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飛田新地の撮影が一年にたった2日間だけ許されるという「夏祭り」とはどのようなものなのか

大阪市西成区にある「飛田新地」。明治45(1912)年にミナミの大火で焼け出された難波新地乙部遊郭が移転して大正5(1916)年に開かれた飛田遊郭が前身で、戦後の売防法施行後も非公然の現役地帯として平成の世に生き続けている日本国内でも稀有な存在となっている。

※Youtube動画「飛田遊郭」より

これまでタブー中のタブーで、その内情は「知る人ぞ知る」的なものだったのが近年になって飛田新地を取材したライターの書籍が出版されたり、インターネットとカメラ付き携帯電話の普及で「撮影禁止」の決まりがある新地の中をこっそり撮影したり、または内部事情をネット上にレポートしたりという者が増え、なし崩し的にタブー性が薄れつつある。

タブーに包まれた飛田新地の中に足を踏み入れ取材を続けてきた井上理津子氏の書籍「さいごの色街 飛田」の168ページを開くと、「撮影禁止」の堅い掟があるこの街にも例外的に1年に2日だけ写真撮影が許される日があると記されている。大阪を代表する夏の風物詩、日本三大祭りの一つに数えられる「天神祭」が執り行われる7月24日、25日の2日間、この街で行われる「こども夏まつり」の日だ。

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