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Processing Community Day Tokyo 2020 YouTube 視聴での感想

2020/02/01(土)、東京の Yahoo! LODGE にて Processing Community Day Tokyo 2020 が開催されました。
Processing Community Day はこの時期世界各地で行われる催しで、東京での開催は今回が 2回めとなります。

当日は様々な催しが開催されましたが、その中のキーノート、プレゼンテーションは YouTube でストリーミング中継がされました。
今回このストリーミング中継を視聴しましたのでその感想をちょっとだけ書き留めておきたいと思います。

趣旨、内容など詳しくは公式サイトをご覧ください。
https://pcd-tokyo.github.io/

現場で参加されたふみこん!(@238_k_)さんが素晴らしいレポートまとめてくださっていますのでこちらもどうぞ。


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まずは感謝です。

Processing Community Day はとても楽しい催しですが、チケットが取れなかった方、都合が悪くて行けない方、遠くて行けない方など参加できない方は沢山いらっしゃると思います。
私もその一人。そんなところにこの YouTube ストリーミング配信は正に救いの神!命の恩人!魂の救済者!なのです。
画質もバッチリ!音声もクッキリ!の大満足品質の配信をしていただけて、本当にありがたかったです。

配信もそうですが、この催し自体が運営の方々、ボランティアの方々の努力と配慮で成り立っており、今回は直前にコロナウイルスの流行もあって準備も神経を使って大変だったのではないかと想像します。

運営の方々、ボランティアの方々、そして登壇された方々、本当にありがとうございます。思いっきり楽しませていただきました!

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Keynote

杉原 聡さん「Processingによる建築設計 - コンピュテーショナルデザインの実践」

Processing を建築設計の実務に活用されているお話しで、その成果物のクオリティがもの凄い!
特に気になったのは中国のレストランの内装の有機的なデザイン。

なんか建築だけじゃなくて服とかもデザインできそうな、鎖帷子とか作れるんじゃないかな?

iGeo という 3D モデリングのライブラリも開発されてるとのことで、見てみたらドキュメントもバッチリでこれまたスゴイ!


松本 昭彦さん「音楽とアルゴリズム ~歴史・テクノロジー・アート~」

「作者が宣言すれば何でもアートとして成立するか?」とか「キュレーションこそがアート?」など刺さりまくりの内容。
日頃から「私がやってるのはアートなのか?」と漠然と思っていた私には実に興味深いお話しでした。

特に響いたのが「コンピュータが自律的に生成した未知なるものを人間は受け入れることができるか?それを受け入れられるように人間の感性のステップアップはあるか?」という所でした。
※あくまで私の解釈で、松本さん本人の言そのものというわけではありません。

私は人手を介さずコンピュータに自律的に創造させることを目標にしており、そこでは人による選別も無しにしたいと思っています。
しかし、コンピュータが創造したものを選別、キュレーションしないとしても、そのプログラムを書いた時点で既にキュレーションは始まってる気がするし、うーむ…

キュレーションと言えば AI を使って「面白い作品、面白くない作品」の仕分けを試みたことがありますが、これも AI のモデルデータ作成の時点で人間の選別が入ってるわけだし、う〜ん…

などと、今回のお話しをお聞きして楽しく悩ませていただいてます。

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Presentation

永松歩さん「クリエイティブコーディングを仕事にする フリーランス編」

ご自身のお仕事例として「スポーツ観戦の再創造展 日本科学未来館」をご紹介くださいました。

クリエイティブコーディングを仕事にするためにどういう事をされてきたかという点をもっと詳しくお聞きしたかったなと思いました。


中村 陽菜さん 「ProcessingとArduinoを用いて、取得された数値を材料に絵画を描く」

ご本人の卒業制作の作品のご紹介。
「取得された数値を材料に絵画を描く」ってすごく面白そうです。主催者のお一人 @takawo さんのこの感想が正にその通り!と感じました。

製作時に「データを取得されることをあまり意識しない生活の中で、データから絵を表現することでデータ取得を人々が意識することに繋がるのではないか」ということを考えて制作されたとのこと。
私は普段このようにテーマを考えて制作ということをしていないので、「大人だ!カッコいい!」と感じました。


安田 直樹さん 「プログラミング初学者向けの,p5.jsを用いた弾幕プログラミングのすすめ」

Processing Advent Calendar 2019 で「p5.js と reveal.js でブラウザで動くインタラクティブなプレゼンを作る」という記事を書かれた方で、今回の LT スライドも reveal.js を使ってらっしゃいました。

