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観音様をたずねて

ソマンのお寺のご本尊様は、千手観音である。
メメの印象が強すぎて、ソマン・シリーズで記すことを忘れていた。

メメや巡礼者が泊まる家の先に、新しくセメントで作られた小さな建物がある。
背後は山の斜面と同化していて、前の部分だけ壁を作った感じだ。
中に入ると、人より少し大きいくらいの千手観音像がおわします。
背後は大きな自然石が張り出している。このお寺も最初は大岩の下の窟のようになっていたのだろう。

横並びに幾つかご尊像が並んでいたけれど、主役は千手観音様。
ご尊像自体は、比較的新しいお姿であると感じた。

コロドンパで、観世音菩薩の身体の一部といわれる黒い石を拝み、
ソマンで千手観音に逢い、
メメから観音様の三大聖地についてきいた。

1つはコロドンパ。
1つはカシャパクパ(トリロクナ―)。
もう1つはチベット本土にあるという。

コロドンパにはもう参った。
インド国内にあるのは、ラホールにあるカシャパクパである。

ナコに滞在中、ソマンに来る前に知人から連絡があった。
ダラムサラに住む友人が、この週末にマナリへ行き、カシャパクパへ参拝へ行くという。
当時大雨でマナリの道が通行止めになったとかならなかったとかで、道路や天気の状況は如何なものかと質問のメッセージであった。

マナリの近くに、カシャパクパという観世音菩薩の聖地があることは聞いてはいたが、
今まではそれほど気にならなかった。
けれど今回は、名前が心に残っていた。

当初の予定では、帰りはマナリ(温泉)で少しゆっくりして、マニカラン(温泉)を廻って帰るだけだったのだが、ソマンにきて、コロドンパ&カシャパクパの話が浮上した。

ここで、観音様つながりでカシャパクパが燦然と輝き始める。

既にソマンで、旅程は変更されてしまった。
こうなったらカシャパクパも参って行こうということになり、カシャパクパへ行く方法を探すことになった。

カシャパクパはチベット語である。
ヒンドゥー語ではトリロクナーという。
場所はラホール地区にある。

ラホールとは、グル・リンポチェという、インドからチベットへ仏教が伝わった時にチベットの土地神を調伏するために招喚された、インドの大成就者が修行を深めたという場所である。

「ラホール&スピティ郡」と一緒にされてはいるが、タボやナコのチベット文化圏的な雰囲気とは違うらしい。

タボの図書室のCさんからも、スピティからラホール経由でマナリへ向かう方法など、色々教えてもらったけれど、結構ややこしい。
結局マナリに着いてから車で行くことになった。

それにしても不思議なのは、ヒマラヤ地域に観世音菩薩の聖地がこれほど多いことである。

こうして、2週間で終わる筈だった旅行が拡大していく。

つづく。


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