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大河ファンタジー小説「月獅」

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天卵を宿した少女と、天卵の子の物語です。
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#みんなの文藝春秋

大河ファンタジー小説『月獅』 1

第1幕「ルチル」第1章:白の森(1)  ヴェスピオラ火山の火口から、何かがまっすぐに天に向…

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大河ファンタジー小説『月獅』 2

前話<第1章:白の森(1)>は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第1章:白の森(2…

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大河ファンタジー小説『月獅』 3

はじめから読む。 前話<第1章:白の森(2)>から、読む。 第1幕「ルチル」第1章:白の…

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大河ファンタジー小説『月獅』4   第1幕:第2章「天卵」(1)

第1章「白の森」(全文)を読む。 前話(第1章「白の森」(3)から読む。 第1幕「ルチル…

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大河ファンタジー小説『月獅』5   第1幕:第2章「天卵」(2)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』4 「天卵」(1))は、…

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大河ファンタジー小説『月獅』6   第1幕:第2章「天卵」(3)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』5)は、こちらから、どう…

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大河ファンタジー小説『月獅』8   第1幕:第3章「森の民」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』7)は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第3章「森の民」(2) 「近づくんじゃないよ。病がうつっちまう」  引きつった声が飛んできた。  ルチルはその緊迫感に驚き、一歩を踏み出した体勢のまま固まった。そのときだ。 「ああ、動かないで。そのままでいてくれ」  不意にのんびりとした声がかかり、ルチルは首だけを動かして目をみはった。男がひとり小さな子の手を引いて

大河ファンタジー小説『月獅』9   第1幕:第3章「森の民」(3)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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大河ファンタジー小説『月獅』11  第1幕:第4章「蝕」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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大河ファンタジー小説『月獅』18   第2幕:第6章「孵化」(4)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(17)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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大河ファンタジー小説『月獅』19   第2幕:第7章「もうひとつの卵」(1)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(18)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』20   第2幕:第7章「もうひとつの卵」(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(19)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』21   第2幕:第8章「嘆きの山」(1)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(20)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』23   第2幕:第8章「嘆きの山」(3)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(22)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」第8章:「嘆きの山」(3)  誰もがソラの好奇心の強さを甘くみていた。  生れて半年が過ぎ、春を迎えるころにはシエルも走り回り、二人はますます活発になった。絶えず海風に曝されている島は、雪が舞うことはあっても積もることはないが、冬の突風が吹き荒れる。家に閉じこもる日も多く、それだけに春の訪れは双子だけでなくルチルもディアの心も解放した。 「ピクニックに行こう」  ディアが