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豆腐を並べながら、日本人は真面目だなぁと哀しくなった。

根性無しなので、スポーツクラブより続くかもと運動不足解消のために始めた早朝の品出しバイト。週に3日、近所のスーパーで豆腐を並べている。

仕事自体は、予想外に楽しんでいる。黙々と体を動かすので、働き蟻になったみたいで、清々しいのだ。

だけど思いもしなかった理由から、早くも辞めることになりそうな気配である…。

無給の時間外労働を要求されてしまい、それに付随してなんだか哀しくなってしまったのだ。

私の契約時間は早朝3時から。日中は本業があるし、そもそもが「体を動かすこと」に目的があるので、可能な限りの最短時間、週3回×3時間のみの契約だ。

課長さんからは「5分前に来てくれたら十分だから」と言われたので、いつも10分前に現場入りしていた。

既に並べる商品が売り場の前に置いてあって、朝礼も終わっていることが多かったから、私以外の人はもっと早い時間からの契約なのかな?とおもっていた。

そしたら、みんな無給で2時半から働いていただけだった。

今朝、バイトリーダーから「ハナコさんのためにも20分前には館内に入って、15分前には始めてもらった方が、仕事を覚えられていいとおもいます」と言われた。

えええええええ。3時からの契約なのに、3時には仕事がスムーズに始められるように前準備するの? 無給で? それはおかしくないか?

この人達は、IKEAの事例を知らないのだろうか。

早朝帯はバイトで回しているので、社員も恐らく実態を知らないのではないかとおもわれる。それとも知っていて甘えているのかしら。

なんだか偉そうな物言いだけど、みんなこんなに薄給かつ時給制なのに、30分も自主サービスで働いているのかと居た堪れなくなってしまった。

メンバーの多くは社会保険に加入できないように労働時間を抑えられている上に、私のような個人事業主以外はWワークも禁止。最低賃金に時間外の割り増し手当が数百円ついただけの超薄給である。主婦が多そうだが、40代くらいの大人しそうな男性も数人いる。たぶん誰も生活は豊かじゃない気がする。

品出しって、労働力と給料の等価交換の最たる仕事だとおもう。知識や技術の向上があるわけでもないのに、労働力という唯一の交換物を、自ら無償で提供しちゃうなんて。なんて真面目で、なんて哀しいんだろうと。

労基署が入ったら一発アウトだと思うけれど、古株のバイトさんたちは疑問を持っていないようだ。隣にいたお惣菜係の人に何時に来ているのか聞いてみたら、2時半に来てタイムカードは切らずに働いているという。みんなそうしてるから早く来てねと、彼女にも言われてしまった。3時スタートじゃ開店に間に合わないね、少し早く来ましょうか、みたいなノリから始まったのかしら。

みんなが仲良くやってるところを、後からきた人間が「おかしいですよ」というのは甚だ失礼だと思うから、黙って自分も2時30分から働くか、辞めるかの二者択一かな、と。それとも、私は3時からの契約なのでと頑張るか。

どうしようかなぁ。






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