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簡単ではないからこそ面白い。底に隠された本質に気づく時。

20年ほど前にある会社の会社案内を制作した。聞き取りをしてたたき台のラフをつくりある程度OK をもらって、カメラマンと撮影に行った時のこと。商品が何万点もあってそこからチョイスしてカテゴリー別に並べて撮影する。物凄い労力だしそれを綺麗に並べるのも一苦労だ。これは1日や2日では撮影できないな〜と思いつつも、「少しでも綺麗に並べよう」そう思って頑張った。夕方になって社長が撮影を見に来て一言「違うんだよな!」と言いながら僕が夕方までかかって並べた商品をぐちゃぐちゃにこわし始めた。

『何でだよ❗️』💢「ラフも見せたし、綺麗な会社案内にしてくれって担当者はいってたのに」と社長に問いかけると。

「うちの会社は“あれもこれも全部100円〝だから綺麗なイメージなんて今はいらない!それよりも何万点もの商品がてんこ盛りに積まれてある方がいいだろ」そう言われた。

確かにそうだ。そちらの方が印象に残すべきイメージだ❗️そう思ったら💢は消えた。それからは、頭を切り替えててんこ盛り撮影。スムーズに撮影は進んだ。

思えば、担当者がカッコいいデザインにしてくださいと言った言葉を鵜呑みにした僕の責任だ。もっと本質の部分を見極めて事に当たるべきだったと反省。

会社案内が完成して納品に行った時、広報の人が「社長がいいのができたって喜んでましたよ。」っていってくれた。デザイン性は低いものとなったがクリエイティブ性に富んだものとなった。

あれから20年ほどの月日が流れ、この会社は誰もが知っている巨大な会社へと成長した。最後に、この仕事の最中に社長が社員に向かって怒っていたことを紹介しよう。

ある新人社員の机の横にゴミ箱があって、そのゴミ箱の横にゴミが落ちていた。それを見た社長が新人社員に向かって、

「ゴミがゴミ箱に入っていないことを怒ってるんじゃない❗️そのゴミをほったらかしにしていることを怒っているんだ💢」

この仕事をさせてもらって多くのことを学んだ。そして僕がフリーになって、違う仕事で同じ様な体験をする事になる。つづく。

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