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読書感想:まるで映画を読んでるよう「三体」

昨年から話題だった中国 SF「三体」、続編が出るというので読んでみました。
なるほどこりゃ面白いや!

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これはSFなのかな?

「三体」は 2006年に雑誌の連載小説として発表され、2015年には SF小説界最高峰の賞とされるヒューゴ賞をアジア作品として初めて受賞しました。

著者は劉慈欣(リュウ ジキン)さん。小説は本業のエンジニア業の傍らで書いているそう。それでヒューゴ賞獲っちゃうんだからとんでもない人ですね。😅

この本、まずエンターテインメントとしてとても面白かったです。読みながら「うわー…」「ええーっ!」と思わず声が出る、早く続きを読みたくてたまらない面白さ。文章はとてもこなれていて、すごく読みやすいです。明らかに ◯◯◯物と言える SF 小説なんだけど、SF 以外の要素もとても面白いです。

SF と思って読み始めたら、いきなり文化大革命のまっただ中から始まって面食らいました。その中で『相対性理論に代表される資産階級理論を打倒しなければならない』と出てきて吹き出してしまったのですが、これ本当にあったことなんですね。😵

文化大革命期中国におけるアインシュタイン批判

最初の出だしは歴史小説?途中はサスペンスあり、ホラーあり、終盤には怒涛の種明かし、宗教と政治、「射撃手仮説と農場主仮説」の世界観、主人公に対する罪、主人公が犯す罪などなど面白い要素がてんこ盛り!
まるで映画を読んでいるような感覚!

一番印象に残ったのは「人類のすべての行為は悪であり、悪こそが人類の本質」という言葉。全編に渡ってこの言葉が効いていました。(人類だけじゃないんだけど…)

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読み方で2度楽しめる

中国での初版は日本語版と構成が異なり、「4 科学境界(フロンティア)」から始まっているのだとか。
これは初版刊行時の中国の社会情勢の影響で改変した結果で、本来の構成は日本語版のとおり。著者によるとエンターテインメントとしては初版の構成のほうが読みやすいそう。

こちらの記事では初版の構成での冒頭部分が読めます。

あとがきで紹介されているように、初版の構成で読み直してみるのも印象が変わって面白かったです。

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続編が楽しみ!

本書のあとがきを読んで知ったのですが、この本、三部作の第一作目なんだそうです。
第二部は上下2冊にボリュームが増えて、第三部はさらにもっとボリュームがあるんだとか!

その第二部、その名も「三体:黒暗森林」(タイトルが怖い😱)日本語版が 2020/6月に発売されるとのこと!

は、早く読みたい〜!😣


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