ファンクション・アシスト支援産業の創出に向けて
介護分野において、ロボティクスやICTの導入が国主導で叫ばれていますが、なかなか思うようには進んでいません。特に、異業種からロボティクス技術を軸として参入してきた企業にとっては、いつまでたっても大きな事業収益には結び付かず、母体の企業の中では肩身の狭い感じが続いているようです。
いわゆるパワーアシストを売りにした身体装着型のロボットは苦戦しているようにも見えます。
そこで思ったのは、単なるパワーアシスト的機器アプローチからファンクション(機能)アシスト総合支援産業として総合的な流れを創れば良いかと考えております。
ファンクション・アシストの視点で考えられるのは、
①筋力・脚力・腕力・握力等の衰えをカバーする。
②視力・聴力等の衰えをカバーする。
③咀嚼力(嚥下力)等の衰えをカバーする。
④気力・活力等の衰えをカバーする。
⑤記憶力・認識力等の衰えをカバーする。
などではないでしょうか。
このように身体の機能(Function)にフォーカスすると、既にさまざまな商品やサービス等が市場にあり、新たにそれらを再編、位置付けることで「ファンクション・アシスト産業」と捉えることもできるのかな、と思います。例えば、メガネなんかは、目の機能アシストとして社会実装されている器具と言えます。また、補聴器はほぼ社会実装されていますが、メガネほどとは言えませんね。
そして、それらをソリューション事業として展開するなら、下記のような視点からアプローチすれば、さらに多くのビジネスが発想できるのではないでしょうか。
1)普段からカラダの機能の状態(変化や衰え)を測る、知る
→カラダとコロロの計測がビジネスになる
2)各人個別に最適・最善なソリューションをアシスト(コンサルティング)する。
→機能を支え、補完・補強するアドバイスがビジネスになる
3)ソリューションの利用を支援する(例えばロボットスーツの装着支援なども含む)
→RX(Robotics Transformation)のコンシェルジュがビジネスになる
4)利用中(例えばロボットスーツの装着中)のカラダの状態・変化(バイタル、疲労度など)をモニタリングする。
→1)と同様(カラダとコロロの計測がビジネスになる)
5)利用後、装着後等のカラダの状態・変化を知る・測るなどによるヘルスケアサポートの提供。
→ファンクション・アシストソリューションに特化したPHRサービスも必要になるかも。
上記の1)〜5)がうまく循環できるモデルができれば、ファンクション・アシスト産業として新たな位置づけが生まれ、これまで単品売りであまりビジネスとして魅力を感じなかった世界に新しい景色が見えてくるような気がしております。
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