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「なぜわたしはこんなに時間が足りないのか」【ソトガクnote/雑感と所感 #2】

ニーチェ『この人を見よ』の目次を眺めていると、「なぜわたしはこんなに賢明なのか」と書いてあるのが目に入る。それで言うと、「なぜわたしはこんなに時間が足りないのか」という問いが自ずから湧き上がりました。

昔読んだ本の中に、研究者が研究者になるための指南書があって(パラドクス?余計なお世話?という気もしますが、世の中には関連本が結構あります)、そこには、風呂を沸かしている間も書く! 料理をしている最中も書く! いついかなるときも論文を書き続けるべし! 書く場所も書斎に限定しない! 簡易な椅子を持ってきて常にいつでも書き続けなさい!とマッチョなことが羅列してあり、とはいえ、ほんとその通りだなと思った記憶があります。やはり、「書く時間」「読む時間」は意図的に作り出さねばならないということであり、あらゆる全ての研究者にとっての悩みの種なのだと思います。
他の方々は一体どうやってそのような作業時間を捻出しているのか、一体どのくらいの時間を実際に確保できているのかということは前々から気になっていて、いずれ実際にインタビューしてみたいとも思っているのですが、せっかくなので、かくいう自分自身はどうなのかと、ここで振り返ってみようと思います。

  • 平日は、お子たちの起床時間に合わせて、大体6時半に起床、朝食を摂り、歯を磨き、服を着替えて、8時くらいに彼らを見送る。

  • そこから、洗濯物をベランダに干し、基本的にポッドキャストをイヤホンで聴きながら、布団をたたみ、残った洗い物を片付け、体力が許せば部屋を片付けて掃除機をあてる(ちなみに、掃除機やパーマを「あてる」というのは関西弁だそうです。今調べました)。これで大体9時くらいになっている。

  • コーヒーを淹れて自室に戻り、そこから、返信せねばならないメールを返す、講座・ゼミのリマインドをする、講座・ゼミの告知の準備(ポスター作り、カレンダー書き込み、Peatix、ホームページ、ストアカの設定etc…)をできる限り進める。会計処理を行う(ただしいつも中途半端。なので確定申告時に困る)。そうこうしていると、大体10時半(今これを書いているのもこれくらいの時間)。

  • 午後から非常勤がある場合は、当日使う資料(レジュメ、パワポ)の最終確認、明日・明後日あたりにある講座・ゼミの準備(レジュメ作り、本読み)をする(個人指導が入っている場合は、大体、10時から11時半まで)。

  • 気がつけば12時過ぎとなり、一旦作業を中断して、ささっとお昼ご飯を支度して食べる。13時くらいに自室に戻り、講座・ゼミの準備の続き。

  • 気がつけば、14時になっているので、そこから幼稚園にお子を迎えに行く。家に帰り着いて15時くらい。同じくらいの時間に小学生組も帰宅。

  • 平日に野球の練習がある日は、16時過ぎに車を出す(なので、出発するまでの小一時間くらいは作業の続きができる)。

  • 17時過ぎに一旦家に戻って夕食の準備、気がつくと18時過ぎとなって野球のお子たちを迎えに行く時間(やり方が下手なのか、夕食の準備に結構時間がかかる。ただしその分ポッドキャストがたくさん聴ける)。

  • 19時にみんなで帰宅。そこから夕食。食事が終わり次第、お子たちをお風呂に入れる。

  • 21時にお子たちを寝かしつけ。哲学思考ゼミが大体毎日22時からあるので、毎晩、スマホのアラームをかけてお子たちと共に布団で21時26分まで仮眠(もはや、iPhoneの方から「アラームセットしましょうか」とお声がけしてくれます)。

  • 起きてコーヒーを淹れて、自室へ戻り、22時から23時半までゼミ。

  • ゼミが終わり、一旦、リビングに戻り、テレビでYouTubeを見ながら休憩(結構長く1時間〜2時間くらいぼーっと見てしまう)。ここで気力と体力が尽きた場合は、着替えてそのまま布団に入って就寝。気力が残っている場合、あるいは、絶対にやらねばならないこと、終わらせねばならないことがある場合には、深夜1時くらいに自室に戻って、大体、深夜3時くらいまで作業してから就寝。

というのが基本的な平日のスケジュールかと思います。こうして見ると、明らかにゼミ終わりのYouTubeを見ている時間がもったいない(そして、せめてウォッチリストに入っている映画を見ろよと思うのですが、なかなか…)。ゼミや講座終わりは、どうもアドレナリンが出ているせいか、頭を切り替えて別の作業や読書に向かうのがどうしても難しい…。パッと切り替えて、直ちに行動すれば、寝るまでの時間は確保可能。こうなると弱い意志との戦いです。
もはや本を家で読むタイミングはほぼなく、非常勤があるときの行き帰りの電車・バス内で読むしかありません(というか、それがとても楽しみ)。書く時間は、こうして見ると、個人指導のない平日の10時半から12時までが確保可能かと思います。とはいえ、実際は、この時間に自分の書くべきもの(書きたいもの)、読むべきもの(読みたいもの)に充てることは、やるべき仕事量を考えるとほぼほぼできない、というのが現状でしょうか。

この文章を書き始めて今25分くらいかかっていますが、これに手を入れて、推敲して、アップすると11時半過ぎになりもうお昼になります(実際、一回頭から読みつつ書き直して今11時11分、再度推敲して今、11時28分です。多分それくらいになりそう)。

***
あぁ、シモーヌ・ヴェイユのテキストを原著でゆっくり読みたい、と今朝考えていたのを思い出しました。冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ』(岩波現代文庫)が最近文庫になって再版されたので、こちらを再読しつつあります。

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