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#8 世直しを評価するインパクト投資

今回のPickUpは、社会課題の解決を目指す企業への投資を促す「インパクト投資」について触れた記事。

「インパクト投資」の規模は、年々拡大していおり、大きな金融の新潮流と言えるでしょう。

2022年2月6日 日経新聞「投資で世界は変えられるファンドが二人三脚」

「社会課題解決>収益」が常識

一般的に「儲からない」とマーケットから放置されているものが社会課題となっていることが多く、社会課題に取り組む運営主体もNPO等の非営利団体であることがほとんどです。強い志を持った社会起業家が、儲け度外視で活動していることが少なくありません。

「社会課題解決>収益」という諦めの元に、社会課題を解決する活動が成り立っているようにも見えます。そうである限り、強い志を持った個人が倒れてしまったり、資金が尽きてしまえば、その活動には途端にストップしてしまいます。当然ですが、活動を継続するためには最低限の収益が必要なのです。

「社会課題解決+収益」へ

「インパクト投資」とは、社会課題解決と収益を両立している企業を評価する仕組みと言えます。収益を生み、継続的に社会課題解決をできる企業ことが世直し企業であるという考え方です。

世直し企業の代表例の一つは米国シューズメーカーのallbirdsでしょう。製造工程における二酸化炭素排出量が一般的なシューズの約半分であり、今後排出量ゼロを目指して活動をしています。つまり同社の靴業界のシェアが高まれば高まるほど地球に優しいということです。同時に同社はアディダス、ナイキという同業界の巨人と肩を並べる粗利益率を叩き出しています。

また、ESG(環境・社会・企業統治)基準を満たす枠組みを活用した「ESG上場」を世界で初めて実現した企業でもあります。つまり、利益率や成長率による基準が重視されていた上場市場において、「世直し度」の加点によって上場することが実現した事例です。

allbirdsような企業は究極の成功事例かもしれませんが、同じように「世直し度」が評価され、企業価値に反映される世界になると、お金が余っている人(個人投資家)にとって、お金が足りない人(ソーシャルビジネス)への投資機会が拡大することに繋がります。

「インパクト投資」という考え方は近江商人の「三方良し」にも近しい考え方です。改めて世直し企業が再評価され、個人投資家にも世直し企業への投資機会が広がっていく、そんな広がりを今後もウォッチしていきたいと思います。

以上


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