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投資家の目的はお金ではない

「投資」という言葉を聞いて何を連想するだろうか?

危ない金儲け
マネーゲーム
ハゲタカファンド

なぜか、わりとネガティブなイメージがつきまとう。

しかし、「投資」は、僕たちの生活を支えてくれている。

そして、将来の僕たちの生活をより良くするためにも、必要不可欠なものだ。

そんな「投資」、ひいては投資によって社会の潤滑油として巡っていく「お金」について、その本質を書いた本がある。

それが『投資家が「お金」よりも大切にしていること』だ。

著者は、主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ」シリーズを運用する、レオス・キャピタル・藤野英人社長。

最近、ネット証券大手のSBI傘下になったことが話題になった。

まさに「投資」のど真ん中にいる藤野氏の書く本書は、「お金の本質は何か?」の結論を力強く語っている。

お金が大好きです。

こんな言葉を聞くと、顔をしかめる人が多いのが日本。

でも、実は日本は世界で最もお金を貯め込んでいる国民だ。

裏を返せば、人にお金を出したくない、つまり、人を信じていないということ。もしかしたら、日本人は、世界で一番お金を信じているのかもしれない。

藤野氏は、こんな問いを投げかけている。

あなたには、「お金」よりも信じられるものはありますか?
あなたには、「お金」よりも大切なものがありますか?

だれかを信じて応援するためにお金を使うことが「投資」。

なぜ日本人は、誰かを信じて投資することをためらうのか。

色々な要因がありますが、特に印象的な記載がある。

アメリカでは、お金持ちが尊敬される文化がある。

アメリカでは、起業家として成功した人たちはヒーロー扱いだ。

それはなぜか。

理由は単純で、起業家のしていることは、社会のため、世の中のために「貢献している」と考えられているからです。起業家がビジネスを創出することは、「金儲けをしている」のではなく「価値を提供している」と理解されている。

そして、そのビジネスが成功しているのであれば、新しい付加価値を生み出し、さらには雇用まで生み出しています。

ちなみに、「あなたの社会では、新しく事業を始めることは、立派なこととして認められていますか?」という質問に対して、アメリカでは91%がイエスと答える。しかし、日本ではななんと8%とのこと。

起業家の活動自体にネガティブな国民。

このマインドセットがすぐに変わるとは思わない。

しかし、考えてみて欲しい。

いま僕たちが毎日お風呂に入れるのも、水道の水を当たり前に飲めるのも、おいしいビールを冷蔵庫で冷やせるのも、こうやってインターネットを介してnoteで自分のの考えを書けるのも、最初の一歩は、このサービスでだれかを幸せにしたい、という起業家の想いです。

その起業家が、第一歩を踏み出すとき、大きなはばたこうとするとき、そのときに必要なお金を届けるのが「投資」だ。

藤野氏の「投資」の定義はこうだ。

今この瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しを頂くこと

お金はあくまでエネルギーの一つであり、お返しの一つ。

投入するエネルギーの形は「時間」かもしれないし、「人脈」かもしれない。未来のお返しだって、お金でなく「幸せ」かもしれないし、「出会い」かもしれない。

子育てに「時間」を投入して、将来の「幸せ」を得る好意だって、広い意味で投資である。

また、藤野氏は、投資の目的は「ただ一つ」であるとも述べている。

世の中を良くして、明るい未来をつくること

タイトルの『投資家が「お金」よりも大切にしていること』は、明るい未来をつくることだ。投資を受けて活動する起業家の目的も完全一致。

「投資」の本質的な目的は、お金儲けではない。

この本は、「お金の本質とは何か」の結論を一冊に凝縮したもの、という言うだけあって、相当に読みごたえがある。

特に金融で働いている方々には一読頂きたい。

追伸
より踏み込んだ「投資家」としての生き方が記されたこちらもお勧め。


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