-[熱意と理性と]ファジアーノ岡山戦- The press of EHIME NO.7(投げ銭式)
お疲れ様です。De:Lです。
監督が代わって初戦。是が非でも勝たなくてはいけない試合でした。
(實吉新監督)
しかし、劇的といいますか、無念のといいますか、この引き分けは今の愛媛には大きなインパクトを与えましたね。
ホーム連戦。愛媛県内の感染状況からも開催が危ぶまれたわけですが、なんとかお客さんを入れて試合ができたこと、他県民とはいえうれしく思います。
こんな宣言書を見たときは焦りましたが、感染に気を付けて観戦しましょう(お願いします。笑ってください。不謹慎とか知りません。)
また現在は、The press of EHIMEは投げ銭式のnoteになっています。もちろん、全部無料で読むことは可能です。投げ銭含め、コメントなど、皆さんのアクションをください!
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またこの記事で登場するサッカーの理論をまとめた記事が以下です。もしまだ読んでないよという方はぜひ一読してから読まれるとぐっと読みやすくなると思います。
このthe press of EHIME2021は2021シーズンの愛媛FCの一戦一戦に注目し、よかったこと(Gpoint)と悪かったこと(Bpoint)をまとめ、その試合から愛媛が学ぶことを整理したうえで、特定の選手(FeturePlayer)や、戦術を取り上げ、愛媛の進化を読み解いていこうという完全個人運営のnoteとなっています。ここでの文章、画像、考え方は完全に私個人のもので、愛媛FCとの関連はないもとし、DAZN映像からの引用も含め、一切の商標利用はないことを宣言しておきます。また、4節以降の投稿されたものは投げ銭式となっており、すべて無料で読むことが可能です。
さて、今週も振り返っていきましょう!!!
1.振り返り
スタメンですが、
石橋さん(愛媛FC元総監督、現DAZN解説)が433とおっしゃっていたので、不安でしたが、おそらく4141ですね。
池田と岩井が初先発。
二人とも活躍していて何よりです。今回はこの岩井と川村のシナジーについても考察していきたいですね。
また、大谷と浦田の怪我を受けて、池田が先発しましたが、やはり岡山のロングボールへの対応は素晴らしく、空中戦では圧倒していました。
加えて、想像以上にフィード能力が成長していました。去年はそれで使われなかったことを思い出すと、ファンとしてもうれしい限りです。
選手交代を含めた最終的なフォーメーションは
途中榎本が入りますが、5バックへ移行するために、内田と交代で退きます。
後半は逃げ切りを目指して、途中から5バックにフォーメーションチェンジします。
これはこれで、今までになかった形ですね。
今回、ディフェンスがうまくハマった、もしくは抑えることができた、大きな要因として、田中の存在があります。
今まで、田中は2ボランチの一枚として守備に重点を置きつつも、攻撃参加もするプレースタイルを強要されてきました。
一方で今回中盤の枚数を増やしたフォーメーションを採用したため、田中のプレーエリアが普段よりも下の方になったことは、守備面で大きな恩恵をくれました。
ではDAZN発表のスタッツを振り返ります。
近藤が右にいましたが、後半は茂木と小暮が中心になって攻撃スタートしていたことから、アタッキングサイドは比較的右寄り。
スタッツを改めてみても試合を支配されていた印象は拭えません。
今回、得点は前半に、失点は後半に集中しました。さて、なぜでしょう?
試合が進むにつれ、起用や個人戦術、ましてやチーム戦術、流れ、雰囲気、様々なものが変化します。しかし、変えないこともまた可能なのが上記たち。一方で確実に変化するものはなんでしょうか?
