-[未熟な覚醒]ヴァンフォーレ甲府戦- The press of EHIME NO.4(投げ銭式)
お疲れ様です。De:Lです。
さて、強敵続きで参ってしまいます(涙)
今節はヴァンフォーレ甲府戦。ホームに迎えての初勝利を目指す戦いでした。
最初にお知らせなんですが、今回から、The press of EHIMEを投げ銭式のnoteにしようと思います。もちろん、全部無料で読むことは可能です。投げ銭含め、コメントなど、皆さんのアクションをください!
なお、前節の記事は以下になっております。
このthe press of EHIME2021は2021シーズンの愛媛FCの一戦一戦に注目し、よかったこと(Gpoint)と悪かったこと(Bpoint)をまとめ、その試合から愛媛が学ぶことを整理したうえで、特定の選手(FeturePlayer)や、戦術を取り上げ、愛媛の進化を読み解いていこうという完全個人運営のnoteとなっています。ここでの文章、画像、考え方は完全に私個人のもので、愛媛FCとの関連はないもとし、DAZN映像からの引用も含め、一切の商標利用はないことを宣言しておきます。また、4節以降の投稿されたものは投げ銭式となっており、すべて無料で読むことが可能です。
1. 振り返り
スタメンはこちらのようになりました。
前節で打撲した秋元は週内で回復してスタメン。昨年までは岡本が守護神だったわけですから、長いシーズンを見据えてターンオーバーしていくかなと思いましたが、連戦起用となりました。
今回の見どころはなんといっても前田の初先発ですね。後述する意図でもって先発させたと考えられますが、実りのある先発だったと考えます。
交代を踏まえた最終的なフォーメーションはこちらです。
まず、内田の起用ですね。今季初めての2列目起用となりました。
前節同様、SHに非常に運動量を求める後半となり、あえなく川村と忽那は交代。内田と小暮のコンビで2列目となりました。
また、意外な形で池田に対する起用議論に終止符が打たれましたよねww
”パワープレーしまぁぁす↑↑↑”
ではDAZN発表のスタッツを振り返ります。
前半までは甲府のシュート数は3本ですが、後半を終えて14本。
前半終わりに得点を許して、明確に甲府に流れがいったように考えられます。後半に至っては完全に蹂躙されたといって差し支えないでしょう。
もともと前半は和泉監督のインタビューでも垣間見れましたが、甲府は引いて守る印象を持ちました。
文字通り、引いて守ったわけですが(有田が前線で孤立していたポジション分布)愛媛は左サイドの忽那を中心にして、前田と近藤、そして前野で同サイドを攻略したと言っていいでしょう。素晴らしい前半だったと振り返っています。
2. スタメン考察
論点はこちら
・前田の初先発
・忽那と川村の仕事
・内田の前線起用
・池田のパワープレー
今週はこの4点をご用意させていただきました。初めて川村を中心とした考察にはならなかったですね。ある意味で変化があったわけですが。さて考察参りましょう。
2.1. 前田の初先発
今節の話題はこの人に持っていかれることでしょう。
前田凌佑選手。
今季から大分トリニータからの完全移籍で愛媛に加入してきた選手です。
ここまではすべて途中出場。それも後半途中からという起用がなされてきました。今節で初めての先発となります。
好きなドラマは”愛の不時着”ということで、ゴリゴリの韓ドラファンでした。女性陣を狙っているのでしょうか、強かすぎて好きな食べ物の”みかん”の嘘感が助長されますww
さて、小話は置いておいて、プレーの話をしましょう。
まず、前提として前田の起用理由に言及したいのですが、試合前の和泉監督のインタビューに注目すると、
「守備をスタートにしてチームを作ったが、攻撃でもビルドアップしていきたい。それを準備してきた。」
とうとう聞きたいフレーズが出てきました。ビルドアップ。
前節までの愛媛は”高い位置でプレスし、奪って即攻撃”というショートカウンターを中心にチームを作っていく姿勢を見せてくれました。
しかし、今節はあくまでビルドアップ。昨年までの愛媛が追及した川井サッカーと遂に向き合ってくれるということで、このインタビューを聞いたときは胸が高鳴りました。
前田はまさにそのビルドアップの中心を担う一人としての起用ですね。
川井サッカーを追及するとは言え、あくまで相手ゴールの近い位置で奪ってのカウンターのなかでのビルドアップを目標としているわけですから、まさに川井サッカーと和泉サッカーの融合を目指したわけですよね。
前田のJ1クラスの判断の速さや足元の技術、広い視野が、敵と近い位置でのビルドアップに必要だったわけです。
今回のスタメンでは前田は途中出場していたボランチのポジションにそのまま入りました。
もちろん、攻撃的な選手ではありますが、従来442のシステムではこのボランチの仕事は大変にタフでかつ多様です。
ですが、やはり能力の高さは一級品ということで、ボール奪取回数は茂木や浦田、ましてや守備の中心の田中にまで勝りました。
つまり、ディフェンスでも獅子奮迅しているということになりますね。流石としか言いようがありません。(一方で田中も今節は比較的攻撃的なポジション取りの印象で、攻撃的なパスやクロスの数は前田とほぼ変わらない数字になっています。)
2.2. 池田のパワープレー
これ話題にするか迷いましたw
フィールドプレイヤーに絞れば、チーム最高身長の186cm。全体で見ても、岡本、辻についでチームで三番目の身長を持ちながら、今季のディフェンスのサイズに言及するチームの意図に反して、起用機会を失っていた池田。
そんな池田が今季始めての起用はまさかおパワープレー。
なんと潔いか、和泉監督とww
田中に代わって出場、このとき和泉監督から、
”凌佑一枚ね!”
