【詩】折り鶴
今日もおばあちゃんと折り紙で鶴を折る
最初に三角に折るところから
おばあちゃんは折り方を忘れてつまづいてしまう
だからまた折り方を教える
だめだねえ
弱々しく笑うおばあちゃん
毎日折れば覚えていくよ
そう言うと
おばあちゃんは笑みのまま黙って三角に折った
毎日鶴を折りながら
お母さんが産まれた時のことを
昨日のことのように繰り返し話す
鶴が出来上がると
若いおじいちゃんの写真のそばに置いていく
もうだいぶ沢山になって積み上がっていた
もう少し増えたら糸で吊そうか
そう言うと
おばあちゃんは笑みのまま黙ってお茶を飲んだ