無論、スタミナです。
このスタミナの変化、そしてゾーンディフェンスからマンツーマンディフェンスに急変更したことのアドバンテージとディスアドバンテージを整理することで、この疑問は解決できると考えています。
2. スタメン考察
論点は以下です。
・川村と岩井のコンビ
・田中のスイーパー(前田の不在)
・4141というフォーメーション
・吉田と藤本の重要性
・池田先発
この中でもやはり、川村と岩井のコンビの話をせざるを得ないでしょうね。
2.1.川村と岩井のコンビ
川村 8番
岩井 13番
若い二人、そしてなにより、エースと新戦力が融合。素晴らしいシナジーを発揮しました。
小話ですが、岩井君はプロフィールで仲良しな選手に川村を挙げていますが、一方で川村は空欄。
これは完全にたらし以外のなにものでもありません。(確信犯です。)
でも岩井君は先輩として川村をすごく慕っているようで、ゴールシーンでも真っ先に駆け寄る可愛さがありましたねw
なんでしょうかこの小動物は。これは女性ファンが増えてしまいます。
さて、問題のそのコンビネーションですが、まず位置関係から振り返ると
分布を出しています。
岩井はトップの吉田と平行になる局面も存在、比較的高い位置も取ります。
特に、岡山がロングボールを選択する時間が長かった前半では、積極的に前線でプレスに走るシーンが印象的でした。
一方で、ビルドアップしてきたときは川村、田中と平行になり、三枚並ぶ位置まで下がってディフェンスしていました。
縦に長いポジショニングです。
川村は今まで同様、ディフェンスにオフェンスにとバランスよく分布。中央からやや左にそれた位置でプレーする時間が長かったです。
これはある程度の分布図ではありますが、實好監督らしくといいますか、自由なポジショニングで右左関係なくプレーするシーンも同様に印象的です。
さて、このコンビを語る上で、特筆したいのは、岩井のポジショニングセンスの高さです。
元々ユースの頃からディフェンス面におけるポジショニングセンス(先読みの力)が特徴的な選手と伺っていますが、攻撃面において、ここにいられると困るというディフェンス心理をよく理解したポジションニングです。
岩井がここぞというときにスイートスポットや、ポケット、バイタルエリアにいることで、敵を一人で数枚引き付けることができます。
それによって川村が自由に動けるエリアが広がっていきます。
岩井がサポート川村がメイン。といった古き良き?亭主関白コンビです()
鬼とその金棒ですね。(心配しなくても、作った本人が一番雑コラすぎて震えてます。でも逆にそれがいいまである。)
その点、岩井の仕事は多種多様で、2点目は言わずもがな、1点目についても彼のサポート無くしては、達成できないゴールとも言えます。
川村がスローインからボールを受けた直後のシーンがこちら。
岩井は中央で、ボランチ2枚と近い位置にいます。
ここで、画像上で4番の選手が近藤を視野に入れていることを察知。川村のカットインに合わせて、スペースを作るように、スイートスポット方向へダイアゴナルランします。
直後の得点シーンがこちら。
近藤とのパスコースを意識する4番は、少しポジショニングが中途半端。一方で、3番は岩井のデコイランによってサイド方向へ動かされます。
結果、岡山の両ボランチは中央にスペースを残してしまいます。
ディフェンスラインも、吉田と小暮を意識し、かなり低い状態。
こうなれば、川村にとって得点は容易です。
にしても、美しいゴールでした。ゴールまでのプロセスといい、弾道といい、映えるゴールがファーストゴールとは、嬉しいですね。
2点目は言わずもがな、岩井くんのハーフレーンを横切るようなドリブルがゴールを引き寄せましたね。解説すら不必要なほどに、圧巻のプレーでした。
吉田がポストプレーでSBとCBを丸ごと引き寄せたことで、絶好のスイートスポット(ハーフレーンとサードレイヤーの重なるエリア)が発生。本来はCBとSBとの間をハーフレーンと呼称しますが、ここでは画像のようにスイートスポットを解釈します。(CBとSBがともに極端にサイドに寄っているため。)
そこを利用して岩井がダイアゴナルにドリブル。
最後はどうぞって感じ。
美しい。
3.ゾーンからマンツーマンへの変化の弊害
監督交代の中で、岩井の起用や戦術の自主性など、見所はあったものの、もっとも大きな変化は、ゾーンディフェンスでの対応から、マンツーマンディフェンスへの変更でしょう。
まず、大前提にそれぞれの特徴(定義)をおさらいしようと思います。
マンツーマン
