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人と人とのつながりをつくる~市川のフードドライブに行ってみた~

公益財団法人流通経済研究所
研究員 寺田奈津美

こんにちは。昨日は、本八幡駅で行われているフードドライブ会場に行ってきました。
フードドライブとブックドライブと書いてあります。これは何でしょう?

フードドライブ?ブックドライブ?

フードドライブ受付中

受付の方がいたので声をかけてみました。

ーここで何をされているんですか?
「自宅で余った食品や本を寄贈してくださる方々から、食品などを受け取るフードドライブとブックドライブを行っています。中にはご参加いただくのが何度目かの方もいて、短いお話をすることもあります。」
ー参加されたのは何回目ですか?
「フードドライブ活動は2回目です。」

 お話をうかがった方々は、市川市にキャンパスのある千葉商科大学の学生さんで、フードドライブ以外にも、フリースタイル市川さんのフードバンク事業に関わっているそうです。

ー今回、フードドライブに参加されていかがですか?
いろんな方とコミュニケーションができて楽しいです。」
「僕は前々から貧困問題に関心があって、大学で勉強していました。この活動を通じて少しですが、貧困問題の解決にかかわることができている実感があって、うれしいです。」

 取材中にも食品や本を寄贈しに来る方々がいらっしゃり、大変にぎわっていました。ボランティアの方々によると、今回の食品の集まりは前回に比べてもかなり多いそうです。

集まったたくさんの食品たち

ブックドライブも実施中

 今回のイベントを共催している鉄道会社の方(都営交通さん、JR東日本さん、京成電鉄さん)にお話をうかがいました。

ー今回のイベントについて教えてください。
「フードドライブのイベントは2022年にも実施しましたが、地域におけるフードバンク活動の重要性を鑑みて、今年もフリースタイル市川さんに提携を打診させていただきました。今年は前回にはなかったブックドライブも実施することになったので、会場ではその受付や受け取り後の対応をしています。受け取った本は市川市中央図書館に寄贈されます。」

 今日のブックドライブでは、開催時間の半分を過ぎた時点で既に段ボール30箱分以上の本が集まったそうです!

運営団体の方に詳しいお話を伺いました

ー運営団体であるフリースタイル市川について教えてください。
「まちづくりのNPOで、市川市内での人と人とのつながりを作ることをテーマに様々な活動を行っています。事業は大きく4つあり、①コミュニティ事業「いちカイギ」②Web事業(SNSやオウンドメディアでのまちづくりに関する発信)③フードバンク事業④まちづくりに関するコンサルティング事業(事業立ち上げの伴走支援など)があります。」

ーさまざまな事業の中で、今回のフードドライブのイベントはどのような位置づけで行っているのですか?
「事業の中でもフードバンクは多くの人のつながりを作り出すことができる活動という点で力を入れています。今回のようなフードドライブのイベントは、企業のオフィスや公共施設の入り口やスーパーの店頭などにボックスを設置する、通常のフードバンク活動だけではまかないきれない食品を確保することに加えて、より多くの人に私たちの活動を知ってもらい、つながりを広げるという意味からも積極的に行っています。今回のようなイベント型のフードドライブ活動は年間3~4回程度、提供先からお声かけいただいた時に行っており、寄贈される食品は多い時で1回250kg程度の食品が集まります。」

 フードドライブは啓蒙活動ではあるものの、食品を届けてくれる方に団体の活動について詳しく説明することはしていません。それは、人のつながりを増やしていくことが大事なのであり、一度に活動のすべてを理解してもらおうとするのではなく、何度も気軽に足を運んでもらえるような雰囲気を作るためだということです。そんな、誰もが気軽に参加できるフードドライブでは、イベントを通じてつながりができた人も参加者の2~3割いるそうで、フードドライブは地域でゆるやかなつながりづくりのきっかけとしても機能しているようです。

ー今後の展望を聞かせてください。
「フードバンク活動をおせっかいではないものにしたいです。とても大きな理想なのですが、困ったときにはお互いに手を差し伸べ、助け合っていく、それが当たり前となり、支援や困窮者支援、フードバンクといった概念がむしろなくなっていくような状態を究極の目標として活動しています。誰だって困ることはあるし、そういうときに何も言わなくても隣近所の人同士で助け合う、そんな地域を市川で実現できたらいいなと思っています。」

いちかわのフードドライブ活動に参加されたみなさん

 また、今回はフードドライブ活動について詳しくおうかがいしましたが、いちかわフードバンクでは1月に起こった能登地震の被災地食料支援の対応もされており、習志野市の物流会社の要請に応える形で、2Lペットボトルの飲料水50箱を被災地に提供したそうです。こちらの物流会社とは、今後も被災地に物資を発出する際には必要物資の打診を受ける体制をとっており、被災地支援を継続して実施できるようにしているとのことです。

今回取材させていただいたフリースタイル市川のお知らせ

フリースタイル市川のフードバンク事業「いちかわフードバンクbyフリスタ」のホームページ

「いちかわフードバンクbyフリスタ」のX(旧Twitter)

https://twitter.com/fbichikawa1

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