やまとたまこ

食う、寝る、生きる。 起承転結はありません。 情景と心境を書く練習です。 わかりに…

やまとたまこ

食う、寝る、生きる。 起承転結はありません。 情景と心境を書く練習です。 わかりにくい、つまらない、ここがへん等、 ご指摘やアドバイスもコメントで貰えたらありがたいです。

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  • あきこの生活「朝」

    あきこのある朝を、 全10話を目指して書いています。 起承転結はありません。 書く練習です。

最近の記事

05 真面目な生活

第5話 化粧水はラベンダーとカモミールの香りのするスプレー式のものだ。 シュッシュッと3吹きくらいして、両手で馴染ませる。 良い香りだ。 香りに癒されながら、洗濯機の残り時間に目をやる。 "21" 化粧水の次は美容液。こちらも同じ香りのジェルで、良い香り。1プッシュして、指で伸ばしていく。 次はこっくりとしたクリームを指にとり、手のひらに広げて、顔を包み込むように優しく塗っていく。水分の蒸発を防ぐのだ。 "19" 今日は誰に会うわけでもないから、メイクは簡単に。 ひ

    • 04 理不尽な洗顔

      洗濯機をまわしているうちに、顔を洗ってしまおう。 朝一の洗顔を習慣にしている人も多いと思うけれど、私はまず朝ごはん、その後に洗顔だ。 これは幼少期の頃からの習慣だ。 食後にすることで、睡眠中の汚れや目脂と共に、パン屑やジャムでベタベタになってしまった子供の顔を、一度に洗ってしまうというのが、母の算段だったのだろう。 そして、それは大人になった今でも私の習慣となっている。 目脂のついた顔で朝ごはんを食べることには、多少の抵抗があるのだけれど、なかなか治せない。 夫のマサオも特

      • 03 洗濯と才能

        朝ごはんを食べ終えた。 10時40分。 起きたのが10時ぴったりだったから、朝ごはんだけで、もう40分も経っている。 慌てて洗面所へ向かう。 このあと早急な用事があるわけではないが、うっかりしていると、あっという間に1時間も2時間も時間が経ってしまいそうで、少し焦った。 なぜ朝というものは、こう性急な気持ちにさせるのだろうか。 さて、洗濯機を回そう。 昨日はタオルを洗ったから、今日は衣類を纏めて洗う。 タオル、衣類、靴下、バスマット、その他デリケート洗いというように、それ

        • 02 ひとり朝ごはん

          カーテンを開ける。 寝室の窓から、清々しい青空が見える。雲はひとつもない。 寝坊した朝でも、気持ちまで晴れていくような秋の空。 先程までの暗雲とした罪悪感も、どこへやらである。 さてさて、あさごはん。 ベッドからのそのそと抜け出し、トイレへ行って、手を洗って、うがいをして、キッチンへ。 洗顔は朝ごはんを食べてからである。 昔からの習慣だ。 フルーツと、パンと、コーヒー。 これが、平日朝の定番メニューだ。 簡単が一番だ。 今日のフルーツは、柿。昨日近くのスーパーで、2個

        05 真面目な生活

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        • あきこの生活「朝」
          5本

        記事

          01 遅めのはじまり

          朝8時。 夫のマサオが「行ってくるよ」と声をかける。 カーテンは閉まっていて、薄暗い。 私は布団からは一歩も出ずに、視線のみ夫へ向けて見送った。 「いってらっしゃい。気をつけて。」 マサオは一度振り返って、 「アキもね」 と一言返し、一人玄関へ向かう。 靴を履く音。 カバンを持つ音。 ドアを開ける音。 鍵を閉める音。 私は、布団の中で耳を澄ます。 四畳半の狭い部屋に押し込められた、無印良品の二つのシングルベッド。 今となっては私の独壇場で、二つのベッドに身体を渡し思うがま

          01 遅めのはじまり