見出し画像

【うちなーぬ団地】あの超有名国民的歌手が育った街…那覇市首里石嶺町の市営住宅「石嶺団地」を歩く

周囲を海に囲まれ、日本列島と中華圏に挟まれた沖縄県特有の事情の一つが“貧困問題”…未だに全国最下位レベルの所得の低さ、離婚率の高さ、子供の貧困率の高さといったマイナス要素の数々が取り沙汰されている。

大阪ベイエリアの貧民窟出身である当方のような者にとっては、海を超えて“内地”へと生活の場を求めてやってきたであろう先祖を持つ沖縄県出身者は幼少期の記憶から刷り込まれるかのように存在していた。小中学生時代にクラスに何人かは沖縄苗字の奴がいたのを覚えている。ベイエリアの市営住宅だとか、かつて琉球スラムが形成されていた大阪市大正区のような土地で生活の場を共にしていたのだ。

なので「沖縄」「団地」といったキーワードは当方の原風景の一つとして、興味の対象から外れる事はない。大阪から見ればはるか彼方の“美ら島”と、かつての生活の場だった地元の貧乏人だらけの団地は表裏一体の存在だ。故に沖縄に足を運んだ時は事ある毎に現地の団地を見物に行ったりするのもライフワークの一環として続けている。

取材当時は建設工事中だったゆいレール延伸部。石嶺駅の近くにある団地にやってきました

それで今回訪ねたのは那覇市のギリギリ市内にある「首里石嶺町」という地域である。ここに那覇市内屈指の規模を持つ公営住宅群が連なる「石嶺団地」という場所があって、ここは今では引退してしまったものの、かつては日本の芸能界に留まらず世界的な知名度を誇り、今も生ける伝説の歌姫として沖縄県民に熱烈に愛されている、あの“超有名国民的歌手”が幼少期を過ごした土地としてもよく知られている。

ここから先は

4,095字 / 25画像

¥ 230

引き続き当編集部の事業収益が芳しくなく、取材活動に制限が掛かっている状況ではありますが、編集部長逢阪の命ある限り執筆を止める事はございません。読者の皆様からの応援が当編集部にとって心強い励みになります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。