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ヘルステック・イノベーション 〜訪問看護ステーションがキーとなる時代へ〜

ヘルステック産業は急速に進化していますが、真の成功を収めるためには、医療や介護の現場との深い連携が欠かせません。現在、多くのヘルステック系スタートアップが技術中心のアプローチを取っている中、医療や介護現場のニーズや日常、さらには制度や規制を熟知していないため、事業展開の際に難しさを感じているスタートアップ少なからずいるのでは、と推察しています。

一方で、真の連携を築くためには、大学の教授や大病院の専門家だけとの関係性では不十分です。現場で直接患者と接している看護師や介護士など、フィールドで活動する医療関係者の声や意見が非常に重要です。しかし、彼らは日常業務に追われ、ヘルステックの動向に目を向ける余裕がないのが現状です。

このギャップを埋めるための新しい取り組みとして、訪問看護ステーションの利活用が考えられます。訪問看護ステーションは地域の医療ニーズに応じた活動を行っており、日常的に患者の自宅を訪れるため、患者の生活やニーズを熟知しています。

例えば、訪問看護ステーションの建物を2階建てにし、1階は通常の訪問看護業務を行いつつ、2階をヘルステック系スタートアップのシェアオフィスとして提供するというのはどうでしょう。

スタートアップの担当者が直接看護師や介護士と対話することで、現場の声を直接聞くことができる。さらに、訪問先家庭の許可が得られれば訪問にも同行することで、実際の現場のニーズや課題を肌で感じることもできます。また、事業開発のアイデアやサービスモデル等について、定期的な共創ミーティングの機会を設けるのも面白いのではと思います。

このような環境下で、スタートアップは新しい技術やサービスのアイディアを生み出し、共創の場として訪問看護ステーションが機能する。この連携により、現場とテクノロジーが密接に結びつき、真に役立つヘルステックサービスの開発が加速されると思っています。


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