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英国大使館別荘記念公園

中禅寺湖南岸の英国大使館別荘記念公園へ。明治期の英国外交官アーネスト・サトウの別荘を復元している。建物はその後英国大使館別荘となり2008年まで利用されていた。まだ現役を退いてわずかな時しか経っていない。歌ヶ浜というところの公営駐車場から湖を右手に眺めながらゆっくり歩いて約10分。人気のスポットなので訪れる人も多いが、華厳滝のようなザ・観光地感はないのでゆったりした時の流れに親しむことができる。5年ぶりの再訪。

右手に中禅寺湖を眺めながら歩く。

一階はサトウの生涯や彼が愛した奥日光の自然を図録や資料で展示。サトウは上司であった英国公使パークスの命で日本の様々な土地を訪れその見聞を記録している。列強がアジアでアジアの覇権を争っていた時代、もちろんそこには様々な目論見があったわけだが、日光の人々を筆頭にまさしく「異なる風体の怪しげな者」をいかに怖れまた受け入れていったかを想像するのはけっこう楽しい。県境に関所を設けよう、やれ検問所をなどと大騒ぎしていたのはつい2~3年前なのだ。やれやれ明治はまったく遠くない。

サトウは西洋人として初めて伊勢神宮を公式参拝した。
サトウは生涯独身であったが、内妻として武田兼との間に3人の子をもうけた。次男の武田久吉は植物学者になっている。

中禅寺湖に面して広いテラスがあり、ソファが並べられている。背もたれに体を預けて湖を見ていると、遠くを遊覧船が通り過ぎてゆく。ぜいたくな時間。JRの吉永小百合さんは「おとなになったら、したいこと」でありますが、ここなら迷うことなく「何にもしないこと」であります。

吉永小百合さんが湖畔を眺めていたのはここの2階。人が絶えないので写真は1階のテラス。
2階の展示室。

ひと通り歴史に触れたら2階のティーコーナーでスコーンをいただく。こちらも5年ぶり。絶品のトラディショナルテイストであります。目を楽しませてくれる調度品と合わせて湖を眺めながらの美味しいひと時。

ほんとうに美味いのです。

ティータイムを愉しませてくれる「小道具」たち。

別荘は三段の石垣の上に建てられ、水辺に降りるとかつてボート遊びや競技が行われた桟橋がある。ここでゆっくり時間を過ごして戻ってしまってはもったいない、木立の道を数分歩くと、イタリア大使館別荘記念公園が肩を並べている。

庭から水辺に降りられる。



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