と指示が出ていたので、池田は2トップの一角。4132になっています。
これうまく撮れずに相手と被ってしまって見えにくいのですが、明確に頭一つ抜けたヘディングですね。流石です。
今季の愛媛の手札を増やす意味でも、収穫のあった起用ではなかったでしょうか。
2.3. 内田の前線起用
これは後述する戦術を話すうえで、考えなくてはならないテーマです。
結論としては内田は前線で起用するべきではない。
と考えています。
詳しい理由とその戦術については後述しますが、おそらくですね、昨年まで在籍していた甲府相手に得点、乃至はクロスのチャンスを増やしていくには前線で起用してあげるといいんじゃないですか。。。
という考えだったのではと個人的に分析しています。そういう人情がある監督は自分は好きです。合理性だけを求める人間ってつまんないので。
3.1. Gpoint Bpoint 未熟の覚醒
皆さん、”覚醒”と聞いてどういう印象を持たれますか?
何か新しい能力を手に入れたり、知らなかった才能を見出したり、といろいろ考えると思うのですが、BLUELOCKのこのセリフがかなり的を得ているなぁと個人的に分析しておりまして、
”つまり”覚醒”とは個人が己を学習する瞬間だ”
名言といっていいでしょう。個人が個人自身を学習する瞬間。つまり、経験や知識で身についた能力や才能を自覚するということですね。
愛媛FCはこの試合で、まさに覚醒に手をかけたと考えています。
振り返ると、愛媛の今年の目標は、
”昨年までのスタイルを忘れることなく、その積み重ねで高い位置でボールを奪い、即攻撃する”
だったわけですが、3節を終えて、今年の愛媛はやはりショートカウンター主体でいくんだなぁと思っていた矢先、ビルドアップへの挑戦を見たわけです。
先ほども言及しましたが、今節は川井サッカー×和泉サッカー、つまりビルドアップ×ショートカウンター。まとめたら、5レーン式カウンター(言いたいだけwでもベルギー代表やバイエルンとかはやってるんですよ。。。) これを今季の愛媛の最大のテーマであることを自覚する内容であったわけです。
そのキーマンとなったのが、前田であり、吉田、忽那、近藤、そして川村であったわけです。
ですが、このトピックの題にもある通り、未成熟に終わったわけです。
なぜ完全に覚醒することができなかったのか、具体的にいうと、なぜあそこまで後半崩れたのか。
考えてみましょう。
まず、5レーン式カウンター(一般には4レイヤー式カウンターとも呼び、似た理論戦術にJ1大分がやっていた疑似カウンターがあります。ここでは話が長くなるので、詳しい解説はまたの機会に。)には重要な役割があります。
それが、SHにあたる選手の才能です。
え?才能?と思われると察しますが、ガチです。
カウンターとは言え、5レーンや4レイヤーの理論を理解したうえで、(もちろん選手は頭で考えることなく反射に近い反応でプレーするわけですが、)動くわけですから、フリーマン役の前田と近藤、そのほかの選手のポジション調整には時間が必要です。(試合の中ではほんの数秒の話ですが)
そこで、一役買うのが、SH(WB、WS)のポジションにいる選手の時間を稼ぐプレーですね。まさにドリブルセンスやキープ能力、視野の広さが必要になるわけです。
つまり、川村と忽那のお仕事です。
典型的だったのは前半29分付近のセットプレーからの部分です。
セットプレーを弾かれて、カウンターを受けた後、浦田がそのまま戻りながらディフェンス。ボールを奪取します。
近くにいた近藤がサポートし、即座にハーフレーンに寄っていた吉田に当てます。
このパスが起点。スイッチが入ります。この吉田の位置がバイタルレイヤーと私は読んでいるのですが、CBとボランチの丁度間にあたる辺りですね。敵が対応に迷うエリアです。
逆カウンターの恰好。
