10歳にならないと奉公に出られなかったワケ(おしん)社会性について
朝の連続ドラマの最高傑作と言われる
「おしん」
外国でも反響を呼ぶほどの
人気ぶりだったNHKドラマ
おしんは、本来10歳にならないと
奉公には出れないというルールのところ
9歳で奉公に出されてしまいました。
9歳も10歳も変わりないのでは?
と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そこには確かな違いがあるのです。
発達成長には段階がある
これ、意外と知られていない知識ですが
人に限りませんが、
生き物が成長するには「段階」があります。
それは「発達成長段階」と言われています。
いや、おそらく動物に関しては
多くの方は理解をしていると思います。
しかし、こと人間に関しては、
何故か動物とは違う意識を持つ人が多いです。
うちの子は天才
あの子は天才
という意識で、天才小学生と言って
大人顔負けの能力を発揮する姿を見て
歳は関係ない、幼い子供でもやればできる。
そう思い込んでしまう嫌いがあります。
その代表的なものが
「はじめてのおつかい」
というテレビ番組だと私は思います。
人間の発達成長段階の観点から考えると
一人で外を歩き回れるようになるのは
おおよそ6歳からです。
6歳というのは、小学校に入学する歳です。
そして、自分の足で通学をするようになる歳です。
小学生になる前、幼稚園や保育園児の頃
幼児と呼ばれる年齢の頃は
自主登園はさせません。
バス通学や親御さんの送り迎えが
必ず必要になります。必ずです。
子ども本人が自分で一人で帰る
と言っても、そんなことは許してもらえません。
なぜなら、
「まだ一人で安全に行動できる年齢ではない」からです。
どんなに丁寧に教えこんでも、できない子にはできないから。
それが、小学生になると
ほとんどの子が、一人でも通学ができるようになります。
これが発達成長段階です。
テレビ「はじめてのおつかい」は
6歳に満たない幼い子供をターゲットにしています。
つまり、本来できないことを
大人の都合で、番組の都合で、
無理やりやらせているわけです。
この視点を知ってしまうと
「はじめてのおつかい」は辛くて見てられなくなります。
ドラマ「おしん」では
奉公に出すことができる年齢は
10歳になってから、と言われています。
この年齢も発達成長段階的に見ると
確かに、10歳になっていればギリギリ大丈夫かな
と思える年齢です。
9歳は、、、厳しいです。確かに無理な年齢。
できるなら、11歳、12歳
小学6年生になると、適任かと思います。
というのも
人間の成長段階では
9~10歳の頃に、社会性が芽生えてくるからです。
ギャングエイジと言われる年齢です。
9歳では社会生活、社会的な役割、責任などについて
全然理解することができない年齢です。
10歳になると、少し分かってくる年齢です。
12歳になると、自分たちだけで組織運営ができるようになります。
小学6年生になると、先生抜きでホームルームをやったり
自分たちだけで議題について話し合ったり
そういう機会が増えてくると思います。
それは、社会性がついて
自分がいて、他人がいて、大人がいて、子供がいて
と言った、立場の違いなどを理解できるようになるからです。
成長には男女差があります。
小学6年生の体格を見ていただくと分かりますが
6年生くらいだと、女子のほうが成長が進んでいることがわかります。
女子のほうが体も大きいんですね。
男女の成長が同程度に並ぶのは、14歳くらいです。
それまでは、女子のほうが男子よりも少し大人に近い
そんな状況です。
小学6年生にもなると組織運営ができるようになる
と言いましたが、女子に限って言うならば
もっと早い段階でできるようになっているでしょう。
男女差を考慮すると、
奉公に出していいのは10歳から
というルールは、
人間の発達成長段階に照らし合わせてみても
納得できるぎりぎりのルールだな、と思います。
そして、おしんが9歳で最初の奉公に出されてますが
そこで失敗してしまうのも、納得できるし
先輩の奉公人を見ても、年齢相当の仕事をしているな
と思える内容と思います。