大河ファンタジー小説『月獅』39 第3幕:第11章「禍の鎖」(4)
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第3幕「迷宮」第11章「禍の鎖」(4)
ラザールが王に呼ばれたのは、「天は朱の海に漂う」との星夜見がなされてまもないころだった。王太子の空位はすでに二年近くになる。
通されたのは、謁見の間ではなく王の執務室だった。
「ラザール星司長をお連れいたしました」
部屋の中央には大理