ビットコイン底堅い!再び上昇局面となるか?
前週からの動向
ビットコイン(BTC)は大きく上昇し43,000ドルを一時超えた。FOMCに過剰な警戒感があったものの、ネガティブサプライズがなかったことで、リスクオフムードの後退に伴い米株が大幅上昇したことや、ゴールドマンサックスグループが店頭オプション取引を行ったとの報道に加え、米SEC(証券取引委員会)が延期してきた資産運用会社グレースケールが申請ビットコイン上場投資信託(ETF)に対して、「今週にも可否判断を行われる」との噂が欧米投資家を中心にSNSで広まったことが背景にある。
上値の目標では3/2の高値である520万円台とその先にある530万円台が大きく意識される位置取りとなってきた。ここからは金融緩和が終了している環境であることと、テクニカル的にショートが増えてくるため上値の重さに苦しむと予想されるが、年始から上昇期待のエネルギーは相当あるため、ショートカバーにより上昇局面に入ることを期待している投資家も多いだろう!しかしながら、この期待を裏切った場合、下落速度は早いと思われる。
下値の目標としては、2/28の安値である430万円台を割り込むと、1/24の安値380万円台が意識される環境になるため要警戒。筆者個人的には直近高値に近付いた時、一回は逆張りするなどメリハリあるトレードを行いたいと思っている。
先週号でも軽く書いたように、日本円が2016年2月以来の1ドル120円台に入るなど日米金利差を意識した円売り環境は引き続きトレードの中心になりそうだが、ここからは黒田ラインへの意識や日本サイドからの口先介入が予想されるため、ニュースのヘッドラインを受けた反応で円建ての暗号資産(仮想通貨)全般にも多少影響が出ることにご注意を!
市況情報
他金融市場もウクライナ情勢を背景にしたエネルギー価格の上昇など不確実性が高まっているが、FOMC参加者がタカ派と認知されたことは間違いないだろう。今後の利上げペースの加速が予測されるため、一部では景気後退を意識したポジション調整やポートフォリオ見直しが徐々に開始されると思われる。
原油も先週号で書いた通り再度上昇してきている。
また、ウクライナ情勢はさらに難しい局面に差し掛かっている。暗号資産やNFTなど約120億円を超える寄付が集まったり、ハイテク兵器が各国から支援され、時間が味方してくれるウクライナ側に対して、これ以上の停戦交渉に打開策がないとロシアが踏んだ場合、損耗率が1割を超えたとの報道が出てくるほど、開戦前の予測通り進展していないと思われるロシアがこれ以上の被害拡大を防ぐべく、全力攻勢してくる可能性がある。
ロシアへの経済制裁が暗号資産で回避できるとの報道も減ってきてくれたのは喜ばしいことだが、小さい穴でもしっかり塞ぐ必要があるため米当局側からの新たなアナウンスが出てもおかしくない状況である。今後もこれらのニュースを意識的に見ていきたい。
引き続きポジション管理には十分にお気を付けいただきたい。
■直近の注目イベント
延期中 グレースケールBTC信託をビットコインETFに転換申請の結果発表
筆者:前田慶次
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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