LT のスライド


内容はプログラミング入門から始まって、ゲームプログラミング、さらにはデジタルアートまで! LT でそのボリュームやる!?という驚きの内容。

プログラミング学習には「作って、アウトプットして、フィードバックもらって、次に活かす」というサイクルを回すことが大切で、弾幕プログラミングは短い時間でそのサイクルを沢山回せるから学習にうってつけだというお話しはなるほど納得でした。


Taito Otaniさん 「p5.jsでサウンドデザインツールのビジュアルを拡張する」

サウンドデザインツールってエフェクターと違うの? と思っていたら冒頭で説明あり、エフェクター+インターフェースをサウンドデザインツールと呼んでらっしゃるとのこと。
このインターフェースの作り方によって面白いことができるというお話しでした。

インターフェースと聞いてボタンとかツマミとかを思い浮かべていたら、なんと! p5.js で生成した絵から座標位置などの値を取り、それをシンセのパラメータにして音を出すという例が出てきてビックリ!インターフェースってそういう考え方か!と目からウロコでした。


@moxusさん 「Kusabiというwebglベースのクリエイティブコーディングのためのソフトウエアを開発していることについて」

ごめんなさい!こちら用があって配信見逃してしまいました。🙇‍♀️

LT 資料

https://gist.github.com/moxuse/5e12a2a54e189a5240a0e87bd667d9a9

開発してらっしゃる Kusabi


工藤麻祐子さん 「障子に穴をあけてもいいよ」

タイトルを見て観念的なお話しかな?と思っていたら、本当に穴開けてました。ただし、バーチャルで。
モノとバーチャルを組み合わせて新しい遊びを作るというお話しで、ゴミ捨て場の柵の中の空間をアクアリウムにとか、普通の自販機をガチャガチャにとか、街路樹に虫をとまらせて虫採りなど面白いアイディアがポンポン出てくる方でした。


ニイノミさん 「NEORT1周年の振り返りとこれからの話」

昨年第一回 PCD 東京で NEORT を開発中というお話しをされていたニイノミさん。それが一年後の今日、その NEORT を会社として立ち上げてもうすぐ一年という発表でした。これは感動ですよ!
NEORT を始められた経緯が「クリエイター個人が活躍できる機会が少ないという問題をどう解決するか?」で、この一年間有言実行されてきた姿がよくわかります。


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Talk Session

日常的にコードを書いて表現する

Twitterの #つぶやきProcessing ハッシュタグの創始者はぅ君(@Hau_kun)さん。
日頃のツイートでも、今回の発表でのお姿でも誠実そうなお人柄がにじみ出ていました。あと、アイコン似てる〜。🙂
夢はあのシフマン先生がつぶやきProcessing の投稿をしてくれることとおっしゃっていましたが、これ早々に実現するのでは?

いつも色使いの綺麗な作品を投稿されている nasana(@nasana_x)さん。
新しいスキル習得のために作品作ることが 20%、同じスキルセットを使って違う作品を作るのが 80%というお話しや、色によってその色に似合う形や動きがあると思うというお話しがあって、そんな考え方や感じ方があるんだと印象深く感じました。

Almina(@Code4_11)さんの作品は見れば「あ、これきっと Almina さんだ」とわかる個性的な作品。お話し聞いてたらその作品を大体一時間で作ると聞いてビックリ!そんな時間で出来ちゃうの!?
ご自身は美術的な知識が自分にはまだまだ足りないと思ってらっしゃるとのことで、これから勉強されてまたさらに良い作品作りに活かされるのではないかと楽しみです。

お三人ともデイリーコーディングを頑張ってるというより楽しんでらっしゃることが伝わってきて、うん!そうでなくっちゃね!と思ったのと、自分で作ったものに自分がワクワクするというところに大共感のトークセッションでした。

司会進行役の @takawo さん自身のお話しももう少し聞きたかったなと思いました。


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また来年もぜひ!

いろんな方のいろんなお話しをお聞きして、知らなかった技術、自分にはなかった考え方、感じ方などとても多くのことを得られた一日でした。
こういう機会は滅多に無く、本当に貴重な体験をさせてもらえました。

あらためて Processing Community Day Tokyo 2020 に感謝です!

また来年もぜひ!




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