーの侵害だからです。」

諭吉
「そうゆうもんかね。アイ、スキャンを許可する。」

サポートAI(アイ)
「ありがとうございます。体内スキャンを開始します。ナノマシーン:666を確認しました。言葉を介さずに直接の頭の中で会話できます。諭吉様許可をお願いします。」

諭吉
「インテンションユニット(定義は意図を伝える機器)を活性化常時モードで使用。」

サポートAI(アイ)
「かしこまりました。提案を採用していただき、ありがとうございます。」

あ、ほんとだ頭の中に声が聞こえてくる。

なんか慣れないから気持ち悪いな。

サポートAI(アイ)
「もし気持ち悪さなどがあるようならしばらくすれば慣れます。会話との併用でインテンションの使用頻度を徐々に上げればより早く慣れます。」

なるほどね、徐々に慣れるしかないか。

サポートAI(アイ)
「改めまして、「情報吸収コース」の注意事項を実行して行きましょう。」

注意事項の共通項を見つけると体のことが多いことに気がつく。

サポートAI(アイ)
さすが、諭吉様この表は基本的にあなたの生活を整えることを細分化してあります。

諭吉
「知識は同化できないの?」

サポートAI(アイ)
「千里の道も一歩からでございます。答えることについては可能です。

但し、与えられた知識は只の情報でしかありません。

理解した知識にならない為、身についていないものとなり役には立ちません。

ただのゴミです。

私の目的は知識を身につけて頂くことにあります。宜しいでしょうか?」

諭吉
「わかった。ちゃんと身に付けることが重要だよね。」

サポートAI(アイ)
「ありがとうございます。では、確認しましょう。」

①体の不調はちゃんと治療を施すこと。
②よく眠ること。
③栄養のある食事を取ること。
④規則正しい生活をすること。
⑤生活環境を整え維持すること。
⑥ 「情報吸収コース」入るスケジュールを決めること。

サポートAI(アイ)
「まず始めに「①体の不調はちゃんと治療を施すこと。」ですが体調が悪いとなにが良くないかわかりますか?」

諭吉
「周りに迷惑がかかるとか?実のところは気合いでやればば結果が出るんじゃないの?」

サポートAI(アイ)
「周りに迷惑がかかる。確かにそうですね。ちなみに諭吉さん体調悪くて気合いで試験受けて今回は不合格でしたよね。」

諭吉
「・・・やれと言われればやるしかないでしょ。」

サポートAI(アイ)
「そこなんです。あなたは自分の高潔さを傷つけました。

周りはそれを気が付くことは決してないでしょう。

体調が悪いことをしっかり伝えられないのは、あなたが体調が悪いことにより損をしていることに気が付いていないことにあります。」

諭吉
「そうなのかな。」

サポートAI(アイ)
「あと何回試験をやるつもりですか!!」

あれ怒られている?けど正直に伝えよう。

諭吉
「多分、後2回〜3回は掛かると思う。」

サポートAI(アイ)
「仰ることは、現実的ですね。わかりました。そこを曲げて1回で終わらせましょう。」

完全に身に付けるには至らないと思う。

諭吉
「そこは、同意しかねるよ。この話は永遠に終わらないと思うから、コースに戻るための指南をしてくれないかな。」

サポートAI(アイ)
「わかりました。
意志が強い。さすが我がマスターです。
コース戻るための続きをしましょう。
というわけで体調は悪いと、いいことはないので、治療をしましょう。」

やっと本題に戻れた。
しかし感情的なAIになった。
少し面白い1人になってから数年経ったけどこれはこれで楽しいな。

サポートAI(アイ)「人生で最も役立つ役員の思考」のメッセージをお伝えします。

「人はコミュニケーションの質によって人生がよくる。」

どうやら、ナノマシーン影響か。

サポートAI(アイ)
「ナノマシーンでチェックします。耳と鼻、喉にアレルギーによる異常を検知、耳鼻科の予約を行いました。皮膚にアレルギーによる異常を検知、皮膚科を予約しました。諭吉様完治したらどのような未来がありますか?」

