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【データ分析】バルセロナのいままでをパスソナーから視てみる【La Liga】

前回の記事はこちらから。レオ・メッシのイベントデータを用いて基礎集計と可視化を行いました。

第2弾の今回は、タイトルにもあるように流行りのパスソナー図を、バルセロナのイベントデータを用いて可視化してみたいと思います。詳細はSPLYZAさんのオウンドメディアであるSportsAnalyticsLabのこちらの記事にお任せします。また、自作のための素晴らしいWebアプリケーションは、@jun_kanomataさんがこちらで公開されています。

ということで、以下の目次にてパスソナー図の可視化結果と、それに対する考察を行いたいと思います。

1. 10/11シーズン バルセロナ 5-0 レアル・マドリード

こちらの試合のマッチレポートはこちら。そしてパスソナー図の可視化結果は以下になっています。(攻撃方向は両チームともに右方向

※ 注 : パスの本数を意味するバーの長さは、両チームで同値ではありません。これをあわせてしまうと、バルサのパスの本数に対して、レアルのものが少ないため、傾向がつぶれてしまう

バルセロナ
・他のゾーンでのパスの傾向がつぶれるほどの、ゾーン2(中央)での圧倒的なパス本数
・ゾーン2において左サイドと比べて、右サイドから前進するパスが少ない
・ゾーン2後方、左ハーフスペースからのパスの本数が多く、またレンジも長い(イニエスタ→ペドロの裏抜け?)

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レアル・マドリード
・最多のパス本数を記録したのは、自陣深く中央のエリアの前方向 = 攻め込まれて蹴っ飛ばすけ?
・バルセロナと比較して、中央でのパス交換が少ない
・ゾーン1は外側へ、ゾーン2〜3は中央へのパスソナーが目立つ = 相手SBへ走るディ・マリアとクリロナへのロングパスと、そこからのクロスという攻撃ルートが想像できる

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2. フェーズごとに分割してパスソナー図

次はstatsbombによってデータが取得できているシーズンを、恣意的に5つのフェーズに分割してパスソナー図として可視化してみました。こちらも上記同様に、「攻撃方向は右方向」、「棒グラフの長さは図の間で同値でない」という図になっています。

04/05~06/07シーズン(ロナウジーニョ、エトー、メッシ:ライカールト)
・このフェーズ以降のパスソナー図と比較して顕著なのは、自陣中央でのパス本数の多さ(全体のパス本数のうち)

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07/08~09/10シーズン(アンリ、エトー、メッシ:ライカールト→ペップ)
・自陣中央での横方向へのパスが、上のフェーズと比較して増えた = 後方からのビルドアップの確立

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10/11~12/13シーズン(ビジャ、メッシ、ペドロ:ペップ→ビラノバ)
・他のフェーズと比較すると、パスソナー図の色が暗いことから、ショートパスが多くなったことがわかる。

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13/14シーズン(マルティーノ)
・不調だったシーズンであったが、パスソナー図上では前フェーズと変わらず

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14/15~15/16シーズン(ネイマール、スアレス、メッシ)
・前の2つのフェーズと比較して、パスの方向における傾向に関しては変化なし
・しかしながら、ゾーン2の色が明るくなっていることから、パスのレンジが長くなっていることが確認できた = ネイマールやスアレスを活かす攻撃ルート

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最後に上の5つのフェーズごとのパスソナー図をアニメーション化してみました。上記の考察とあわせてご確認ください。

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3. まとめと今後の展望

今回はstatsbombのデータを用いて、バルセロナのパスソナー図を、試合ごと / フェーズごとにまとめて可視化してみました。個人的な感想としては、1つの図に載せることができる情報が増えた反面、共有したい情報が伝えずらくなった印象です。(自分のスキル不足?)そうはいっても、データから得られる要約情報を綺麗に可視化できるフレームワークは素晴らしいなと改めて。以前に成果として出したボール保持力・奪取力マップのように、次は自らのアイデアで可視化方法を開発したいものです。

#データ分析 #ビジュアライゼーション #バルセロナ #サッカー #メッシ #スポーツデータ解析 #スポーツアナリティクス


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