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キネティックアートウォッチ

皆様こんにちは。
DEDEGUMOスタッフYです。こちらでは公式オンラインショップの商品ページでは伝えきれないDEDEGUMO時計の魅力を掘り下げてお伝え出来たらと思います。

DEDEGUMOの時計は個性的なデザインが多いのが特徴的ですね。
文字盤の中のデザインにこだわるだけでなく、一級時計修理技能士の代表のもとで時計のメカニズムを熟知しそれを最大限駆使して「時計としての面白さ」を追求しているのも、私が働いていて「へえー!」と感動している点です。
そして、その感動が「欲しい!」になり、自腹切ってかなり沢山のDEDEGUMO時計を持っている私。。。
その中でも今回ご紹介するのがこちらです。

「キネティックアートウォッチ」

推し時計な理由

キネティックアートウォッチの文字盤は円盤型の二つの幾何学模様の針と一本のシンプルな針の組み合わせによってできており、絶え間なくモチーフが動き続けます。
一見、デジタルっぽい文字盤ですが、完全アナログな仕組みで出来ています。これが一番の推し理由。
高機能なスマートウォッチもいいけれど、アナログ、且つ日本製機械式時計でちゃんと巻いて使うという点が、今の時代、日々丁寧に生活している感じがして一層愛着が湧きます。
3日ぐらい放っておくと、止まっちゃうんですよ!
どうしようもなく手のかかる子ですが、だからこそ可愛い。
機械式なので、少し重量感があります。普段カジュアルなファッション時計をされている方は「ちょっと重いかも?」と思われるかもしれません。
TPOに応じて愛用してくださるといいかも。

「どうやって時刻を見るの?」と不思議ですが、外側の白い部分に時針としての矢印と分針としての四角の突起がありますので、それで時刻をみることができます。使っていくとこれはすぐ慣れます。

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白い中に黒い突起なので、むしろ他のDEDEGUMO時計より見やすいと個人的には思っています。
(上記はレインボーキネティックアートウォッチの場合です。白黒キネティックアートウォッチの場合は、黒地に白い突起となります)


キネティックアートウォッチ誕生物語

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(数年前に、誕生秘話はオフィシャルサイトのブログに記載したのですが、今ブログは閉鎖してしまったので改めてこちらに書きます。ブログをご覧になったことのある方は、重複内容になるかもしれませんがご了承ください。)


2014年にクラウドファンディングkickstarterで南米のキネティックアーティストPARRATOROさんが自身のキネティックアート本出版の為のプロジェクトを立ち上げました。
日頃からkickstarterでアート関係のプロジェクト支援をしている私は、この本が気に入り支援、見事目標を達成したこのプロジェクトでアート本を届けてもらいました。
それから1年も経たないうちに、時計の新作アイデアとしてPARRATOROさんのキネティックアートを時計にしたら面白いかもしれないと、代表に提案しました。
早速、PARRATOROさんにデザイン依頼をしたところすぐに快諾してくださいました。
「2つデザインください」と言った記憶ですが、たしか8案ぐらい出してくれたはず。そのパワーには本当に脱帽しました。
(インスタ動画でキネティックアートウォッチ制作のきっかけをPARRATOROさんがお話しされて私の話が出てくるのですが、スペイン語でお話しされているので全部はわかりませんでした。)

さあ、素敵デザインはある。
あとは時計に落とし込むだけ!
・・・
と思いきや、問題が。


その当時(2014~15年)、時計の針は真鍮で出来ているものが主流で、他の素材が時計のメインストリームになりうることなど予想もできませんでした。一度はトライアルで真鍮製円盤の針を作ってみたところ、重くてムーブメント駆動がだめ。円盤を小さくしてなんとか動くようにしてみたけれど、今度は文字盤内のキネティックアートのダイナミックさが失われてだめ。
代表はこのサイズで行く、と言いましたが、私は断固反対しました。
ミニチェアキネティックアート時計なんて、DEDEGUMOが目指す面白時計じゃない!
2年間ぐらいは、YES, NOの繰り返しで企画自体が頓挫しかけてしまいました。
それからしばらく経って、針のメーカーさんから針の新素材のお話があり、軽量で変形しにくく、まさにキネティックアートの為に生まれたような針素材が開発されました。
真鍮素材の何百倍ものコストがかかりましたが、ここから一気に企画がすすみ、第一弾のモノクロのキネティックアートウォッチが誕生しました。


成功と失敗と悔しさ

発売当初はあちらこちらで驚きを持って迎えられました。
香港のウォッチ&クロック展示会でも展示され、確かな手ごたえを感じました。
ところが、、、
発売して一年も経たないうちに、模様品が出回り始めました。
PARRATOROさんもこれには憤慨していました。

思い当たるのは、外国から一件の問い合わせがあったこと。
キネティックウォッチはどのムーブメントを使っているんですか?
この質問に対して、私は秘密にする必要はないと思いお応えしました。
時計に詳しい方がキネティックアートウォッチを購入すればすぐにわかることですから。
おそらく、その方は同じデザインは作れても馬力のあるムーブメントでないと時計が動かないのを知っていて手っ取り早く仕組みを知りたかったのでしょう。
それから、暫くしてその問い合わせの国の方がこの時計機構を使って同じような時計を生産、販売、しかもクラウドファンディングまでしていました。

どうして、パテント取らなかったの?と思われるかもしれませんが、デザインや仕組みのどこまでを主張すべきか難しい判断だったのと、弊社のような小さな会社の力では、パテント取得の知識と資金がとても及ばなかったのが現実です。
ファッションでも、素敵なデザインを世に出すと模倣品が出回り、なんて日常茶飯事。名声も財もあるブランドはパテント取って訴えることができますが、小さい私たちのようなところが、手元にあるお金や時間を使って出来ることは限られています。
悔しいけれど、模倣品を打ち負かすぐらい新しく追従できないほどのアイテムを生み出し続けていくしかないと思いました。
また考え方を変えてみると「動く文字盤のアナログ時計」の認知度が世界で広がってくれれば、周りめぐってDEDEGUMOのキネティックアートウォッチも知ってもらえることになるのではないかと思いました。

でも、、、正直最近はこの考えは甘いのかなとも感じています。
もっと勉強して、自分たちの商品やデザイナーさんのデザインを守ることも私たちの仕事なのではと。
デザインや作品を生み出しておられる皆さんはどう思われますか?

これからのキネはこうなる

現在のキネティックアートウォッチは白黒バージョン、白黒の懐中時計、ケースが白いホワイトバージョン、文字盤が虹色のレインボーバージョンと3パターンの販売をしています。
(ホワイトキネティックはPRICE DOWNセール中で、残念ながら在庫なくなり次第廃盤が決まっています。)


実は今、次のキネティックアートウォッチの構想があります。
コロナ禍で、キネティックアートウォッチを含めた新作の開発が遅れている状況ですが、環境が整ったら早めに新しいキネの為に動いていきたいと考えています。
(キネ=キネティックアートウォッチの社内での呼び名)
これからのキネは、いままでにないケースの形がデザインとして上がっています。もちろん、文字盤の幾何学模様も新しくなります。
私もまだ企画段階であるこのデザインにわくわくしっぱなし。
早く皆さんに見せたい!

作り手のわくわくは、作品やアイテムを通じてお客様にも伝わります。
私も作家さんの作品を購入するときは、作り手さんの気持ちが感じられるものを意識して買っています。
これは、DEDEGUMOが大切にしている点でもありますので、この気持ちを大切にこれからも商品開発にいそしんでいきたいと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
コメントも大歓迎です。宜しくお願い致します。


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