その後忽那がボールを受け取ります。
ここでまさに時間稼ぎが必要になります。
このとき、吉田、近藤、川村がダイアゴナルラン。近藤がワイドレーンへ、吉田がミドルレーンへ、時間差で川村も同レーンに。
しかし、忽那だけ他の選手より位置が高いため、すぐに出すことはできません。そこで、ドリブル開始します。
忽那はそのままハーフレーンをドリブルしたことで、敵からするとマークがあやふやになり、見事に3人が付きます。
したがって、近藤と吉田はマークにつかれず、予定のレーンにいます。
最終的には
忽那についた3人に加えて、中央のCBとSBも、ニアには走り込んだ吉田と時間差で入ってきた川村について、ワイドレーンからミドルレーンに忽那とクロスランして入った近藤を見事に(これは本当に見事に)フリーにします。
結局これは、ハーフレーンをドリブルし時間を作った忽那の作り出した展開といっていいでしょう。
忽那の才能、そして浦田をはじめとしたディフェンス陣の切り替えの速さ、そして即カウンター、各人の好判断。すべてが逢いまった。理想的な5レーン式カウンターです。
逆サイドでも同様。
茂木とスイッチした田中から、川村に入るパスを起点にして、疑似カウンター(正確にはカウンターではない。攻撃速度がカウンターみたく速いから疑似カウンター)開始。
先ほどの忽那同様。川村はハーフレーンに向かってダイアゴナルにドリブル。敵のマークをあやふやにしようとします。
このとき茂木はワイドレーンへ、前田はハーフレーンにサポート。吉田も比較的近い位置でサポートできる位置です。近藤も自由に動けるバイタルエリアにいます。
ダイアゴナルに川村がゴールに直線的に向かったため、茂木のマークだった選手(画像内☆マークの選手)は中央に走っています。
それによって茂木は完全にフリー。そしてそれを見逃さない前田。
ここでは茂木は中の態勢が間に合ってないと判断し、クロスをこのあと上がってくる田中に任せますが、事実完全にフリーをつくりました。
昨年との違いという意味では、この一連の流れが”速い”ということですね。
カウンターなり、速攻なりを意識する和泉監督ですから、この流れも高速化してしまおう。という感じでしょうか。
なんにせよ、素晴らしいサッカーです。
では、なぜこのサッカーが後半にできなくなったか。
もちろん、甲府が対応するなり、愛媛が失点で判断速度が遅くなったり、などの細かな要因はありますが、やはり大きくは内田を頭から前線起用したことが大きいと考えられます。
皆さんもご存じかと思いますが、内田は時間を作る選手ではなく、作ってもらった時間でチームを得点に近づける選手です。
この戦術を遂行するには不向きなSH起用といえますね。
もちろん、戦術はこれに限ったわけではないですから、他の戦術に切り替えればいいわけですが、甲府がそれを許すはずもなく、何もできずに後半を終えた形になりましたね。
残念。
4. まとめ
さて、今週も振り返っていきました。
川井サッカーファンとしては、なんとも熱い展開です(ワクワク)
来週も期待できる内容といえます。ホームで勝ち点を取れなかったことは大変に残念なことですが、それは選手監督陣がよくわかっていることでしょう。
我々ファンができることは信じること、そして、何より楽しむこと。サッカーはエンターテインメントです。
さて、来週は栃木戦。過去の対戦成績からは相性はいいと言えます。今季初勝利、アウェーではありますが、期待しましょう!
今回もfootball.labさんのデータを参考に書かせていただきました。
愛媛FCを中心とするサッカー関連記事を書いています。ぜひご一読どうぞ。
昨年の振り返りは以下の記事です。
今回はご一読ありがとうございました。
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