諭吉
「痒くない皮膚、剥がれない皮膚で快適な未来がある。」

サポートAI(アイ)
「GOOD素晴らしいです。完治を目指しましょう!」

諭吉
「なんか、不思議な感じがする。」

サポートAI(アイ)
「次は「②よく眠ること」ですが、睡眠時間が短いです。これからは、最低でも8時間は寝ていただきます。」

母親みたいだな。

サポートAI(アイ)
「さて、なぜ睡眠は必要なのでしょうか?」

諭吉
「寝る子は育つから!」

サポートAI(アイ)
「素晴らしい。そのような考え方は正しいです。残念ながら諭吉様はも身体の成長期を過ぎています。体を休ませると疲れからの回復が早くなります。ナノマシーンもボディーメンテナンスに全力を注げます。」

肯定からの否定だな上げて下げる方式を取るんだね。ツッコミが入るかと思ったんだけど、意外とスルーされた。

サポートAI(アイ)
「では、次の項目に行っても宜しいでしょうか?今日から実行可能なので行います。」

諭吉
「どうぞ」

サポートAI(アイ)
「さて次は「③栄養のある食事を取ること。」はなぜ必要かと言いますと、ご存知ですか?」

諭吉
「食べないと死んじゃうから!」

サポートAI(アイ)
「そうですね。それもあります。人間は食物によってエネルギーを補充しています。食べないと死んじゃいます。ちなみにナノマシーンはそれ自体では機能しません。体内の養分を使い体の維持や検査機能を働かせています。」

幼稚園の先生と園児みたいになってきた。

諭吉
「わかりやすい説明ありがとう。」

ちゃんと答えられるとこっちが恥ずかしくなる。

サポートAI(アイ)
「これも今日から可能ですね。早速レシピを選択しますね。ちゃんと食べて頂きます。では次に行っても大丈夫ですか?」

諭吉
「どうぞ、ちゃんと、食べます。」

サポートAI(アイ)
「では、「④規則正しい生活をすること。」はなぜ必要なのでしょう?」

諭吉
「そっちの方がなんかスムーズだから!」

サポートAI(アイ)
「はい。もちろんスムーズに動きます。」

諭吉
「すんなり受け止められると困るのですが。」

サポートAI(アイ)
「人間とは実に面白い生命体ですね。規則正しい生活を送ることによってそれが習慣になると秩序が生まれます。それは諭吉様の自信に変わります。ご理解頂けますでしょうか?」

諭吉
「なんとなく、というのが答えになる。習慣化が自信になるとかはどうも目に見えないからわからない。」

サポートAI(アイ)
「仰っていることは良くわかります。ご懸念の内容はよくわかります。そこで、後ほどちょっとした工夫をします。夏休みの宿題覚えてますか?観察日記つけたことをここで形を変えて行います。」

