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書評

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ヨミタイモノ、ココニアリマス。
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2023年7月の記事一覧

想いを「書く」とはどういうことか——まはら三桃『思いはいのり、言葉はつばさ』

拝啓 あまりの暑さに茫然としているうちに、7月も終わろうとしています。御身体の具合はいか…

既視の海
10か月前
33

太田明日香『書くことについてのノート』

太田明日香『書くことについてのノート』(夜学舎)を読む。 書くことを生業にしようと東奔西…

既視の海
11か月前
19

吉田美和子『単独者のあくび 尾形亀之助』

吉田美和子『単独者のあくび 尾形亀之助』を読む。 尾形亀之助が42年という短い生涯で刊行し…

既視の海
11か月前
10

エラ・フランシス・サンダース『翻訳できない世界のことば』

エラ・フランシス・サンダース(著)前田まゆみ(訳)『翻訳できない世界のことば』を読む。 …

既視の海
11か月前
14

尾形亀之助の第一詩集『色ガラスの街』、第二詩集『雨になる朝』を「あるきみ屋」により復刊された文庫版で読む。きのう書き写した「雨日」「夜がさみしい」はいずれも「どつちかといふと厭はしい思ひ」で出版した第二詩集に収録。できれば全詩を読み込んで、彼のさみしさの雫を感じたい。

既視の海
11か月前
8

尾形亀之助詩集『カステーラのような明るい夜』

尾形亀之助の詩集『カステーラのような明るい夜』を読む。 先日の『美しい街』と重なる詩も多…

既視の海
11か月前
16

尾形亀之助『美しい街』を読む。尾形亀之助は初めてではないにせよ、詩集としてまとめて読むと、後頭部をガツンとなぐられた気分。こんなに短く身近な言葉だけで、心情も情景も余韻も表わせるなんて。いたずらに長く難解な現代詩とはまったく別。松本竣介の絵もいい。まだ胸のどきどきがおさまらない。

内田百閒「阿房列車」シリーズの『雷九州阿房列車』を毎年梅雨時に必ず読む。何も用事はないけれど三たび熊本の八代を訪れる百閒。ちょうど昭和28年西日本水害を引き起こした豪雨をすり抜けるように阿蘇、別府、門司を旅していく。可笑しく読みながら、この週末も九州の被害が拡がらないことを願う。

既視の海
1年前
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