John coltrane「a love supreme」

ジョンコルトレーンと言えばマイルス、ビルエヴァンスとともに「ジャズ界の巨人」の1人とされている、自分もジャズを聴く以前から名前は知っていた、なのでジョンコルトレーンという人のジャズは初心者向きなのかと思ったが、初心者向きどころか、「初心者が手を出してはいけないジャズ」だと知った。 

なぜ初心者が手を出してはいけないかというとコルトレーンのジャズは小難しい思想をぶち込んだ音楽性なので「重い」のである。「スピリアルジャズ」ともいわれるジャズで取っ付きにくい面がある。(しかし後で書くが自分はこの要素が気に入ったのである)

日本ではピアノトリオがよく売れているらしいが、なんとなく癒される感じが受け入れられる理由なのかもしれないが、それとは全く違うジャズであり、大袈裟にいうと聴く側にも覚悟のいる音楽性なのである。

更にコルトレーンはセシルテイラーやオーネットコールマンのようなフリージャズをやっていたのである、かなりサウンドが混沌とした「ハードコアなジャズ」をやっていたのだった。(因みにコルトレーンがフリージャズを演奏したアルバムは次作の「アセンション」だがこれは聴いてみたい)

「ジャズ初心者の自分がそんなの聴けるわけないだろう」と思ったが、聴けないどころか、コルトレーンの「a love superme」はっきり言って今まで聴いたジャズの中でかなり上位に入る、ビルエヴァンスの「waltz for Debby」とは全く違良さがある。

さっき「スピリアルジャズ」と書いたがこのアルバムはその要素がかっこいいのである。

まずは曲名を見る。

1.承認
2.決意
3追求
4賛美

…曲名だけ見ると「なんだこりゃ」となるが、聴いてみるとハードバップでパラパラやっているだけでなく、各楽器の入りどころ、フレーズが絶妙なのである。「承認」でコルトレーンが「a love supreme」と何度か呟いた後ベースだけのフレーズになるところだが、普通のジャズでない「何か」を感じてしまう。

「決意」「賛美」の初めのベース「追求」の初めのドラムもかっこいい、作品全体の「重さ」がリスナーを遠ざける理由だとあるが、むしろその「重さ」がいいのだ、自分は音楽理論がわからないので専門用語で説明することができないが。

「賛美」の初めのベースが終わり各楽器が入る時「スピリチュアルジャズ」と言われる理由がわかる、「賛美」という曲がそれを体現している気がする。そしてこの曲のラストはマジでかっこいい、特にドラムだ、自分がこの曲を聴いた時「多分自分は「a love supreme」というアルバムを一生聴くかもしれない」と思った。

周りのミュージシャンはマッコイタイナー(p)ジミーギャリソン(b)エルヴィンジョーンズ(ds)だが周りのミュージシャンもコルトレーンのやりたいジャズを理解して演奏しているような気がする、全ての楽器の演奏が良いのだ。

そしてなんとなく思ったのはこのアルバムはロックをやっている人にも影響を与えてプログレッシブロックというジャンルを生み出したのかもしれない。ピンクフロイドやキングクリムゾンがファーストアルバムを発売する前だ。

「自己の音楽性を追求している感」がいい「ジャズの殉教者」と言われる由縁が分かったのである。

こんなかっこいいジャズをやっていたとは思わなかった。

ジョンコルトレーンという人がなぜジャズ界の中で神格化されているのか、なんとなく分かった気がする。

とりあえずコルトレーンの「a love superme」は自分の中でジャズの中では殿堂入りの一枚だと思う。

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