二本柳凛

脳内に文字が日々落ちて溜まって、それを吐き出したものが物語になります。某声優事務所のマ…

二本柳凛

脳内に文字が日々落ちて溜まって、それを吐き出したものが物語になります。某声優事務所のマネージャー。表示名はペンネーム。物語だけでなくつぶやきもするかも。note初心者なのでいろいろ覚えていきたいと思います。

最近の記事

創作大賞の中間発表

創作大賞の中間発表がありまして、残念ながら落ちました💦 通過した方々、ひとまずおめでとうございます! 残念ながら通過できなかった方々、ともに精進しましょう! 今回は初めての試みながら、締め切り間違えたり、タイトル途中から変わってしまっていたり(汗)、トップ画像作っていないとかXのアカウント作ってみたけど使っていなかったりと、まぁいろいろありました。 今回の途中結果を受けて、考えることもありましたし、これを機会にもっと書きたいものを自由に書いてみようかなと思える程度には気持ち

    • 小説大賞の募集を知ったのが7/12でした。頭の中は〆切まで全然ないじゃん!って感じで、慌ててアップロード。 2年前に書いたものを少し書き直して7/13.14で仕上げたわけですが、皆さん素敵なイラストとかどこで見つけているのでしょうか。 参考までに教えていただけますと幸いです。

      • 「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第10話

        第10話 エピローグ二か月後、退院した光明は松葉杖をついた状態で新宿にある事務所、桜花月夜の扉の前にいた。 心臓の鼓動が高鳴る。 「はあああああ、すううう」 深呼吸をしてから、ドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。カチリと音が鳴り、ドアを開くと、そこには五十代に見える髪の長い女性が立っていた。 「おはようございます。あなたが、二本柳光明君ね」 「はい、おはようございます! あらためまして、二本柳光明です。よろしくお願いします」  光明は深々と頭を下げた。 「はい、よろしくね

        • 「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第9話

          第9話 レッスン⑧光明は遠くから聞こえてくる声で目を覚ました。 頬に涙の跡がある。 顔をタオルで乱雑に拭うと、聞こえてくる声のほうに意識を向けた。 「おーい、聞こえるかー」楓の声だ。 「か、楓さん! おはようございます!」 「なんだよ、ちょっと声が聞こえなくなったと思ったけど、ちゃんと意思の疎通はできるようだな」 「さっきはどうしたんですか。急に声が聞こえなくなって、呼びかけても反応がないし」 「ごめんごめん、ちょっと意識が遠くなって、気づいたから呼びかけてみたんだけど、そん

        創作大賞の中間発表

        • 小説大賞の募集を知ったのが7/12でした。頭の中は〆切まで全然ないじゃん!って感じで、慌ててアップロード。 2年前に書いたものを少し書き直して7/13.14で仕上げたわけですが、皆さん素敵なイラストとかどこで見つけているのでしょうか。 参考までに教えていただけますと幸いです。

        • 「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第10話

        • 「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第9話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第8話

          第8話 レッスン⑦楓は光明に声をかけた。 「なあ、光明。事務所が新人に期待することってなんだと思う?」 「即戦力とか、伸びしろみたいなものですか?」 「そうだな、即戦力になる人材がいればいいんだけど、そんな人材なんてそうそういるもんじゃない」 「じゃあ、ハードルが高いですね」 「即戦力になる人材で考えると正直難しいよ。でも、各事務所はなんだかんだ養成所から採用をするんだ」 「伸びしろがあるからってことだからですね?」 「そういう場合もあるけど、養成所もビジネスだからな。でも、

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第8話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第7話

          第7話 レッスン⑥光明の選んだセリフは次のようなものだった。 下記文章の主人公、雲(うん)を演じること。 【概略】 太公望に殺されたはずの放蕩息子、雲(うん)は、殺される四年前へと生きかえった。雲は再び殺されないようにするために、自堕落な生き方を変え、生き残るために武功を鍛え、太公望と戦わなくてすむような立ち回りをするのだが、結果として目立ちたくないのに成果を挙げ続け、次期教主である兄の真(しん)の協力者として認められるまでになる。そして、真とともに教主のもとに呼び出された