諭吉
「目で見える形にするってこと?」

サポートAI(アイ)
「はい、そのとうりです。とはいえ何を行うかと言いますと、「8時間睡眠の早寝早起き!」をして頂きます。」

諭吉
「8時間睡眠の早寝早起きですか⁈頑張ります!」

サポートAI(アイ)
「はい!では次に行きます。「⑤生活環境を整え維持すること。」これは、何を意味していますか?」

テンポいいなぁ

諭吉
「快適な生活を実現する!」

サポートAI(アイ)
「確かにそうですね。諭吉様にとっての快適な生活はどのようなものですか?」

諭吉
「そう言われると、今は自由だから快適と言えば快適でそれが続けられるといいな。」

サポートAI(アイ)
「そうですね。そのとうりです。ところで最近睡眠の質はどう感じてますか?」

諭吉
「布団が少し湿気がある感じがする。布団乾燥機欲しいんだよね。」

サポートAI(アイ)
「そうですか、では、他にお部屋で気になることはありますか?」

諭吉
「クリーニングマシンを交換したいな。」

サポートAI(アイ)
「快適ではないのですか?」

諭吉
「あれ?環境が悪いのか?あ、そうゆうことか!埃っぽい家に帰るのではなく綺麗な方がいい。」

サポートAI(アイ)
「はい。そのとうりですね。少々意地悪な聴き方をしたことをお詫びいたします。生活環境を整えるとはそのようなことです。部屋を片付けたりゆっくりできる環境を作ったりですね。引っ越しなんかもオススメです。」

諭吉
「あまり気にしなかった。捨てようと思ってたものもそのままになってる。引っ越しは流石に大変かな。」

サポートAI(アイ)
「では、部屋の掃除や片付けの日取りを決めましょう。」

諭吉
「スケジュールが複数重なるとやりにくいんだよね。」

サポートAI(アイ)
「ご安心ください。そのためのサポートAIです。」

諭吉
「次が最後だな。」

サポートAI(アイ)
「準備の最後になります。⑥ 「情報吸収コース」入るスケジュールを決めること。さて、これはいつコースに入りますか?」

諭吉
「そこですか。休日ではいります。」

サポートAI(アイ)
「かしこまりました。では各項目のスケジュールを埋めていきます。」

諭吉
「具体的に目に見える形にするわけだ。」

サポートAI(アイ)
「スケジュールと主グラフを表示します。」

諭吉
「随分手書き感がある目標の垂れ幕だね。」

表示された目標には、「情報吸収コース」合格との表記がされていた。

サポートAI(アイ)という仲間を手にしたことを実感する。

正直に言うと嬉しい。

サポートAI(アイ)は①〜⑤をルーティン化を表示した。

流れるような図にして効率を上げることを提案してきた。

それが確実に機能するか試しなが進める為にはフロー図が必要になるとのことだった。

フロー図にすることにより見える化ができる。

上手くいかなくなったところを修正する。

その機能を維持する。

さらに発展させて確実性を上げる。

それを数に変えてグラフを付ける。

これが、夏休みの宿題の大人版だそうだ。

「情報吸収コース」の注意事項の進捗
①体の不調はちゃんと治療を施すこと。
→1週間ごとに病院に行き完治を目指した。
②よく眠ること。
→日々の睡眠時間を8時間確保した。
③栄養のある食事を取ること。
→1日3食、ビタミン類はサプリで補給
④規則正しい生活をすること。
砂糖たっぷりのお菓子は控える。
→生活スケジュールを書き実行する。
⑤生活環境を整え維持すること。
→掃除洗濯を習慣にする。
⑥ 「情報吸収コース」入るスケジュールを決めること。
→決められたスケジュールを守る。

スケジュール表とチャートを作った。

サポートAI(アイ)
「諭吉様、世の中には2種類の人類がいるようです。それは仕掛ける側か仕掛けられる側です。私は諭吉様を前に前に強く推していきます。決定権は諭吉様にあります。忘れないでください。」

諭吉
「仕掛ける側か、表現が理解できない。」

サポートAI(アイ)
「表現を変えましょう。仕掛ける側というのは、人々に恩恵を与える人のことです。仕事からボランティア迄、幅広い活動になります。収入や信頼を得る場合に必要な基本原則の1つで役立ちます。仕掛けられる側は恩恵を与えてもらう人のことです。」

