スポーツ外傷・障害の評価 視診・触診編
こんにちは、でぐのぶ(@Degunobu)です!
前回の問診編に続いて今回は視診・触診編です。
視診で何を見ているか
腫れや変色である炎症の5大兆候はもちろんですが、そこから一歩踏み込んでもう少し僕が観察するポイントをお伝えします。
・変形
変形がある場合は骨折や脱臼が疑われるので、もうサイドラインやトレーナールームでは対処できず、病院に送る必要がある場合がほとんどです。
patellar fractureと画像検索すると明らかに異常事態が起こっている画像が見れます。
・顔色
顔色を見ることでどれくらい痛いかが何となくわかると思います。
また顔面蒼白でショックを起こしそうなど、それなりの怪我を起こしたときは特に気をつけます。
またこの夏(最近は毎夏)話題になった熱中症を評価する際にも顔色は一つの指標になると思います。
・動作
動作と言うのは、こわばりや代償が主です。
例えば首の寝違えを起こした朝は、痛い方向に首だけを曲げれずに身体ごと捻ることがありますよね。
グランドレベルなら痛めたところを抑えますよね。膝痛めてるのに、肘抑えている人はいないですよね。
アスレティックトレーナーに会いに来る時に、腕を支えていると上半身に問題があるなと推測できます。
また慢性障害の場合は悪い動きの癖があるはずなので、それを探します。
パーソナルトレーニングのクライアントを見る時も、これはよく観察しています。
・その他
姿勢、マルアライメント(アーチ、Qアングル等々)、筋肥大、筋委縮、皮膚の状態なんかも評価に役立ちます。
姿勢やマルアライメントは慢性障害の場合に特に詳しくチェックしています。
筋肥大や筋委縮も重要です。
膝を痛めて腫れると内側広筋あたりはげっそりします。
またアメリカで実習している時にムキムキのソフトボール選手が腕のしびれを訴えていた時、筋肉あり過ぎて胸郭出口症候群になっているのかなと考えたこともあります。
皮膚に関しては、アメリカは日本より不潔(笑)だったのかもしれませんが、日本では見たことなかったような皮膚病にたびたび出会いました。
それ以外でも寒冷蕁麻疹や、熱中症での皮膚の状態など、皮膚の異常も忘れずにチェックしましょう。
触診について
触診では実際に触ってみることで、構造的なダメージを探していきます。
触診の順番は骨、靭帯、筋肉って言うのが、常だと思います。
これは重症度が高い順番ですね。また遠位から近位へと痛みのない方から触診するのも一つの方法です。優しさですね。
触診のポイントは解剖をしっかり学ぶことにつきます。
自分が何を触診しようと思っているのか、それがどこにあるのかを理解していないと難しいですよね。
筋に起始停止(始まりと終わり)があることは、僕のノートを読んでくれている皆さんなら御存知だと思いますが、靭帯にも起止や停止があります。
靭帯の名前は付着している骨の名前で、そこに始まりと終わりがあります。
そのため、靭帯や筋を触診するにはまず骨なんです。
骨の隆起部(bony prominence)をマスターしましょう。
あとは触診の方法が重要です。
例えば、手の舟状骨です。これは親指を握りこんで、手首を尺屈した状態にすると触診しやすいですよね。
こんな感じでポイントを抑えるのが上手な触診に繋がります。
最後に、触診で一番大事なことは練習です!
いろんな人種、性別、体型で触る感じが全然違うと思います。
これっばかりはセンスとかではなく、練習だと思うので、上に挙げた骨の場所や触り方を意識しながら練習してみてください。
まとめ
視診は何が異常なのかということを知っておく必要があります。
それを知ったうえで今回上げた内容を見てもらえば、いつもは見えていないものが見えるかもしれません。
触診で大事なことは丁寧さです。触る角度とかも含めてです。
アダムタッチ(フェザータッチ)が流行ったように、触り方はとても大事なのです。
怪我した直後なんかはどこを触っても痛みがあることが多いですし、ここで雑に強く触ったりすると相手に恨まれますよ(笑)。
では次回はROM編をよろしくお願いします!
実際に僕にやり方を学びたい方がいらっしゃったら、以下のHPからお問い合わせ頂ければ幸いです。
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