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なぜ難しい本は読まれなくなったのか

おはようございます。木月まことです。

今日も、朝の備忘録として、今朝考えたコトをパッと記して終わりたいと思います。

前置きが長いですね、早く始めましょう。

これを読んでる人の生まれは何年代でしょうか?

わたしは70年代です。

70年代だと、そこそこ難しい本も読まされます(読むことが奨励されます)

僕は読まなかったんですけど、ミッシェルフーコーだとかラカンだとか、難しいことを書いてるに決まってる人の本が神格化されてました。

そういう人の本は、初めて読むと、たいてい何が書いてあるのか分かりません。

当時の、フツーの風潮としては

「あの人は、何を言ってるんだかわからないからすごい!」みたいな部分があったんです。

さて、携帯電話(ガラケー)を人々が持つようになり、それはスマホというかたちで、ガジェットとしてはすさまじい進化を遂げました。

日常の決済をはじめ、マイナカードもスマホに埋め込まれるのであれば、スマホ依存はさらに進みそうです。

「あの人は何を言ってるんだかわからない」は、ほとんどのケースで秒でハネられます。

今日の庶民の関心事の多くは、スマホ映えです。

特に、企業がモノを売ったり、個人がフリーランスとして生計を立てるには、スマホ映えは必須でしょう。

人は、スマホ以外のものをあまり見なくなっています。

この傾向に変化がないのかどうかは、まだ何とも言えませんが

経済社会で勝利するとは、庶民にとっては、スマホ映えをどう獲得するかにかかっているといえるでしょう。

経済戦争が、スマホに移行してからは、「何が」より「誰が」が重要だと言われるようになりましたが、つまるところ、スマホ映えする個人が勝つ(少なくとも短期的に)ということでしょう。

庶民にとって、生きるとは、もはやスマホ映えを獲得すると同義になっているようです。

ここまで単純化された世界では、もはや、ほとんどの人にフーコーやラカンやサルトルの考えたことなどは意味を持ちにくくなったと思います。

なぜなら、生きるとは、もはやスマホ映えを獲得するに同義だからです。

スマホ映えを獲得できない個人は、零落しかねません。

綾瀬はるかやマツコ・デラックスなどの諸氏は、スマホ映えというよりテレビ映えの人であり
スマホ映えの戦略を打ち出せなければ、零落は免れないかもしれません。

いや、ここでいう零落とは、もちろん、表面的なことにすぎません。

そんなにスマホ映えって気にする?

いや、男女関係でLINEで失敗する人というのは、今の時代そこそこいるかもしれません。

いや、他人事ではないかもしれません。

「僕に、○○の写真を送ってくれてもいいんだよ」というLINEをつい送ってしまい、散々な目に遭った人のことは知ってるかもしれません(裁判で訴えられて全国レベルで知れ渡ることもあります)

僕が20歳のころは、家の固定電話しか連絡の手段がなかったために、この種の失敗はまずなかったのです。

庶民が経済社会で生きるとは、当面どうスマホ映えを獲得するかにかかっているので、もう小難しいはなしなどは、どちらかというと有害なのです。

10年の歳月をかけて、ようやくそれがどういうことか分かり出したというような活字(書物)は、もはやほとんど意味を持たないのです(少なくとも当面ですが)

こういう時代にどうすればよいのかという処方箋は僕には書けませんが。

ただ、増々進むに見えるスマホ依存ではありますが、その反面、コロナ禍などが契機になり、リアル回帰もまた進んでいるようです。

仮にスマホなしの生活が、向こうもうしばらくあり得なかったとしても
スマホは、2次元の、20インチはあるテレビよりずっと小さい画面の現実です。決してそれはナメられたもんではないにせよ
ひとびとの欲求が、2次元の、6インチかせいぜい7インチしかない世界ですべてみたされるなど、僕には信じられません。

人びとは、部分的にせよ、スマホの外に飛び出していくに決まってるのです。
たとえば、パートナーとのSEXとか、決してTwitterとかで皆に共有できないことの価値が部分的にせよ復権していくのではと個人的に思います(スマホ映えと即時共有みたいな世界は、部分的にせよ飽きられている)

もちろん、パートナーとのSEXをそれくらいしか金になるものがないという理由で自らAV市場にその映像を流して金にしようとする人もいるでしょう。

いや、はなしがそれましたが
斯様な理由で、むずかしい本は読む必要が(少なくとも当面)なくなりましたというはなしでした。

むずかしい本など読む必要がないというのは、主にZ世代を直撃すると思います(スマホによる即時共有の世界に生きる人が多い世代)
こういった間隙みたいなものが、あとでロスジェネ世代みたいな空虚と損失を生んでしまうのか、それとも別の生産的な何かを生み出すのかは現時点ではわかりません。

長くなりそうなんで、ここで締めます。

【今日のまとめ】
30年くらい前まで読まれてた難しい本 ➡ 今日、人々の関心はスマホ映えの獲得による繁栄であり、そういう活字はスマホ映えが悪く、必要ないので読まれない


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御一読ありがとうございました。

(あとがき)
後で読むと、「何か偉そうなこと言ってるなぁ」と自分で思いますが
かく言う自分も、すっかりスマホ映えの住人であり、スマホ映えばかりを気にして、しかも、その割にはちっともスマホ映えしないという、僕の世代にあるあるを地で言ってる始末なんで、決して上から目線で偉そうなこといえた義理じゃないんですけれど……ね。

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