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1人の狂王により栄えたまち(バイエルン州フュッセン市)

【まちnote #9】バイエルン州フュッセン市

シンデレラ城のモデルと言われるノインシュバインシュタイン城があるフュッセン市。

人口約1万人の小さなまちに、毎年130万人の観光客が足を運びますが、そのほとんどがこのノインシュバインシュタイン城であり、そのほとんどが海外からの来訪者であることが特徴的です。一つのコンテンツでここまで人を惹きつけるエリアは、世界的にも珍しいのではないでしょうか。


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しかしながら、1回訪れたことがありますが、とにかくアクセスが悪い!(笑)

ミュンヘンの中心街から電車で2時間半、そこからお城までは歩いて40-50分くらいかかります。。。

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また、ドイツに赴任していた際、ドイツ人の友人からは「ノインシュバインシュタイン城は観光客向けで、ドイツの城ではない。ドイツ人はあんまりいかないよ」と言われ、ドイツ人からは特段愛されていない様子(笑)

アクセスも悪く、ドイツ人にもさほど愛されていないのに、なぜノインシュバインシュタイン城にはここまで人が集まるのか。

少し気になって、改めて調べていました。すると、いろいろなことが見えてきました。

まず、ノインシュバインシュタイン城は、新しく、人工的な城であること。

建設されたのは19世紀。1,000年の歴史を持つ古城もあるドイツにおいては、随分に近代的な建造物で、歴史はありません。建築者は、バイエルン州の王・ルートヴィヒ2世で、彼が音楽家・ワーグナーの大ファンだったこともあり、とにかく中世風のロマンティックな城を造ることを目的に建築したそうです。ルートヴィヒ2世はなかなかの変わり者で、城を愛しすぎて、遺言には「私が死んだら破壊するように」とも記していたそうです。

このノインシュバインシュタイン城、当時の王の偏愛で建設されただけあり、建設時には地域住民から大きな反対をうけたそうです。

しかし、そこは王の絶対権力。地域住民の反対を振り切り、ともすれ悪趣味な城を築き上げました。

しかも市民の税金で。

この横暴ぶりに、当時の市民は王のことを「狂王」と揶揄したそうです。

しかし、その「狂王」が生み出したお城は、いみじくも、その地域の雇用を支え、世界中の人を惹きつける世界有数の観光スポットとなりました。

まちづくりは、「市民への傾聴」が原点だと思いますが、こんな超真逆な事例もあるということで、メモ書きをしてみました。

ロマンチック街道の終点であるフュッセンから、逆から辿るのもおつかもしれませんね。

■ドイツ・ロマンチック街道を歩く ノイシュヴァンシュタイン城で思わぬ試練
https://www.asahi.com/and/article/20180810/300015091/

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