中には悪い人間もいると思うのだが、そこは取り敢えず今回は外して説明かなぁ。

諭吉
「かなり箸折った説明だね。」

サポートAI(アイ)
「はい。追って詳しく話す機会が出ると思います。まずは、概要を理解してもらえればと思っています。」

「勉強も仕掛ける側になってください。」

諭吉
「自分で仕掛ける側になれるということだね。やりたいことやできそうなことをメモっておくか、その為の「情報吸収コース」だもんな。」

サポートAI(アイ)
「はい。そのための知識をお伝えする準備はできております。私にインストールされている知識は人生の全般に使用可能です。」

何かしたいことがあるなら、取り敢えずメモを取る。

すでに挫折していたが、写真を売ってみたり、アフリエイトをしてみるのも良いかもしれない。

人の好みは色々あるのでやってみないと何が当たるかわからない。

まとめ
その1、準備
挫折を克服し続ける。
やると決める。
目標達成の為、生活を仕組み化する。
仕組みが崩れた場合は立て直す。


第2話
すぐそこの目標を決める。
卒業すると決めること。
改めてなんのために行うかと知ること。

「情報吸収コース」を続ける方法はコースを卒業すると決めることから始まる。

それは人生に適応できる、使えなければ意味がない。

卒業した後に何をするかしたいか決めておくとこも重要である。

まぁ、目標設定になるのだが、毎日どの位コースを進めていくかも重要になってくる。この辺は目の前の目標となる。

複数の項目から作られており、内容を完璧に理解しない限り卒業は許されない。

なぜか⁈

コースの講師が言うには、無能な卒業生を世の中に送り出すのが目的ではなく、情報吸収を効率よく行うことができて仕事や私生活を楽しめるような人を育成することが決まりごとになっている。

それは、なんと「魂の向上」(知識が増す。豊かになる。)が可能とのことだった。

情報吸収コースが完全に身についた卒業生が目的になる。

カルチャースクールで繰り返し伝えられる。

「受講生の皆さんには何のために情報吸収コースを受講しているのか決めて下さい。」

「身につくまで何度でも再勉強は可能ですのでご安心ください。」

だそうだ。

バーチャル講師が世の中では主流である。

それがAIの場合もあるし人間の場合もある。

ある程度の区分は決まっていて、学校に通えない子供や仕事の資格取得を目的とする一部の人にはバーチャル講師が認められている。

成長して大人になると半分はデジタルの世界、例えば自宅や会社からバーチャルでの会議や講演などに行ける世界なのだが、学校やカルチャースクール、コンサートなどはリアルが重要という考え方がある。

諭吉が通うカルチャースクールはスクールのコースに入り直接講師が指導する方法を取っている。

サポートAI(アイ)
「「情報吸収コース」注意事項の回答書をカルチャースクールAIに引き渡しました。コースが完了するまでサポートを開始することを受領しました。」

これで準備が終わった。早く読んで終わらせることにしよう。

コースが始まるととにかく卒業を目指す。

サポートAI(アイ)
「カルチャースクールAIからの宿題をお伝えします。

以前も受けたのでご存知とは思いますが改めて説明します。

情報吸収コースを卒業したら何を吸収したいですか?

具体的に書き上げて提出して下さい。」

非常に難しい問題だ。コースを終了した後に、自分が何をしたいかを決める必要がある。

しばらくの間考え込んでいると、サポートAI(アイ)からの提案があった。

サポートAI(アイ)
「先日、ストックするように言われましたリストを表示しますがよろしいですか?何かの役立つかもしれません。」

諭吉
「リストを表示。」

リストが表示された。
販売できる物を見つける。
・写真を販売する。
・植物を販売する。
・何かの動画を配信する。
・スタンプを作り販売する。
・何かを学びレクチャーする。
・投資をする。
・アフリエイト(ブログを書く)
・パワーストーンを使ったアクセサリー
・紐をカゴにする。
・水槽を立ち上げる。
・水耕栽培ユニット。市販品/自作キット
・飲み会などのイベントを企画し事項する。

