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ピアノ&トーク

カルチャーセンターなどというものに、あまり良い思いを持っていませんでした。

退職して、時間が余っている高齢者が、エライ先生の話を聞いて、「ふむふむ」と頷き、いい話を聞いたと帰っていく、なんてイメージがあったのです。

それが、どうしたことか、すっかりお世話になっている。この前、面白そうな講座はないかとウロウロしてしまった。講義系と同時に、絵手紙とか切り絵もきれいだ、なんて思いながら。

そして見つけたのが、「ピアノ&トーク」というもの。何だか面白そうと申し込んでしまいました。



ピアノは小さい頃、姉と2人で習っていました。姉はその頃から頭角を表わし、えらい先生に習うために遠くまで行ったり、高校から下宿して、その道をまっしぐらに進んで行きました。音大を出て、音楽教師になりました。

退職した今も、コーラスの指導を続けています。

私は小学校の高学年の頃、引っ越しを機にやめてしまいました。姉の添え物のように習っていたし、田舎でしたから、通うのも大変だったし。母も姉には熱心だった。

そんな母は、子どもの頃に、姉(叔母)だけがピアノを習っていて、自分は習わせてもらえなかったそうです。

その屈折した思いを持ち続け、何歳からだったか、50歳?60歳?とにかく年を取ってからピアノを習い始めたのです。

毎日練習し、発表会にも何回も出ました。当日、めちゃくちゃ失敗して落ち込んだ、というときもありましたが、それでも続けていました。親ながら、頑張るなあと思っていました。尊敬します。

途中でやめちゃった私ですが、大人になって家で戯れに弾いたり、デイサービスで働いていたときには、お誕生日会で「HAPPY BIRTHDAY」の伴奏くらいはできて、役に立ったぞ。


さて、ピアノ&トークです。
それほど広くない講義室にグランドピアノ。

講師の川尻先生は、きれいな柄のシャツを着て、いかにもピアニストという感じ。関西弁バリバリに、ロシアの作曲家、グリンカの説明をして、そして弾いてくれました。夜想曲その他。ショパンのノクターンも。

目の前で聞くピアノ曲はメロディがきれいで、心がしみじみとしました。

先生、トークがめっちゃ面白い。楽しかった。
期待していないのがおもしろかったというパターン。よくあります。

今度、コンサートを開くそうです。そのチラシを配り、「奥さんと連弾します」と言います。奥様は韓国の人で、写真を見て、きれいな人だなあと思っていたら、隣に座っている人が立ち上がって、ピアノの所に行かれたので、ビックリしました。隣りにおられたんですか。

連弾も、その後、奥様だけで弾いてくれた「幻想即興曲」も素敵でした。

コンサート行こうかな。

でも、仮住まいなので、家には電子ピアノしかないと言っていました。先生、コンサートを前に、大丈夫ですか?


一番前しか席がなく、そうして先生の話が面白くて、ウンウンと大きく頷きながら聞いていたので、先生は話しやすかったと思います。

帰り際、挨拶に立っておられて、「ありがとうございました」って言ってくれたから、役に立ったのだと思う。



*ヘッダー写真、お借りしました。
こんなところで弾いたことない。

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