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詩を、書きます X:@umi1198917 現代詩フォーラムでも投稿しています https://po-m.com/forum/

最近の記事

【詩】待ちぼうけ

陽が暮れて 街灯が照らす ベンチにポツン もう来ない 来るかもしれない 動けずに 待てば待つほど 暗がりに浮かび上がる

    • 【詩】夏祭り

      帯の背中に団扇を挿して 下駄を鳴らす 屋台が並ぶ道は 人が溢れて賑やか すみません、 ぶつかった人を見上げて 耳の先まで熱くなる 先輩、 よぉ、と言って 和かな所作でリンゴ飴をくれた え、あ、 ありがとうございます とは言えなかった 先輩の横から綺麗な女の人 真っ直ぐ見つめられて 俯いてしまった 先輩はまたな、と行ってしまう 先輩と手を繋いでいる女の人 二人の後ろ姿は あっという間に人混みに隠れて リンゴ飴を握りしめたまま しばらく立ち尽くしていた

      • 【詩】歯医者の日

        診察券と保険証を出して 呼ばれるまでソワソワ 定期検診だから怖くない そう思ってもドキドキ 歯茎の隅から隅まで 器具で突かれチクチク 歯茎チェックはOK 次は歯のクリーニング キーンキュルキュル 背筋がゾワゾワ 痛くないのに 涙目になる

        • 【詩】夏休み

          空にはモクモクと山のように雲が聳え 熱風に包まれる 公園でバットがボールを打つ音 子供たちのはしゃぐ声 蝉がミーンミーンと伸びやかに鳴いている

        【詩】待ちぼうけ

          【詩】消極的に待つ朝

          まだ来ぬ明日の光景 描くことができずに 布団に沈んでゆく 何度も目覚めて 夜の長さ 静けさに 孤独がピン留めされて 寝返り寝返り 消極的に待つ朝

          【詩】消極的に待つ朝

          【詩】リーダー

          持って生まれた器 雨が降ると すぐに溢れてしまう ずっと頑張ってる 自分より仲間のこと 上手くいかないこと 責任は私にある すみません、すみません だからすまない 期待は重くて 息を吐いたら窒息しそう 呼吸をしたい 屈託なく笑いたい すみません、すみません そしてすまなかった

          【詩】リーダー

          【詩】鬱屈

          誰かが扉を叩くのが怖い 締め切って 薄暗い部屋に根を張る 眠る度に見る夢は 誰にも見せられない私 目は腫れて 湿った毛布を手放せない 黒い枝葉ばかりが育ってゆく 扉は叩かないで でもそこにいて 誰か

          【詩】鬱屈

          【詩】SN

          人海の波に揉まれ 迷子になる 波浪 波浪 他人の岸辺は 良く見える 真珠を握りしめたまま 波浪 波浪 飲み込まれ 藻屑となる

          【詩】SN

          【詩】柔らかな手

          柔らかな手が 流し台の周りで 流れるような 仕草 トントン まな板が鳴る 目覚めた 部屋の天井 シンとしていた

          【詩】柔らかな手

          【詩】鳥と歌う

          時折 窓の外にやってくる 小さな鳥 カーテンごしのシルエット じっと佇んでいる 窓を開け放って 歌っていると 鳴き声が聞こえる 歌うのをやめると 静かになる 再び歌うと囀りはじめる 鳥と歌う 心のともだち 小さなエナジー

          【詩】鳥と歌う

          【詩】BASE

          夕暮れ 道を失った 木々の間を歩く コンパスは狂い 足はもつれ 命の行方も危うい 計画も装備もなく 闇雲に動いて 葉先で皮膚を切り 悲鳴をあげる 闇が迫り 足音だけが響く頃 灯火ちらり 一縷の望みと走馬灯 近づくにつれ 炎 人の声 「助けて」 振り絞り 倒れ 薄れゆく意識の中 駆け寄る音 まばゆい光を見た

          【詩】BASE

          【詩】鏡の中の私

          歯を磨きながら 鏡に映る顔を見つめる 可哀想な感じの眉毛 嗚呼 私は困っているのか 鏡の中の私が 助けを求めている どうすればいい? 頭の中は真っ白 眉毛は益々可哀想な感じになった

          【詩】鏡の中の私

          【詩】SF

          電車に揺られ 意識はスマホの向こう ふと周りを見渡せば 殆どの人は抜け殻のよう みんなどこにいるのだろう 僕は仮想世界にいる時 ポジティブになれて 生きてる感じがする 肉体を持たない生命体X 生きづらい現実から 異次元へワープ 安全基地で羽を伸ばす 降車駅へ電車が滑り込んでゆく 人々に押されるようにして 残酷な日常に放り出される

          【詩】SF

          【詩】ユリア

          逃げても逃げても袋小路 道を見失い 立ち止まれば 迫り来る影 時間は命と共に溶けてゆく 私は幼い私を抱きしめた どこかから聞こえる 懐かしい音色 胸の中に広がる 愛の歌

          【詩】ユリア

          【詩】思い

          全員揃って和やかなムード それはもう過去のほんの刹那 二度とない瞬間には 何も思うことがなかった 振り返って初めて思う もっと もっと こう ああ すれば よかった 残された者で再編成 少し広くなった家 思いも広げて きっと馴染んでゆく

          【詩】思い

          【詩】在る糸

          何本もの糸を断ち切ってきた中 僅かに残った繋がりの糸 距離は遠く長い 在るという充分 困難で苦しんだ時 在る糸に震えが伝播し 彼方から戻る波動を握る この手に勇気の熱が湧く

          【詩】在る糸