ホルモンバランスとの付き合い

少し前の自分だったら「付き合い」を「戦い」と書いていたかもしれない。
PMS(月経前症候群)という言葉が一般的になってきて、SNSでも飛び交い若い子たちも認識していることに、よかったねと思う。

20年ほど前、わたしが高校生だった頃はまだ一般的ではなかった気がする。当時、初めてお付き合いした彼と月に1回死ぬほど酷い喧嘩をして優しかった彼を悲しませて苦しませていた。自分自身の気性の激しさにわたしってどこかおかしいと苦しんでいたけど、20代が終わる頃に半分以上は未熟さ、残りはホルモンバランスの乱れが原因だったと確信する。

ホルモンバランスの影響を自覚したのは、初めての彼とお別れをする少し前のことだった。何かがきっかけでPMSという言葉を知り、低用量ピルを処方してもらったり、ピルが合わず、漢方を試したりしてどうにかしようとしていたのが懐かしい。30代になって付き合い方がわかるようになったけれど20代の頃は本当に四苦八苦していた気がする。

先月末、初めて妊娠検査薬陽性反応を見たあとに、化学流産を経験した。
年齢的にもそんなにとんとんと進まないだろうと、また来月と気持ちを切り替えて強く落ち込まずに冷静にことを受け止めていた。
そのあと、いつも月経前にくる不調のような体のだるさ、気持ちの落ち込みを感じて1週間ほど怠惰に過ごすのを自分に許して時間がすぎるのを待った。少し歯痒かった。いつもは調子のよい時期なのに。最近はこの不調はなかったし、休職してストレスなく過ごしているし、次の周期に向けて運動もするつもりだったし、健全な生活がしたかった。あれもこれもやりたかったのに、と。

「ホルモンバランスの乱れさえなければ!」と苦しむくらいに振り回されている女性はどれくらいいるのだろうか。私は20代半ばの頃は特に辛かった。最初の仕事も、最初の彼がくれた優しい関係も居場所もPMS期の私が全部ぶち壊した。

でも今はPMSは自分からのメッセージのように捉えているし、敵ではなくなった。あくまでわたしは、だけど。日頃の不摂生や心の悲鳴を無視していると強く乱れることが多いとある時、気付いたのだ。これ以上進むとダメだよってブレーキを踏まれているような気持ちになる。これさえなければ頑張れるのにと思う一方で、これ以上頑張ったらいけないのかと思い直す。

今回も、実はやっぱりショックだったのね、落ち込んでいたのね、本当は順調に次のステップへ進みたかったし、期待していたのねと自分からのメッセージを受け取った。そして自分の心なのか身体なのかが満足するまで怠惰に過ごし、Uberを許し、いいんだよ今はもうしょうがないと言い聞かせ、気持ちが戻ってくるのを待った。

仕事をしていると、これがやはり難しい。自分の些細な変化もコントロール下に置くか、見ないふりをし、ミッションや部下へ意識を割くことを優先していた。酷いときは気付き立ち止まることを忘れ、自分にも周りにもより厳しくなった。そうして無理を続けていくとひと月のうちの1週間くらいの不調が徐々に幅を利かせていき、常に居心地がよくない自分になってしまう。なってしまっていた。
よくやっていたよなと思う。わたしも、周りも。よくやっていた自分を懐かしくも恋しくも思えるようになったから、少し回復しているのかもしれない。

女性だけでなく、男性にもホルモンバランスの周期はあり、やはり不調期があったりするという記事をどこかで見た。みんな生物なのだ。
妊活をしてみて、よりそれを感じる。もっとしっかり自分の身体を理解すべきだったなと反省している。体温や周期でしっかりと身体はサインを出してくれている。健やかに軽やかに見える人たちは、もしかしたらもっと早くこれに気付いているのかもしれないなと思う。

今日は久しぶりにストレッチができて、noteを開いた。
おかえり自分なのかな。来月の自分のために優しく過ごそうと思う。

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