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第7話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第6話

          第6話 レッスン⑤早朝に不穏な夢を見て目を覚ました光明は、楓に呼びかけた。 「楓さん、楓さん! おはようございます!」 「ん? どうした」 「あ、良かった」 「なんだよ、良かったって。ここにいるんだから良かったと言われてもな」 「ああ、すいません! でも、こうして意思疎通ができている間は楓さんの肉体は生きてるってことだと思うので、安心しました!」 「ああ、まぁ、そうだな。心配してくれてありがとうな」 「それで、早朝ですけど、すぐにでもレッスンをお願いできますか」 「はっは、良

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第6話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第5話

          第5話 レッスン④「光明、次の原稿はどんなものだ?」 「えっと、これなんか良いと思うんですけど、どうでしょうか」 そう言って光明が読んだ原稿は次のようなものだった。 婚約中の恋人の失踪により、生きる気力を失った橘雫(たちばなしずく) 彼女の心を埋め尽くすのは『死』のみだった 深夜に見つけたインターネット掲示板で知った、 心から死を望む者にのみ見つけることができ、 入ることが許されるバー『黄昏倶楽部(たそがれくらぶ)』 雫はまるで呼ばれているかのように、この店と出会うのだった

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第5話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第4話

          第4話 レッスン③光明が読み直したナレーションは、決して上手くはないが、相手のことを考えていることが伝わるものになっているように感じた。 「楓さん、なんか、さっき読んだものとは全然違うような気がしました!」 「うんうん、俺もそう思うよ」 「これを練習すれば良い感じですね!」 「まぁ、そうなんだけど、もっと良くなる考え方もあると言ったらどうする?」 「ぜひ教えてください!」 「よし、じゃあ、同じ原稿を使って、名詞を意識的にもっと大事にしてみようと思って読んでみようか」 「名詞

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第4話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第3話

          第3話 レッスン②夜になり、ノートPCが光明のもとに届くと、メールを立ち上げてオーディションの原稿をチェックする。 時刻は二十時を少し回ったところだったが、楓に呼びかけると、楓はすぐに反応した。 「光明、それじゃあ、ナレーションについてだ。ここからはすごく大事なことだから、しっかり考える、メモを取る、そして実践する、この三つをちゃんとやるようにすることが重要だからな」 「はい、心してやります!」 「よし、それじゃあ、原稿を一つ読んでもらおうかな。できることならば、これから読

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第3話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第2話

          第2話 レッスン①二本柳光明は目を開けると、白い天井タイルが目に入ってきた。 あらためて病室に寝かされていることを認識した。 医師によれば、右腕と右足の骨折以外はさほど大きなけがはなかった。 「東大寺さん、おはようございます。聞こえますか」小声で声に出す。 楓のいる空間は様変わりしていた。十畳ほどの部屋ができており、ベッドにテーブル、ソファが配置され、Tシャツにジーパン姿でソファに座ってオレンジジュースを飲んでいる。そこに光明の声が響き渡る。 「おお、おはよう。起きたか」

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第2話

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第1話

          あらすじ東大寺楓が目を覚ますと不思議な空間にいた。投身自殺を試みた二本柳光明のビルの落下先にいたのが東大寺楓で、生死をさまよう肉体とは別に、精神の世界で二人は出会った。 声優の養成所試験を前に、自分の実力を悲観している光明と瀕死の重傷を負った声優事務所マネージャーの楓。光明は意識の回復を見せるものの、楓の肉体は意識不明の重体のまま。精神の世界で楓はいらだちを募らせるものの結局、光明のために声優・ナレーターにとって大事だと思える考え方などをマネージャーの視点から、サンプル原稿を

          「俺は訳あって声優になりたい奴の手伝いをしなければいけなくなった」第1話