文学は、文学にあらず。
この言葉が、気になる。
戦争について一億総懺悔が求められる世相のなかで「僕は無智だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいいじゃないか」と言い放ち、舌禍を招いた座談会『コメディ・リテレール』は、講演『私の人生観』の2年前であることから、小林秀雄の考え方や言葉に共通するものが多い。
文学は、文学にあらず。小林秀雄らしい逆説であり、文字面だけでは、さっぱり分からない。人は、自分の主張や意見を述べてから、それが抽象的だと自覚があったときに、より明確な表現に言い換える