・・・攻撃の選手一人に対して、守備の選手が一人担当するディフェンス方法。ゾーンディフェンスがイタリアとドイツで隆盛する前のメインの守り方。長所は”役割分担が明確”、”マーク相手の特徴分析すればそれでいい”、などがあげられ、短所としては”一人突破を許すと、役割分担が崩れピンチwを招く”、”守備時のポジショニングが相手選手に依存するので、ポジティブトランジション(守備→攻撃)が難しい”などが挙げられる。
ゾーンディフェンス
・・・1980年代にイタリアを発祥として広まったディフェンス方法。ボールの位置を基準にして、危険なエリア(スペース)を消す形で選手を配置することが特徴。ピッチに等間隔で選手を配置することではない。長所としては”移動距離の節約”、”カバーリング性能が高い”などがあり、短所としては、”役割分担が曖昧”、”思考量が多く、後半の体力消耗時に弱い”などがある。
わかりやすく特徴を言えば、マンツーマンは”体力で守る”、ゾーンは”頭(思考)で守る”ですかね。
ゾーンディフェンスの特徴にあげましたが、
”思考量が多く、後半の体力消耗時に弱い”
これがモロに出た試合がこの試合と言えます。
また、”マンツーマンをやっていたチームが”急にゾーンに変更させられると、もちろん弊害が発生します。そこにも注意が必要です。
極端な例を挙げると面白いので、あえてそうしますと、
これは前半15分のシーン。
ビルドアップで岡山が持ち上がったところで、愛媛の選手の配置を見てほしいんですが、
小暮、川村は逆サイド、および後方へのバックパスに対応できる位置。
近藤はRMFへのパスコースカット。田中がサードレイヤーへのパスコースカット。
岩井は危険な10番にマンマーク。
前線3枚を意識しつつ、ボールとは逆サイドに向かって緩やかに下がっていく整ったディフェンスライン。
MFとDFの間(サードレイヤー)も狭い。間延びしていない。
正直完璧に近いゾーンディフェンスです。
適材適所に選手が配置されている上に、危険なエリアへのパスコースもカットしている。サードレイヤーも狭くなっており、全体がコンパクトにまとまった理想的なゾーン隊形です。
おまけに川村と小暮の目の前にスペースがあるので、奪えばカウンターにも入れるといったポジティブトランジションも素晴らしい。
一方で後半を見えてみましょう。
後半の80分のシーン。
こちらは見ての通り、広大なサードレイヤーを岡山に用意してしまっています。
後半の終盤で体力も少なく、攻撃の選手は帰り切れていないです。そのうえ、後半はトップの選手への裏へのロングパスを効果的に使われ、ディフェンスラインはご覧のように下がってしまっています。
したがって、ボール保持者以外のトップ2選手はハーフレーン付近へ走ってボールを受けようとしますし、ボールを持っている選手は川村のバックプレスが来るまで、余裕をもってボールを捌けます。
もちろん、これは岡山の”疑似カウンター”のシーンですので、これほどまでのサードレイヤーの広さを用意されてしまっているわけですが、
終盤になるにつれ、サードレイヤーが広がっていき、5バックでトップを残して引く戦法を取るまでは、この特徴は顕著にでてしまっていたのは事実です。
またCKのシーンでも、
つい先日までマンツーマンをやっていたのに、ゾーンディフェンスを意識していたため、意表をつくプレーに対しても、対応が遅れました。
もしマンツーマンなら担当がいたはずだし、こないだまでマンツーマンやっていたからこそ、自分の担当でないと察し、反応が遅れる。
このパターンで2点取られるとは、CKのゾーンディフェンスにおける選手配置も早急に見直す必要がありますね。
4.まとめ
お疲れ様でした。今週もふりかえっていきました。
愛媛FC正直いって厳しい現状です。この上ありません。いえ、この下ありません。
でもサポーターとして、ポジティブさ、忘れてはいけませんね。
なによりも、
我々ファンができることは信じること、そして、何より楽しむこと。サッカーはエンターテインメントです。
ここでポジティブさを忘れてはいけません!!!!
来週はアウェー大宮戦。
絶対に勝たなければいけない試合が続きます。
DAZNでの初勝利。目に焼き付けます!!
今回もfootball.labさんのデータを参考にさせていただいています。
また記事内の戦術ボードはTACTICAListaさんを使わせていただいています。
また2020シーズンの振り返りは以下です。
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