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底辺的買い物の苦悩

幼い頃から親に「無駄遣いをするな」と口うるさく言われて育ったが、青春時代はそれなりの無駄遣いをした

しかし今となっては300円に満たない買い物すら迷うときがある

パン、ドリンク、菓子、酒類

これらは毎月かかる経費や支払いのプレッシャー、過去の散財や違反金の納付などに備えてできるだけ貯蓄しておきたいからだ

2020年現在、日本の消費税率は10%

まだ5%だったときはそこまで金銭感覚にシビアにならなくても、どこかしら少しの余裕があり低収入でもなんとか生きていけたのだ

ところが2014年、消費税が8%に引き上げられた途端に生活は一転して途端に苦しくなった

それまでよりいっそう格差は広がりを見せ、人付き合いや消費も制限せざるを得ず、個人の生活は低温火傷のようにじわじわと労働一辺倒へと化していった

政府の目論見は分からないし私自身も増税には断固反対派だが、某ウイルス関連の一連の問題が過ぎ去ったとしても、生き残った者にはまたしても増税が待っているかもしれない

その時、私は100円の買い物すら躊躇してコンビニやスーパーにすら足を踏み入れることを難儀するかもしれないし、簡素な食事すら喉元を通らないかもしれない

今、辛うじてローソンのパンを買うことができた

夜の駅周辺の居酒屋からは、誰からともなく開き直ったような攻撃的な笑い声が矢継ぎ早に耳元を劈くように聴こえてくる

このパンを食べてから、私は帰ります