共通事項を見つけてそれを提出しよう。

どれも情報を吸収して適応しなければならないので、概要は「学んだことを適応し経済的に豊かになる。」にすることにした。

どうしてこの様な回答になったかというと、勉強しないとそれぞれのことが分からないから!ということにしておいくれると都合がいい。

目標についてサポートAI(アイ)と共有した。

サポートAI(アイ)
「承りました。「学んだことを適応し経済的に豊かになる。」をカルチャースクールと共有します。

その目標に向けて頑張りましょう。

今はわからないことも多いとは思いますが、表示させていただいた内容は組み合わせさせることにより効果を発揮できると推察できます。

情報はその都度、提示できるようにいたします。

結果を出すように進めていきましょう。」

情報吸収コースが改めて始まった。

諭吉はコース始まって以来の劣等生である。

コース運営は何としてでも卒業させると決断している。

コース責任者:J
「諭吉さんこんにちはまずはスケジュール通り来て頂いて嬉しいです。」

固い握手を求められるので、諭吉は答えて握手をする。

コース責任者:L
「諭吉さんお久しぶりです。目標の内容を読ませて頂きました。

コース内容を全て身につけて頂き目標を達成させましょう!」

固い握手を求められるので、諭吉は答えて握手をする。

劣等生、諭吉は軽く追い詰められていた。

ビジネス用語がわからないのである。

その話を伝える。

コース責任者の生き甲斐はどんな生徒でも情報吸収コースを卒業させることである。

もっと言うと学んだことを使えて人生を謳歌する姿を見ないとやり切れない心情になるそうだ。

コース責任者:L
「わかりました!分からない言葉を調べて諭吉さんの物にしてください!!」

諭吉はわからない言葉をまさに「しらみつぶし」に調べていった。

もうだめだ、分からない。と何度も思いながら苦しい。

様々な感情が溢れ出た。

何故、このコースをやっているのだろう⁈

もういい終わりにしたい。

立ちくらみがする。

悲しみや沸き立つ怒りが出てきた。

体調が悪くなることもあった。

それでも諭吉は続けた。

たまに休んだりもした。

コースを見回すと周りは有名な経営者や子供を5人育てているカリスマ主婦や普通のサラリーマンまで、諭吉と同じように頭を抱えていたがその都度、責任者やAIかサポートに入りコースを推し進めていった。

諭吉は今の世界で心の貧しさを感じたこともあったが、余裕な人生を送っている人々が、とても努力をする人々だったことに驚きを隠せなかった。

改めて情報を得て人生を変えると決めた諭吉の姿があった。

彼らは人を評価しない。

このことは、当たり前といえば当たり前で、漠然としている。

知識がない人の能力を向上させる最も基本的な考え方と、行動になると言っていた。

改めて業界用語で行き詰まった。

言葉一つ一つ自分が分かるまで調べて解決していった。

模擬実践(学んだことを正しく行えるか、または話す事ができるかを確認すること。)で学んだことを人に話そうとするが話せない。

そして、悪い意味でドツボにはまり身動き不可になる。

諭吉の様子がおかしいと、責任者から色々聞かれる。

だんだん、業界用語についていけなくなり挫折してコースに出れなくなってきた。

ここでサポートAIのがインストールされた知識を使い諭吉をサポートすることになる。

この時代、安全性、安定性がかなり向上したのだが、内向する人が多く挫折感を感じやすくカジノにはまったり、お酒に逃げたり、壁と話したり、などなど問題が幾分多くあった。

