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益田ミリさんの旅

益田ミリさん。最近よく売れている。あ、最近じゃないか。前から。
朝日新聞に隔週でコラムを書いている。
単行本でもよく話題になっている。週刊誌の表紙も描いている。

今、改めて調べたら、たっくさん作品があった。

今日はミリさんの旅の本、2冊読んだ感想を。

 47都道府県女ひとり旅



 『47都道府県 女ひとりで行ってみよう』は、ずいぶん前に買って、外出用にちょっとずつ読んでいた。文庫本は外出用だから。ここに来てスピードを上げて読んだ。今、見たら最初の方だいぶ忘れている。(すみません)

 この本は、2002年からミリさんが(親しげでごめんなさい)33歳から37歳までかかって、毎月東京から47都道府県全部、ひとり旅に出かけた記録である。これってスゴイと思う。もちろん仕事も入っていると思うけど。「ウエブ連載していた」とあった。

 この前駅ナカの本屋さんに行ったら、この本の新版が売っていた。私が持っているのが25刷りになっている。今売っているのはもっと、ということになる。

 そして、後続本が出ていて、『ちょっとそこまで旅してみよう』今年で14刷り。どちらも本屋さんの目立つところに置いてあって、ポップもつけてあった。

 こちらはひとり旅だけではない。彼(!)とかお母さんとかお友達とかで行った旅で、フィンランドとかにも行っている


ミリさんの魅力


 益田ミリさんがなぜ人気があるのか。
それは益田さんがいつも肩肘張らずに自然体で、何だかそこがほっとするのかなと思う。嬉しかったこととか、上手くいかなかったこととか、思ったことを正直に書いていて、「ああ、人っていろいろ感じながら生きているよなあ」と思う。「旅先で人とふれあおうとする努力もしていなかった」とか言うところも肩の力が抜けている。結構ふれあっていると思うけど。
 それがこの2冊の本に表われている。


 感想は「ああ、面白かった」
先ほど書いたように、いつも自然体。行く先々でいろいろあるのだけど、あたふたしているようでも、なんだか淡々と書いてある。そして絶景を見て感激する。


 旅先では、日頃と違う環境で自分のことを冷静に見る時がある。「ああ、こんなの好きだったんだ」とか「自分ってこんな人だったんだ」とか。それがミリさんの本にはある。

 出会った人、いやすれ違ったような人もよく見ている。クラスメイトの中にぽつんといる子どもを見て「大人の世界はひとりでも大丈夫だよ」と心で呼びかけたり。

 人間ってこんなふうに生きている。そんな「深い話」がポロッと書いてあったりする。お母さんと行く旅では、お母さんに対する思いなど。人に優しい。

感性で決める


 旅先を決めるとか、どこに行って何をするかを決める時、ミリさんは多くはガイドブックを参考にしているけど、割とその場で決めたりしている。ガイドブックだって、たくさんの情報の中から自分の感性で選んでいると思う。「あ、ここ行こっ!」って。
 


 私もちょっと似ているかも。事前に決めない時も多い。でもそんなふうに行った所って、結構良い場所だったり良い体験ができたりする。出会い、めぐり会いなんだろうと思う。この前、徳島に行った時、あんなに駅の近くにケーブルがあって山に登れるなんて知らなかった。行ってみたらステキなところだった。

食べたことある行ったことある


 そして、食べ物が美味しそう。よく食べている。特に後続本『ちょっとそこまで・・・』は食べる話がよく出てくる。甘い物が好きらしい。食べたくなる。名物も食べるけど、夕食はデパ地下でお惣菜を買ってホテルで食べるとか。そ、一人で店に入るよりいいんだって。それもいいな。

 読んでいて、「知ってるよ」とか「それ美味しいんだよ」と叫びたくなる。いきなり団子とかソースカツ丼とか。

 『47都道府県女ひとり旅』は「あ、そこ行った」と思うこともたくさん。東北の松島は私も一人旅で行って船に乗ったのだった。えびせんをあげた・・・ような気がする。大昔なので忘れた。別府温泉も道後温泉も姫路城も大塚国際美術館も行ったよ!

2冊目のほう



 実は『ちょっとそこまで旅してみよう』のほうを先に読み終わってしまった。皮膚科で3時間待っている間に。(私って本当に辛抱強い)帰ってきてあわてて、『47都道府県女ひとりで行ってみよう』を読んだ。私には、このひとり旅のほうが面白かったかな。なんでだろう。

 やはりひとり旅だったからでないかな。同行がいると、それだけ書くことが増える。実際、「~した」「~に行った」と説明が多くなっていたような気がする。(私の感想なのでご容赦を)

 タイトル通り、「女ひとりで47都道府県」というコンセプトが面白いのかもしれない。
『ちょっとそこまで~』にもひとり旅はあるけど。

 ミリさんはひとりで旅していることを後ろめたく思っている記述が出てくる。私の旅はほとんどひとりで、ちょっと寂しかったりするけど、「ひとりと思われたくない」とは思わない。
 そっか、時代が違うのかもしれないね。今はおひとり様時代だから。

漫画・イラスト効果


 『47都道府県』のほうは、各章の終わりに「旅先4コマ漫画」が載っている。これがとても良い味を出している。笑えて、締まる。イラスト、漫画を書く人はこれができるから良いな。ミリさんの作品の魅力って、このイラストも大きいかもしれない。何気ないイラストなんだけど、ミリさんの等身大。30代40代女性が自分を投影しやすいのかもしれない。

 かかった費用も書いてある。金額より、何に使ったがわかって面白い。

最後に


 2冊目の『ちょっとそこまで旅してみよう」の最初に
「昨日まで知らなかった世界を、今日のわたしは知っている」とあった。これはちょっと良い言葉。

 そして「フィンランドにいるときの『わたし』も、普段の『わたし』であることに安堵した」
「わたしはわたしの人生を生きているのだ」ともあった。ここがミリさんのミリさんらしいところと思う。
 どこにいても何をしていても、わたしはわたし。それっていいな。
 


 あ、一番の感想を忘れていた。
ミリさんフットワーク軽い。少しぐらいなら歩く。
私、今膝痛で歩けない。うらやましい。
私もあちこち行きたい!



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