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#15 Twitter銀行の可能性

今回のPickUpは、Twitterが仮想通貨による決済機能を導入したという記事。

同社は昨年には米国での送金事業の許認可を取得する等、イーロンマスクの号令の下で決済機能を強化しています。

また、独自通貨の開発を継続しているという噂もあり、Twitter内で少額の資金のやり取りが簡単にできるようになる未来は、そう遠くないように思います。

金融機関は少額決済に後ろ向き

従来、人から人にお金を送る機能は金融機関が提供してきた。しかし、少額な送金は金融機関にとって収益性が低く(むしろ赤字)、かつユーザーが使いやすいUXUIを設計するノウハウが不足していることもあり、なかなか生活者が使いやすく安価な少額の送金サービスは生まれませんでした。

SNS企業が少額決済の中心に

そんな中、少額決済を一気に世の中に広げているプレイヤーの一角がSNS企業です。日本ではLINE Payが代表格でしょう。UXUIを極めたLINEが9,000万人の顧客基盤を活かし、超少額で誰にでもお金を送ることができる世界を生み出しました。SNS事業者の収益化ポイントは金融機関と違い「決済」自体ではないですから、決済手数料がゼロでもビジネスは成り立ちます。ユーザーの満足度が高まりユーザー基盤が維持向上され、サービス利用時間が増えれば、広告収入やその他有料サービスの提供によって事業は成立するのです。世界的にみると、中国のSNSであるWeChatが提供するWeChat Payは9億人のユーザーがいますが、これも圧倒的な顧客基盤と優れたUIUXがなせた業でしょう。

そんな中、Twitter社がお金を送る機能を開始することにどんな意味があるのでしょうか。ユーザー数だけでみるとチャット機能をベースとするLINEやWe Chatには適わない中で、Twitterに決済機能がつく面白さは拡散力だと思います。

チャット機能をベースとするSNSはあくまで1対1、またはクローズグループ内でのコミュニケーションが主体で、基本的には知り合い同士のお金の送り合いが行われます。

しかしTwitterでは、一つの投稿が共感を呼ぶと、その投稿が世界中に拡散していきます。もし仮に「共感してくれた人は『いいね』を押して1円を送る」という機能が実現すれば、世界中の共感をお金に変えることができるようになります。この1対Nが決済という世界に生まれるのが、Twitter等の拡散余地のあるSNSに決済機能がつく面白さではないでしょうか。

法定通貨での送金だと国境を跨ぐハードルがあるが(為替取引になってしまったり、各国の金融規制に準ずる必要が生まれる)、Twitter独自通貨(仮想通貨)が生まれれば、世界中の人との超少額決済のやりとりの実現も近づきます。何かと話題の絶えないTwitterですが、世界中の共感するものに1円から応援資金を送れる世界が近づいているように感じ、今後の動向に注目したいと思います。

以上


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