一見すると順調に人生を送っている人の孤独死や自殺が多く見受けられた。

政府は人の代用として人に寄り添うAIを導入する施策を行った。

メンタルケア改善法と呼ばれている。

サポートAIを活用し薬物、アルコールなど化学物質に頼ることなくコミュケーションにより人間の活性化を行い精神状態を安定、向上させる。

その中には人に似せたて作り上げたロボット(擬態)にAIを転送し人間の代用品として寄り添うものも普及させた。

まあ、ロボットとなるとコストが高いため、通常はサポートAI(コンタクトレンズ型、あるいは眼鏡型の情報端末)に音声にて対話するタイプが主流であった。

政府はサポートAIを導入するにあたり、大きく分けて3段階のランクが設けられた。

高い順に、
上流階級:ラグシュアリーランク
中流階級:スタンダードランク
一般階級:ノーマルランク

政府としてはせめて真ん中のランクを人々に購入を促すように施策を行なった。

残念なことに人々は安価なもので代用するため、結果的にAIはその機能を果たすことができず孤立していく人が多く見られた。

政府のメンタルケア対策として70〜80%精神水準向上予想が40%で頭うちになったが、自殺の率は大幅に下がっている。

諭吉もその被害を受けるはずだった。

サポートAI(アイ)は機能が追加され人格もバージョンアップされ「人生で最も役立つ役員の思考」部下の啓発法(あらゆる人事面で役立つ)機能が使えるため、諭吉の行動パターンを解析し正確に彼の考えを見抜きコントロールしていた。

ただの心理学の統計から導きがされているらしい。

この能力は使用者に譲渡されるように設計されていた。

加えてコース責任者がしつこく連絡してくれる。

腹が立ったり、疑問に思ったり色々な感情にさいなまれたが、お陰で、孤独を謳歌している場合ではなくなった。

各種のサポートAIがしつこいのは先程の時代背景などからわかっていた。

カルチャースクールの運営がしつこいのがどうしても解せなかった。

サポートAIに調べさせたところ、読解力しか人生を上手く生きる方法がないという見解を基に生徒を指導しているからであった。

もう少し言えば、読解力があればその情報が不要か必要がわかる。

もっと言うと「人生を選べる」そうだ。

そして、資料の中から本当に必要な情報を抽出し活用できる。

読解力がない人は読解力がある人よりも粘り強さがない。らしい。

なので、身につけるまでどうしても後押しする必要があるそうだ。

この時代のリアルに人と接するカルチャースクールは割高なのだが、卒業生は学び方を学び欲しい情報を吸収して自分の収益を何倍にもする。

結果、情報吸収コースは安い。らしい。

前に少し書いたが、金持ちの道楽のと位置付けられている。

実のところはそうでもないことに気がつかされる。

表現を正すとそれだけではない。

それは諭吉の今後の動きに期待するとしよう。

さて。学習の時間が掛かると、その分の吸収力が低下する。

やる気をなくしやめてしまう生徒もいる。

ここで、やめてしまうと学んだことが嫌になって使わなくなってしまう、それは非常にもったいない。

学んだこと自体が嫌になるらしい。

自己責任が問われることになる。

よく聞くは話だが、己の最大の敵は己の中にある。

ということは、基本的な能力を推し量る最初の事柄は、「続けていける忍耐がある」「知らないということを素直に認める」ことである。

さらに、情報吸収コースの基本は、決まった時間を確保し素早くそのコースを卒業すること。

そのことに掛かっているようだ。

挫折する要因はいくつか決まっているのだが、諭吉の場合明らかなのは専門用語の理解が足りない。

結果的に内容が期待していたものと違ってくることもある。

そこで、「なぜ、学んでいるのか」俗なことを言えば「どうやってその事を行うことができお金を得るのか」に集中するといいことに気がついた。

人はやはり欲である。

理解するまで根気よく調べて理解することができると諭吉の挫折感は無くなった。

各項目を終わらせていくことは、結果的にその内容が使えるということになる。

最終的には理解と適用が伴い精神的に知らないという不安要素が取り除かれる。

不安になる要素は神経質になれば、仕事から生活全般にまでいくらでもあるのだからそれが一つでも解決できるなら、だいぶ生きやすくなる。

まとめ第2話
すぐそこの目標を決める。
卒業すると決めること。
改めてなんのために行うかと知ること。

その3、情報を取捨選択する。
本当に今必要なものを選択する。

その4、選択した情報を価値化する。
情報を自分の物にして価値に変える。

をそつなくこなした諭吉は
不思議な自己啓発の世界に向うことになった。

今ではお金持も新しい家族もでき、幸せに過ごしたそうな。

「おしまい」


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