たくさんの目で見つめられると_2023/5/12



聞き飽きたかと思うけど私からも言わせてくれ。
ティアキン、ついに発売してしまいました。



ゼルダシリーズ、大人になってから全くプレイしなくなってしまった。ゼルダだけでなく、ストーリー重視のゲームをやる機会がめっきり減った。大人になるということは、自分の人生以外の物語に気を向けられなくなってしまうことなんだなーと強く思う。大人の方が自分勝手です。ホンマに。


ティアキンどころかブレワイにもみそきんにも触れてこなかったこの人生ですが、こんな雑文を書くための30分を毎日捻出できるくらいには文化的に生きております。でも正直、栄養失調気味。もっとフィクションに触れたい。ゲームじゃなくとも、映画でも、ドラマでも、漫画でも、アニメでも、VTuberの雑談配信でも、なんでもいい。他人の紡いだ物語を摂取し続けたい。それが私の紡ぐ物語の主たる滋養となるから。




『ゼルダシリーズで何が好きなん?』というゲーマー同士なら誰しも一度は話題にしたことがあるであろう質問に答えるとすれば、迷いなくトワイライトプリンセス。あの明度・彩度の低さ。シリーズ随一のゼルダのビジュアル。素晴らしい。右に出る者はいません。


しかし私が最も推すポイントはその色彩でも美しき姫君の造形でもなく、“アゲハ”という一人の少女の存在である。
言うなれば『現代版 虫めづる姫君』。
私はどうもこういうキャラクターに弱い。


少女に限らず、人間誰しも自由にやりたいことをやっている瞬間がいちばん輝いている。愛したいものに愛を注いでいる瞬間がいちばん愛らしい。そんな人だらけの世の中になればいいな、と、物心ついた頃から今まで絶えず思っている。周りの人が好き勝手しているところを見ていたい、我慢しているところを見たくない、というのが私の信条の一つである。


それで「俺、お前のこと本当に心の底から嫌ってるから」とか言われても、なんかもう、むしろ嬉しい。いやドMというわけじゃなく。“心の底”の部分を恥じずに表出してくれてありがとう、今あなたはとても輝いた目をしているよ、と、そう伝えたい。悪口とかいじめとかさ、やめろっつったってきっと無理なんだよね。だって心の底では悪口言いたいしいじめてやりたいんだから、悪口言ったりいじめたりする人ってのは。あらゆる非人道的行為も、心の底からそれを行いたい人間が行っているんだと思う。仕方ないよね、もう。




虫を、特に女性が好んでいるというのは、現在の常識としては少し稀有で奇妙なことと捉えられがちである。なぜか、みんな揃って虫が嫌いである。ただ、「みんなが嫌っているからアタシも嫌おう」という論理ではない気がする。他のどんな生き物にも心優しい人で、虫だけはどうにもダメだ、という人が少なからずいる。何か、根本的で生物学的な理由があると思う。


しかし、にしても、あまりに盲目的に嫌悪しすぎではなかろうか。もう少し知ろうと努力してみても良いんじゃないだろうか。


たった今、全国の虫を嫌う(不完全な)紳士淑女の皆様に、ぜひ生物の図鑑を読んでほしい。今まで嫌っていた虫の、美しい側面を享受できるかもしれない。今まで可愛い可愛いと愛していた生き物の、残虐で愚劣な側面を目の当たりにするかもしれない。それらを知った上で、「いやー虫っていいですね」となるのも「いやゴメンやっぱ無理だわ」となるのもどちらも正しい結果だと思う。ただ、深く知ろうとせずに好き嫌いを感じて欲しくない。何も考えず、うわべだけを見る人が増えて欲しくない。うわべだけを見る場合は、「今、自分はうわべだけを以って判断している」と常に自覚していて、なお貫いてほしい。そのくらいの自覚と覚悟のある者だけに、「うわべだけを見て判断すること」は許されるべきだと思う。そうでなければ、この世はうわべだけで進んでしまう。


その点、アゲハは真っ直ぐである。虫を愛してやまず、それを自覚し、その愛をいちいち言葉にする。虫のこととなると、時には攻撃的な言葉も放る。それでいい。その本気さは、間違いなく魅力である。




他人の目など気にせず、思ったことを口に出し、思ったように行動する
___誰かが我慢をしないとこの世界は上手く回らないと思う人たちが多いけど、案外、みんながみんな好き勝手やっている世の中の方が上手いこといくんじゃないかと思う私なのでした。


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