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ロビンフッドから学ぶ流動性と価格乱高下への注意

資産運用や投資について勉強している方なら、「流動性」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。流動性とは、資産や市場の取引性や流通性を表す指標です。具体的には、ある資産や商品がどれだけ迅速かつ容易に取引可能かを示します。

流動性の高い資産や市場では、多くの取引が行われるため、売り手と買い手が容易に出会い、価格の変動が比較的小さくなります。一方、流動性の低い資産や市場では、取引が制限されているため、売り手や買い手を見つけるのが難しく、突発的に価格が変動することがあります。

本記事では、ロビンフッドGamestop事件という二つのテーマを扱って、流動性と価格変動について解説していきます!

そもそもロビンフッドって?

ロビンフッド(Robinhood)は、アメリカのフィンテック企業であり、同社が提供する証券取引アプリの名称です。

ロビンフッドは、証券投資への参入ハードルが高かった米国市場にて、手数料が割安であることなどから小口投資家に向けて投資への門戸を開いたと言われています。個人投資家向けに証券売買アプリを提供しており、ミレニアル世代を中心に人気が高いと言われています。

なぜロビンフッドは話題になった?

ロビンフッドが日本で有名になったのは、Gamestop事件という証券に関する事件がきっかけと考えられます。

GameStop事件は、2021年1月にアメリカの株式市場で起こった、個人投資家たちがショートを宣言したヘッジファンドたちに対してGameStop株を買いあさり、株価をつり上げた事件です。この事件は、海外の掲示板「Reddit」のフォーラム「WallStreetBets(WSB)」というユーザグループが主導し、ロビンフッドの利用者(ロビンフッダー)の個人投資家たちが参加しました。この事件によって、ヘッジファンドたちは多額の損失を被り、一方で個人投資家たちは大きな利益を得ました。ロビンフッドは、この事件において、一時的にGameStop株の売買を制限するなどの措置を取り、批判を浴びました。

GameStop株の取引制限後、ロビンフッドのユーザーは、取引制限に対して不満を持ち、SNSなどで批判を表明しました。ロビンフッドのCEOは、議会での公聴会で取引制限について謝罪し、今後は同様の措置を取らないことを約束しました。一方で、ロビンフッドのユーザーたちの中には、同社が取引制限を行ったことで、ヘッジファンドたちに対して勝利を収めたという意見もありました。

この事件は、個人投資家の力が増し、突発的な過熱感によって価格への影響力があることを示しているとして注目を集めました。

暗号資産も取引できる!

ロビンフッドでは、株式やETF、オプションに加え、暗号資産の取引も可能です。ロビンフッドは、2021年に暗号資産取引機能を追加し、ビットコイン、イーサリアム、ライトコインなどの主要な暗号資産を取り扱っています。

しかし先日、SEC(米国証券取引委員会)がBinanceとCoinbaseが提訴して数日後、ロビンフッドはエイダコイン(ADA)・ソル(SOL)・マティック(MATIC)の上場廃止を発表しました。

既存金融と比べて、暗号資産に投資しているのは個人投資家が多いとされており、個人投資家から人気を集めるロビンフッドによるディリストが悪材料として捉えられ、その他の要因とも重なって上記3銘柄は大幅な価格下落を記録しました。


引用:TradingView

ロビンフッドと市場価格への影響

このように、株であれ暗号資産であれ、流動性の小さい金融商品は個人投資家や一企業の動向によって大きく市場価格に影響を受けます。

GameStopが「ミーム株(流行り株)」と呼ばれるように、暗号資産にもミームコインと呼ばれる銘柄が複数存在します。

これらの銘柄は有名人の発言や小さなファンダメンタルズで大きな値動きを見せます。

マクロな要素を追うだけでは突発的な出来事で大きく損を被ってしまう可能性がある為、流動性の低い銘柄に投資する際は十分に気をつけましょう

流動性が低い銘柄に投資する際の注意点

GameStop事件やロビンフッドのディリストによる価格下落の例で見てきたように、流動性が低い銘柄は思った通りの値段で売買できない可能性があるため、投資する際には注意が必要です。

値動きが激しい為、投資妙味があるように感じられることもありますが、相応のリスクも伴うことを常に意識しておきましょう。

DeFimansブログでは、これからもニュースを取り上げた解説記事を公開していきますので、まだフォローされていない方はぜひフォローいただけますと嬉しいです!

(勉強会:北野、文:いくら)

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